【and. people】食ライフのプロにインタビュー 「食のプロって何?」

【and.people】このシリーズはand.で活躍する食のクリエイターたちの“いま”を探るべく、普段の飾らない素顔や仕事内容をのぞいてみました。プロだからこそ知るテクニックや裏事情は、目からウロコ!知って得する情報も盛りだくさんでご紹介していく連載です。
今回は、ビジュアルフードクリエーターの白井ありささん
撮影はフォトグラファー許 カミン(キョ カミン)が担当しました。

「おいしく、つながる」/ビジュアルフードクリエーター

テレビ番組のお弁当選手権で優勝したことをきっかけに、
さまざまな食の世界で、活動の場を広げている白井ありささん。
いまの活動内容は、実に5つというのですから驚きです。
そんな彼女の魅力に迫ってきました!

5つの顔を持つ、食のプロって!?

hueand…ビジュアルフードクリエーターという仕事について教えていただけますか?

白井さん…はい。見た目のみならず、味や栄養など双方の専門知識を持つクリエーターのことをいいます。

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↑『麦わら帽子をかぶったトマトマリネ』

hueand…確かに、食は一面だけではなく、多面的。味も見た目も、栄養だって大切ですよね。その要素を取り入れながらビジュアルフードクリエーターとして、どのような活動をされているのですか?

白井さん…現在、大きく分けて5つの活動をしています。

hueand…5つですか?? それは、すごいですね~!

白井さん…すべて好きなことをやっていただけ(笑)。いつの間にか、その数になったのです。

hueand…具体的には、どのような活動内容なのですか?

白井さん…1つ目は、デパ地下などで販売するお弁当や惣菜のプロデュースです。ゆばと豆腐、生麩をメイン食材にしている店です。京素材ですが、現代風にアレンジして皆さんの手に届きやすいように提案しています。
2つ目は、製菓調理専門学校の特別講師。
3つ目は、大手食品メーカーのアンバサダーとしてウェブ連載。
4つ目は海外でのPR案件ですが、食品メーカーさんの販路拡大のために販売前の商品リサーチをする仕事です。5つ目は、個人の仕事とはセパレートしているのですが、芸能事務所に入っています。

hueand…タレントさんでもあるのですね。5つも掛け持っているとスケジュール管理なども難しそうですが…。どれが一番のメインになるのですか?

白井さん…1つ目の懐石お弁当のプロデュースです。
デパ地下は、売れ筋の定番メニューとは別で、目新しいものがないとお客様が飽きてしまいます。そのため、四季折々の食材を用いたお弁当のプロデュースや行事食を組み込んだ商品の開発を行っています。また、系列の日本料理屋が全国に15店舗ほどあり、一部そこの料理の提案もしています。

hueand…15店舗ごとに違うプロデュースですか。それぞれメニューや売れ筋が違うのですか?

白井さん…そうなのです。上野店などでは、パンダをモチーフにしたキャラ弁を手掛けることもあります。

hueand…やはりビジュアル面での制作がポイントになるということでしょうか?

キャラ弁の魅力にビビッ! 

hueand…キャラ弁といえば、テレビ番組「笑っていいとも」のお弁当選手権でも優勝されたと伺いました。

白井さん…2回、優勝させていただきました。

hueand…出場されたきっかけは、何だったのですか?

白井さん…当時、私はまだ大学生で父のお弁当を作っていたんです。ちょうど父の仕事が忙しくて帰宅も遅かったので会社にサプライズでキャラ弁を作って持って行ったのです。お弁当のフタを開けた瞬間の父の驚きの表情が忘れられなくて…。あー、私は、食べ物で人を感動させるような、この道で生きていきたいって、ビビッときちゃったんです(笑)。もうこれしかないって! そうしたら、母がテレビ番組でお弁当選手権をやっているから観てみたら?って。それで、大学の授業をサボってアルタまで持って行きました。テレビを観るよりもキャラ弁を作ってスタジオに持って行った方が早いって思ったので(笑)。

hueand…観るんではなく持って行ったのですか??すごい行動力!!!

