写真展『GIFT』一夜限りのフォトエキシビション開催

9月よりhueスタジオにて開催している写真展『GIFT』。
フォトグラファー細見恵里とレタッチャー結城香織(amana digitalimaging)
そしてジャカルタを拠点に活動する姉妹フォトグラファーSally Ann&Emily May
4名のクリエイターが“GIFT”をテーマにコラボレーション作品を展示しています。
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先日には4名のトークイベントを開催。Sally&Emilyも来日し、
それぞれの出会いから、作品制作の裏側、作品のコンセプトなどについて語っていただきました。

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東京とジャカルタ、4名のクリエイターが出会ったきっかけ

日本のカルチャーに興味を持っていたSally&Emily。今年の3月末に来日した際に、インスタグラムで見つけていたhueスタジオを訪れます。たくさんのフォトグラファーの作品を見るなかで、一番惹きつけられたのが細見恵里の作品だったそうです。

Sally「色鮮やかでビビッドな写真に一目惚れ状態でした。特に気になったのが、蜷川美加さんとコラボした写真。写真はいつも個人で制作するものだと思っていましたが、複数のクリエイターが一緒に作品に取り組むとさらに素敵なものが出来上がるんだ、と再認識しました」
互いの作品に惹かれあい、その場でコラボレーション展示の約束を交わします。

細見「私の写真を気に入ってもらえたことが、とにかく嬉しかったです。
国境を越えてフットワーク軽く活動をしている彼女達と、一緒に展示することは自分にとって、とてもいい刺激になると思いました」

東京とジャカルタ、それぞれの拠点に分かれての制作活動

“GIFT”というコンセプトテーマを細見が提案。展示の約束をした後はそれぞれの拠点に分かれて制作活動に取り組みました。

細見「大切な人に送る贈り物のように、思いの詰まった写真を皆さんに届けたいと思い、今回の展示には、GIFTというタイトルをつけました。私自身、物に思いを込めて、人に伝えることがすごく好きで、写真を撮る作業は正にそれと同じだと思います」


Sally 「制作に関しての最大の難関は距離でした。スカイプとメールでのやりとりだと、どうしても時間が足りません。さらに、お互い話す言語が違うので、通訳で困った場面もありました。ですが、今振り返ると私たちは距離や言葉の壁なんて関係なかったと思います。“GIFT”というテーマを通して心が通じ合ったと強く思います。クリエイターとして、 ビジュアルでコミュニケーションをとれるのは素晴らしいことです。まさに国籍を超えた展示になったのではないでしょうか」

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「2つの国・4人の視点」を表現したキービジュアル

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4つの瞳がならぶ印象的なキービジュアルは展示テーマにあわせてそれぞれの作品を結城がコラージュして制作しました。

結城「2組のフォトグラファーがコラボレーションした今回の試み。それぞれの気持ちを、何か一つの絵にできないかと考えました。展示のキ―ビジュアルでは、細見さんと話し合い、「2つの国・4人の視点」ということで、2組4つの目に、感覚を象徴するようなエフェクトを合成・かつ、光の素材で一体感を演出しました。目はSally&Emilyが、エフェクトは細見さんが撮影しています。

コラージュについては、最初にmoodboardでイメージの方向性の共有をしました。
1つの絵に様々な価値観が共存することになるので、「GIFT」と結び付けて
「多様性を受け入れること」をテーマに、「五感」を価値観の象徴として、感覚が融合し第六感を感じれるようなビジュアルを目指しました。
今までの作品に加え、異国の景色や、細見さんの深い森での撮影など、たくさんの写真に刺激を受けています」

“前に進むこと・生きることの象徴”=“靴”

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『欲望』
細見「私にとって靴は、前に進むこと、生きることの象徴のような存在です。
今回の展示作品は、靴のモチーフに自分の姿を重ねて、4つのテーマで作品を作りました」

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『textile』
細見「普段から様々な食の撮影をするなかで、“美味しそう!”とは別に、よく想像するのですが、この野菜の模様のワンピースがあったら着たいとか、 このディティールや色の靴やバッグがあったらかわいいな、という自分の思いを形にしました。
色々試行錯誤した結果、モチーフにしてパターンにすれば、一見花柄のように見え、食もファッションに取り入れやすいのではないかと思いました。将来的には食べ物で色々なテキスタイルを作って、本当に着たいです」


