宣伝担当者や広報の方にぜひ知ってほしい「料理写真における撮影のポイント」まとめ

日々の生活の中で、私たちはたくさんの「写真」を目にしています。朝、目を覚ましてスマートフォンを立ち上げればSNSからはたくさんの写真情報が洪水のように流れてきます。テレビ、新聞、電車の広告、商品のパッケージ、たくさんの写真があるなかで、印象に残るのはどんな写真でしょうか。それは、料理写真のジャンルに関していうと間違いなく「美味しそうだ」と共感を得た写真です。

食の専門スタジオhueではこの一年間、たくさんの「料理写真」、「フードフォトグラファー」「美味しさを伝える方法」など食と写真に関する情報をお届けしてきました。
この記事では、今年『SIZZLE BLOG』で連載してきた「美味しさを共感させる写真」についてのトピックスをまとめました。特に商品をPRしたい、パッケージを撮影したいというニーズがある方には、効果的な料理写真を撮影するヒントがつまっていますので、ぜひご覧ください。

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写真で美味しさを伝えるために必要な「シズル」とは


料理写真を撮影するうえで欠かせない “シズル”。この言葉の意味をご存じですか?
元々は英語の「sizzle」という単語から派生したと言われています。「肉がジュージューと焼けている様子」を表す「sizzle」という英語が、五感を刺激するような、臨場感のある写真や映像を表現するときに使われる「シズル感」という言葉となったのです。
「おいしい写真」とはシズル感のある写真のことであると言われますが、hueではより分かりやすく、「食欲をそそる、そそられる」写真のことだと捉えています。

「おいしさ」を感じるのは「味覚」だけだと思われがちですが、「食べる」という行為は、五感全てを使った行為とも言えます。
口に入れた時の「味覚」はもちろんのこと、蓋をあけた時に漂う香りや湯気「嗅覚」、ちぎったりすくったりする時に伝わる「触覚」、ジューっと焼ける音「聴覚」、料理の色合いや食器・クロスなどのテーブルコーディネート「視覚」。
そのどれもが重要で、食欲をそそる一端を担っています。
写真では「視覚」でしか伝えられません。見た人においしさが「伝わる」ためには、その視覚のなかに他の4つの感覚をどう閉じ込めるか、ということが大事です。


hueでは、この「シズル」について言葉の側面から研究をされている『シズルワードの現在』著者BMFTの大橋正房さんとのシズル対談も連載してきました。
「シャキシャキ」「もちもち」「キーン」など、言葉が表わすシズル感とビジュアルが表現するシズル感について、大橋正房さんとフォトグラファー大手仁志との対談は、長年「美味しい」を追求しつづけた二人ならではのマニアックなシズル対談となりました。(シズルワードの記事はこちら)
食の撮影をする時、ビジュアルではどう伝えるべきなのか、その時、言葉はどう伝わるのか、この対談にはパッケージや商品PRを考えるためのヒントがたくさん詰まっています。
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『シズルワード』の記事(vol.1~3)

【温かい食べ物】【冷たい食べ物】
料理フォトグラファーが表現で大切にしているポイント


写真からおいしさを感じられるかを見分けるためには、料理ごとの表現方法を知っておくことが重要です。
シズル写真の表現には絶対に欠かせないのが温度の表現です。ここでは、「温かさ」と「冷たさ」を写真でどう表現するか、それぞれのポイントをお伝えします!
シズル写真にとって最も重要とも言えるポイントですので、ぜひ「おいしい写真」の撮り方や見方のヒントにしてください。


温かい食べ物を写真で表現するには「ゆげ」や「空気感」がポイント 

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温かい、という温度を写真で表現するには、「湯気」を使うのが最も一般的な表現方法です。
スープからふわり、と立ち上がる湯気なのか、鍋から豪快に立ち上がる湯気なのか、その料理の特徴をよく見極めて、もっとも適した方法で「湯気」を作り上げます。

湯気以外の方法では、手を温めるように器を持つ手や、少し猫背になる姿勢なども温かさを感じさせる表現になります。写る人物がいる場合は、厚手のセーターを着てもらうなども、周りの空気感も一緒に表現することで、より料理の温かさを「伝わる」表現にすることができます。

冷たい飲み物や食べ物は「水滴」や「明るさ」がポイント
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冷たさを写真で表現するには、食器のまわりにつく水滴が大切なポイントです。水滴の大きさを変えるだけでも、細かい温度の違いが表現ができます。例えば、コップに注がれたビールであれば、水滴が大きければ少し時間がだった感じが伝わり、小さく細かい水滴がいっぱいついたグラスであれば、より冷えたイメージを伝えることができます。