白井さん…それで、その時に優勝しました。でも、自分ではまぐれだと思っています。なのでそこから、改めて食と向き合いました。もう一度、実力で優勝したくて。。。最初は、見た目だけを追求したものだったので、それだけではなく栄養面も考慮するように改良をして。その後、3回挑戦してコーナーの最終回で2回目の優勝をしたのです。それが、この道に入ったスタートです。もう、これ以上、楽しめるものはないなぁって。人生が大きく変わった瞬間ですね。

hueand…努力家ですね。それから、どんどん活動の場を広げていったのですか?

白井さん…当時はまだ学生だったので、できる範囲で活動していました。
卒業後は、食品メーカーに入社したのですが、どうしても料理家になる野望を諦めきれなくて(笑)。会社を辞めて、今があります。

“食育”だって見た目が大事!

白井さん…現在、いろいろな種類の仕事をさせていただいていますが、根幹は「食育」だと思っています。

hueand…活動をされている中で、そう思われたのはなぜですか?

白井さん…過去に拒食症になったことや、食品メーカー在籍中にファーストフード担当で週に7食以上食べて調査をする仕事があり、体調を崩したことがありまして・・・。その時に、「口にするもの=自分を構築するもの」だ、と食の重要性についてとても考えさせられました。いまは、SNS映えなどで、見た目にインパクトのあるものを求めがちだけれど、そこにしっかりとした、栄養のバランスも取り入れて、見た目から入る食育というものを推奨していきたいと思った次第です。

hueand…白井さんの手掛けるお料理は、本当にキュートで見ているだけでワクワクしますよね。ビジュアルフードを作るうえで、心掛けていることはありますか?

白井さん…サプライズ感を大切にしています。見た目と食べた時のギャップや、味と色の組み合わせなども意識しています。特に私と同年代は、あまり料理をしない人たちが多いので、ちょっと可愛かったり、楽しい意外性があると、料理をしたいという気持ちが沸きやすいので、そういった部分でも工夫をしています。
たとえば、これは『キラキラ☆ジュレの金魚そうめん』というタイトルをつけたのですが(笑)。

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↑『キラキラ☆ジュレの金魚そうめん』

出汁を使ったジュレに、おかひじきをもぐさに見立てて添えています。金魚は、出汁をとった昆布とパプリカを金魚型に抜いたもの。小さく、黄色い食材はレモンの皮を散らしたものです。レモンの皮のシトラス感が、食べた時にさわやかにはじけます。飾った食材の場所ごとに味が違うのがポイントです。

hueand…見た目も夏らしくて、これからの季節にぴったりですね! ビジュアルフードは、細かい細工のお料理が多いと思いますが、白井さんの手先の器用さはどうやって身につけたのですか??

白井さん…実は、陰キャラなんです(笑)。小さいころから、家で工作とか細かいことをしているのが好きなので。苦ではありません。バーベキューとか、ディズニーランドとかも行かない人です。

hueand…とても活動的なので、そんな風に見えない! ギャップがいいですよね(笑)

食べ物に命を吹き込む!?

hueand…先ほどから、食材に名前をつけながらお料理されているのが気になるのですが…。

白井さん…そうなのです(笑)。食材に命を吹き込んでいるのです。目をつけた瞬間に命が吹き込まれます。

hueand…おぉ、そうだったのですね!! 

白井さん…食べる時も目から食べます。食べられるために生まれてくるので、食べる時は、おいしくいただきます(笑)。
これは、夏の海岸をイメージしたクラブバーガーです。

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↑『クラブバーガー』

hueand…確かに! ベーグルに目をつけた瞬間にイキイキしてきましたね~。いまにも動き出しそうです!

身近な素材で、料理を楽しむ

hueand…不定期でお料理教室もされているとのことですが、プライベートレッスンなどですか?

