写真を五感で楽しめる『浅間国際フォトフェスティバル』が開催中

長野県北佐久郡御代田町。
浅間山のふもとに広がるこの町で、2018年8月11日から9月30日まで、『浅間国際フォトフェスティバル』が開催されています。
なぜ写真のイベント?
御代田町はどんな町?
イベントと町の様子をご紹介します。

今までにない、体験型のフォトフェスティバル

御代田町で写真による町おこし事業が始まったのは、2017年。
ビジュアルコミュニケーション事業を展開する株式会社アマナが、メルシャン軽井沢美術館跡地に写真の美術館のオープンを目指して町と実行委員会を組織しました。
今回のフォトフェスティバルは、そのプレイベントとして位置付けられています。
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▲軽井沢駅からしなの鉄道に揺られること約15分、御代田駅に降り立つとホームにも作品の展示があります

今回のプロジェクトで事務局を務めるアマナの速水桃子さんにイベント開催の経緯をうかがうと、町の想いとアマナのコンテンツが一致したことが開催のきっかけになったそう。
「文化・高原公園都市」を掲げる御代田町ですが、2011年にメルシャン軽井沢美術館が閉館してからは芸術面での文化の担い手がいませんでした。
そこでアマナは、海外で実例のあるフォトフェスティバルによる町おこしという提案を行ったそうです。

イベントには国内外から31名のフォトグラファーが参加し、200点近い作品が美術館屋内外に展示されています。
作品の中で特に人気があるのは、ホンマタカシ氏のカメラオブスキュラで浅間山を写した新作や、VRゴーグルでみるチャーリー・エングマン氏の自身のお母さんをテーマにした作品だそう。
swissQprintという大型のプリンターによる作品のスケールも圧巻です。

またメルシャン時代からの歴史を感じさせる蔦が絡まった有機的な建物と作品との調和も見どころのひとつです。
御代田町の自然の中に写真という人工物が溶け込むことで、五感を刺激する写真の楽しみ方を体験できます。
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▲会場内、アニエスヴァルダ×JR、石橋英之、うつゆみこ、ルークステファンソン×元木大輔、小池健輔、ダミアン・プーラン、ロジャー・バレン、鈴木理策、マッシモ・ヴィターリ×谷尻誠の各作品

会期中はワークショップやマルシェなどの体験型イベントも同時開催されています。
9月8日(土)、9日(日)には『水野仁輔のデザインカレー教室~おいしく作るコツとおいしく撮るコツを学ぶ~』が開催。
現在のカレーブームを作った一人であり、カレー界では多くの信奉者を持つ水野氏が、「カレーをデザインする」というコンセプトのもと、色とりどりのカレーの作り方を伝授します。
おいしく盛り付けられた料理は食べる前に写真に残したいもの。
今回はhueの料理フォトグラファー近藤泰夫がおいしく撮るコツも教えます。
作って、撮って、食べて、一石三鳥のイベントへぜひご参加ください。
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アート作品だけじゃないイベントの魅力

会場内では地元の食材や地ビールといった食も楽しむことができます。

その一つ『BUS CONRO』は、ハンバーガーやサンドウィッチなど肉料理やスパイス料理をメインとしたフードトラック。

この日のメニューはスパイスチキンカレー。
ベースとなっているのは、アメリカ南部の郷土料理であるカントリー・キャプテンというカレー味の煮込み料理。
本場ではカレー粉で味付けするところ、店主の内田大樹さんはオリジナルブレンドのスパイスを使い、ココナッツミルクでマイルドさを出しています。
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▲鶏肉は骨付きを使っているので、さらっとしたカレーには鶏の出汁が凝縮!

会場内を歩き回って少し疲れたら、アマナのアドバンスドコーヒーマイスターである中川亮太さんが手がける『IMA cafe』でほっと一息。
オリジナルブランドコーヒーの他、こだわりのスイーツも楽しむことができます。

ソフトクリームは、乳脂肪分8%の濃厚なアイスクリームにふんわりとエアを練りこみ、星型から丸型に改良した絞り口でココアのワッフルコーンに可愛らしく盛られています。

さらにそのソフトクリームとコーヒーゼリーをあわせたパルフェも絶品。
浅間山の裾野を水脈にした水で抽出した「水出しアイスコーヒー」で作ったゼリーに、こだわりのソフトクリームをあわせて。
上にかかったコーヒーパウダーが良いアクセントになっています。
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▲ソフトクリームはミルク感、温度、滑らかな口どけがバッチリ! すっきりとした酸味のあるコーヒーゼリーにもよく合います

料理人を刺激する御代田町の食材

おいしい食は町中にもあります。

『霧下そば 地粉や』では、石臼挽き手打ち蕎麦が味わえます。
そば粉は100%地元産を使用し、栽培・丸抜き・石臼製粉・手打ちまで全て自家製です。

お店に入ってまず驚かされるのは、目の前に広がる景観です。
標高1000mの浅間サンライン沿いに位置するお店の客席からは、八ヶ岳と佐久平を一望できます。

人気のメニューは、「天ざる蕎麦」と「くるみだれ蕎麦」。
一口食べると香り高く、さらに食感が素晴らしい!