“GIFT”=“愛”以上の贈り物はない


Sally「私たちはGIFTを愛と捉えました。愛以上に素晴らしい贈り物はないと考えています。今回は、愛を社会、環境、スピリチュアリティ、姉妹、そして自己として表現しました」

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『Love for Humanity』
Sally私たちの故郷、ジャカルタは多数民族で構成されています。様々な文化や言語が混じり合う中、人種差別や紛争が後を絶えません。でも私たちはこう思います。肌の色、髪の毛の色、顔と体の形。みな外見が違うけども同じ血が巡っているのです。写真に写っているモデルたちも、色々な環境で生まれ育ち、見た目は似てもつかない。だけど、同じく心臓があり、意思がある。人はみな同じなんです。この作品は汚れてしまった社会への贈り物です」

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『Love for Self』
Sally「普段、私たちは誰かに愛されたり、誰かを愛しながら生きていると思います。それはとても幸せなことで、愛はたくさんの温もりを与えてくれます。ただ、これらは自分を愛せたらの話。自分を愛せずに、他の人を愛せることはできるのでしょうか。他人を見ることも大事だと思いますが、結局は自分のことを知らなければ何も出来ないと思います。モデルのハート(心臓)が明るく灯っているように、見てくれる人たちにも、自分を愛せれるようになってもらえたら嬉しいです」


また、このレセプションでは「作品の世界観をより深く楽しんでもらいたい」と
五感で楽しむ“GIFT”として写真と和菓子のインスタレーションも登場しました。

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▲和菓子作家の坂本紫穂さん。

坂本 「毎日、毎時、私たちの目の前に落ちてくる光と影(陰と陽)のギフト。私たちが毎秒行っている“何を受け取ろうとして、何を拒むのか?“という選択の様子を表現しました」

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細見と結城が制作した写真作品の上に、影となる黒から、光となる黄色までグラデーションになった和菓子が並べられます。それぞれの手が光や影を受け取るようにも見えるインスタレーション。トークイベントの後は、参加者の皆さんが各自、好きな色を手にとり召し上がっていただきました。無意識のうちに選択した和菓子の色が、「きっと今の自分に足りていないものを表しているのではないでしょうか」と坂本さん。

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▲レセプション会場では写真の光と影をテーマに、黒を基調にしたお料理が登場。Sally&Emilyの拠点があるジャカルタにちなんで、インドネシア風のお料理も振る舞われました。お料理はhueプロデューサーの小澤慶三と西田幸希の二人が担当しています。


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▲レセプション会場にはたくさんの方にお越しいただきました。終盤には、和菓子のインスタレーションをみんなで味わい、“GIFT”の世界観を楽しんでいただきました。


細見「今回の作品制作を通して、自分のアイディアを形にする作業がすごく好きだと思いました。食とファッションを融合したようなビジュアルの広告など、絵作りから参加出来るといいなと思いました。また彼女達との展示によって、ビジュアルで世界中の人とコミュニケーションできる事を実感できたので、今後日本に限らず、国境を越えて自分の写真やアイディアを発信していきたいです」


結城「今回の作品展を通して、改めて“ビジュアル”は言葉や国籍は関係ない、感覚コミュニケーションなのだと感じました。私たちは今回、「GIFT」を掘り下げて考え、それぞれ具現化することに挑みました。「概念を象徴化する、具現化する」という点で、広告とアートは本質的に同じだと思います。どうアプローチしたら、求めている効果にたどりつけるか。クリエイティブチームとしてアイディアを出し合い、最終アウトプットの要として、本質的に考え具現化していく役割を、担って追求していきたいです。
また今回、食のモチーフ作りのコラージュ作成であったように、デザイン的な画作りが必要な場面でも活躍していきたいと思います」

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Sally「実はGIFT展の後、ジャカルタからシドニーに拠点を移動する予定です。シドニーは生まれた土地ですが、ジャカルタ育ちの私たちにとっては未知なる世界です。新しい刺激を受けながら、ファッションフォトグラファーとしてさらに技術を磨き上げ、邁進して行きたいと思います」

4名のクリエイターが国籍を超えてコラボレーションし、独創的な世界観を表現した写真展『GIFT』。10月末まで海岸アネックススタジオ6階にて開催しております。ぜひお立ち寄りください。

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著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。

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