白井さん…そうです。いまは、企業様からの依頼や個人的にお願いされた場合にお受けしています。
この間は、同じタレント事務所のぺこちゃん(ぺこ&りゅうちぇる)などがプライベートで参加してくれました。ぺこちゃんが、リクエストしてくれた食材や、やってみたいというテーマを盛り込んだレシピを提案しました。私は、わざとプロの道具を使わないようにしているので、セレクルではなく、牛乳パックを使ったり。専用のフルーツ用カッターなどではなく、計量の小さじを使ったりして。家にある身近なもので料理を楽しんでもらえるようにしているので、とても喜んでくれたみたいです。

hueand…高い道具を買い揃えなくても、身近なもので料理を楽しめるのはいいですね。

白井さん…私の料理は、あくまでも家庭料理なので、レストランのものではなくて身近な素材で作る方法を教えていきたいと思っています。特別なものを使わないで、ビジュアルフードを華やかに伝えていきたいです。

hueand…そのビジュアルフードを広げるために、協会も立ち上げられたとか?

白井さん…今夏にはスタートの予定です。いまは、さまざまな資格がありますが、食の根本は楽しむことだと思うのです。あれだめ、これだめでは苦しくなってしまうので。まずは口にして、自分で判断するのが一番いい。いろんな情報がありますけれども、情報ばかりに左右されずに、自分が食べていて心が喜ぶことを追求していってほしいですね。食に興味がまったくなかった人でも、ビジュアルフードという見た目の可愛らしさから入っていただいて、食のきっかけづくりになれたら嬉しいです。


hueand…素敵ですね。見た目も大切にしながら、楽しくて、おいしくて栄養になるという白井さんのビジュアルフードの概念が学べるのですね。

白井さん…私にしかできないビジュアルフードの世界を掘り下げて、皆さまにお伝えしていきたいですね。

***
撮影を終えて、キッチンでの白井さんの楽し気な様子は、本当に食の仕事が好きなのだということがとてもよく伝わりました。白井さんの手掛けるビジュアルフードにご興味のある方は、hueまでお問い合わせくださいね。見ているだけで幸せな気持ちにさせてくれること、間違いナシです!

白井さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com
依頼可能内容:ビジュアルフードの撮影調理・レシピ開発・商品開発・料理企画 等々

今回作ったレシピはこちら(@hueand_and)

<今回ご協力いただいた料理家>
sirai.jpg白井ありさ/ビジュアルフードクリエイター
フジテレビ「笑っていいとも!3Dキャラごはんコンテスト」2回優勝後、雑誌・TVにて多数出演。料理教室の講師を務めつつ企業のレシピ開発、販売促進に携わる。2014年、obentoの世界大会で準優勝し、そのお弁当が日本橋三越本店にて再現販売される。大学卒業後、大手食品メーカーに就職。GMSの商品開発・営業を勤めつつパラレルで料理家を勤め、2017年独立。現在はアジア圏でもメディアの出演・現地でのワークショップを進めている。見た目にインパクトのある料理をきっかけに食べることの楽しさ・作ることの大切さを伝える食育を推進。

kawagoe.jpg川越晃子/たべものライター&編集

出版社勤務後、フリーランスへ。食の取材を中心とした本の企画・構成をはじめ、レシピ作成やスタイリングを含めたトータルコーディネートなどを手掛けている。“食べるものによって、人の体も心も育まれる”という考えをモットーに、食べ物の裏側にある環境や農業、栄養学にも関心が高い。著書に、日本の食文化をまとめた『おにぎり』、『まるベジ・ドリンク』共にグラフィック社刊などがある。現在、フードスタイリスト、料理カメラマンとの女性3人のフードユニット「Soup Caravan」を結成中。



著者プロフィール

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hue and.(ヒュー アンド)
「and.」とは、食にまつわる分野に特化して活躍されている方々をまとめたネットワークの総称です。
食にまつわる問題・課題をお聞かせください。「and.」の中から最適な人材をコーディネートして皆様の食の課題を解決するお手伝いをしていきます。管理栄養士をはじめ、料理研究家、お菓子研究家、フードコーディネーターなど様々な分野のプロが承ります。

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