店主の内堀史彦さんにうかがうと、その秘密を教えてくれました。

 ・御代田町が昼夜の気温差が激しく朝霧が発生しやすい霧下地帯で、
  さらに浅間山の火山灰土壌によって、蕎麦や葉物野菜の生育にとっては好条件
 ・昼の部と夜の部に営業時間を分けて、その都度挽きたてを提供
 ・一度にたくさんの量は作れないが、信州蕎麦の伝統的な打ち方である
  「一本棒・丸延し」という製法を守っている

自然に恵まれているだけではなく、手間暇かかる伝統製法で丁寧に作られたおいしさです。

食後には「自家製そば茶プリン」がおすすめです。
こんなに香ばしいプリンは初めて!
ベースのプリン地もとっても濃厚でクリーミーです。

10月中旬からは新蕎麦が出てくるそう。
この時期特有のフレッシュな味わいを楽しみに、ぜひ秋の御代田町にも足をお運びください!
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▲晴れた日はぜひテラス席へ。御代田町の風を感じながら味わう蕎麦はまた格別です

蕎麦の楽しみ方は、それだけではありません。
フランスの北西部には蕎麦粉を使ったガレットという郷土料理があります。
『Auberge du Gourmand』は元々はガレットとクレープのカフェとして営業していましたが、今夏からはオーベルジュとして宿泊も受け入れるようになりました。

お店が位置するのは、御影用水温水路が流れる人気の別荘地帯。
穏やかな水の流れ、川のほとりを散歩をする人、カモの鳴き声、風に揺れる梢の音……まるでヨーロッパの田舎町に来たようです。

店主の平井絵美さんは元々東京の老舗フランス菓子屋でパティシエとして働いていました。
自分のお店を持つことを考えた時、料理も提供しようと思い、フランスに渡って各地の料理を学びます。
その時に経験した豊かな田舎暮らしが、東京ではなく御代田町にお店を出すきっかけになったそうです。

ランチは、お店のスペシャリテのガレットとクレープが中心。
ディナーは、予約制で地元の食材を使った伝統的なフランス料理を味わうことができます。

例えば前菜の信州豚の自家製生ハム。
お店のリニューアルオープンに合わせて仕込み、約4か月かけて作られた生ハムは、まだしっとり感も残しながら旨味が凝縮され、最良の状態で熟成されたことが分かります。

景観だけはなく、気候もヨーロッパに近いため、現地の調理法で地元の食材が料理できることもこの土地の魅力とのこと。
東京では数え切れないほど多くの店から刺激を受けてきたけれど、こちらでは食材や生産者から得るものが大きいと平井さんは言います。
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▲お店はこの地に移住した平井さんのお父様と一緒にセルフビルド。完成したての可愛らしい宿泊スペースで迎える朝はおいしい朝食が待っています

まだ間に合います、夏の思い出の締めくくりは御代田町で

御代田町を語るにあたって、老舗洋食屋『八ヶ倉』は外せません。
今年で開業35年目を迎えるこちらのお店で驚かされるのは、メニュー数の多さ。
パスタやピザ、魚や肉料理までその数なんと120点以上!
その中でも特に人気なのがハンバーグです。
仕込みから調理まで徹底して手作りにこだわるお店では、ハンバーグは塊肉をミンチにするところから始まります。

長年御代田町を見てきた店長の上野正弘さんに町の変化をうかがうと、年々人が増え、賑わいを見せているとのこと。
地元の方、軽井沢から少し足をのばして食事をしに来る方、都会から移住して来る方、最近では海外からの観光客も増えているようです。
そういう方々に料理を提供し続けることで、自分たちも町の活性化のお手伝いができているのかなと話します。
昼夜通しで営業しており、一日中お客さんが絶えないこのお店では、これからも実直な料理を提供し続けていきます。
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▲親子代々通ってくれる方も多いこの店では、お子さんからご年配の方までそれぞれが楽しめる料理を提供しています

今回取材した方々にフォトフェスティバルについてうかがうと、町のシンボルでもあった美術館の跡地でまたアートの祭典が開かれることが嬉しいという声をいただきました。
今まではお店の繁忙期だったので、少し時間が取れるようになるこれからフォトフェスティバルに行きたいという方もいらっしゃいました。

「文化・高原公園都市」の御代田町。
写真の美術館がまた町の人から愛されるシンボルとなり、御代田町が写真文化の発信源なる日が楽しみです。

INFO:
浅間国際フォトフェスティバル
2018年8月11日(土祝)- 9月30日(日)
10:00 - 18:00(最終入場 17:30)
※会期中無休
※入場無料
詳しくはこちらをご覧ください


水野仁輔のデザインカレー教室 ~おいしく作るコツとおいしく撮るコツを学ぶ~
2018年9月8日(土)- 9日(日)
11:00 - 13:00
エコールみよた内調理室
参加費/5000円
定員/20名
詳しくはこちらをご覧ください

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
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