温度の表現は、光の種類、色温度でも変わってきます。細部での表現はもちろんのこと、サラダはシャキシャキとフレッシュな印象に、グラタンはアツアツの温かい印象になど、全体のトーンを見て調整することも大切になります。

もちろん、上記だけが表現方法の全てではありません。どの料理写真にも共通していえる大切なポイントは、見た人がその状況をリアルにイメージでき、さらに共感させられるかどうかです。
普段何気なく過ごしている中でも、「おいしい」という気持ちにはそれぞれ細かい状況の記憶があります。料理フォトグラファーは、「おいしかった記憶を呼び戻してあげる作業」のお手伝いをしているようなものです。そのためには、日ごろの観察が大事になってきます。

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美味しさを伝えられる、料理フォトグラファーに出会うには

hueでは、フォトグラファーは「消費者へイメージを届ける、表現のプロフェッショナル」であると考えています。表現方法やクリエイティブの方向性から撮影のご相談を頂くケースも多く、実際の撮影現場では密にコミュニケーションを取りながら撮影を進めていきます。

hueという社名は、「色調」や「彩り」を意味します。その言葉通り、hueには様々なタイプのフォトグラファーが総勢12名所属しています。
それぞれが自分の「個性」を持ち写真に表現しています。フォトグラファーによっては得意な分野が違ったり、また今後目指していく表現にも12名ぞれぞれのカラーがあります。
この一年間、連載をしてきた『フォトグラファーインタビュー』では、料理フォトグラファーとしてのこだわりや、実際の撮影現場での事例、そして今後のビジョンなどをフォトグラファーに語ってもらいました。食のフォトグラファーを目指したきっかけなど、普段はあまり聞けなかったエピソードにも注目です。料理フォトグラファーを知ることで、どんな撮影にどんなクリエイターが必要なのか選ぶきっかけにもなります。

フォトグラファーインタビューはこちら

「上手く言えないけど、ちょっと違う」という違和感を解決するために

「おいしい写真」を撮るためには、ただ写真の技術を磨けばいいわけではありません。そのための十分な準備があってはじめて、ひとつの写真の中に「おいしさの表現」を閉じ込めることができるのです。
料理写真を専門とするhueが「写真を撮る」ということで、どのような事を重点的に意識しているかをご紹介します。

たとえば撮影をしている中で、「何か上手く伝えられないけど、ちょっと違うんだよね…」といった違和感を感じる場面があります。こういった場面では、どのようにフォトグラファーに指示を出せばいいのかもわからないので、撮影自体が長引いたり、「これでいいか」と途中で妥協してしまったりすることもあるのではないでしょうか。
hueでは、そうした「上手く言葉にできなかった違和感」を解決できることが多くあります。
解決方法は様々で、ちょっとした「ゆげ」や「つや感」など足りていなかったシズル要素に気付くときもあれば、他の構図を試してみることで違和感が解決できることもあります。
それは、フォトグラファーが培ってきたノウハウやスキルを組み合わせて提案し、解決するフォトグラファーの『提案力』です。こうしたクライアントのモヤモヤした課題を解決し、納得のいくビジュアルができたときは、「次回もhueに頼もう」と納得して頂けるのだと思います。

撮影中の「何かが違う」。
解決力の秘密はフォトグラファーのヒアリング力

「何かが足りないとは思っていても、それが何なのかわからない」といった撮影中の違和感。まだ口に出していない不明確な違和感を、hueでの撮影中にスーッと解決できた時、クライアントから「どうして違和感を持っている事がわかったのか」と驚かれることも多くあります。ですが、こういった課題を解決できるのは、もともとクライアントが求めているイメージや課題など、フォトグラファーが細かくヒアリングしていたからこそ実現できるのだと思っています。ゴールのイメージを撮影現場のスタッフが共有できているからこそ、撮影を進めていく中で感じた個々の違和感を解決できるのです。

hueにご相談頂く中には、前回別の会社で撮影したが上手くいかなかったと思っているクライアントの方もいます。そういった時は特に、何が問題だったのかをフォトグラファーと食専門のプロデューサーが丁寧にヒアリングしています。

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食や飲料のビジュアルにおいて、「おいしそう」に感じられるかは、最も重要な点だと言って良いでしょう。ただ、単に作って撮るだけでは到底「おいしそうな写真」にはなりません。企画やアイディアに、フォトグラファーの個性やスキルに、設備など様々な要素が揃って「おいしい写真」はできるのです。つまりは、事前の十分な準備と、現場での提案力と対応力が大切だと言えると思います。
hueでは、撮影についてや写真の表現に詳しくない方が依頼主だとしても、求めるイメージを細かくヒアリングし、その「思い」を写真に込めるため、満足できるビジュアルを共に作っていけると思っています。

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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