あなたの“習慣”はなんですか?『おへそ塾@ORIDO』イベントレポート

料理家でありフードスタイリストとしても活躍されている江口恵子さんは、広告や書籍制作、企業のプロモーションの仕事に加え、吉祥寺のカフェ『ORIDO(オリド)』を主宰。忙しい日々を送りながら、3人のお子さんを持つお母さんでもあります。

huerepにも所属し、さらに仕事の幅を広げようと日々精力的に活動されている
江口さん。過去の記事では仕事と子育てついて伺ったインタビューや、子供料理教室の様子をご紹介しました。
今回はカフェ『ORIDO』で開催されたワークショップのイベントレポートです。

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「おへそ」から見る暮らし

江口さんが主宰する『ナチュラルフードクッキング』は
大人から子供まで幅広い世代が通う人気の教室です。
またお教室にはカフェ『ORIDO』を併設。「毎日食べたくなる、まっすぐおいしい料理とスイーツを“作る”と“食べる” 両方の側面からさまざまなカタチで提案したい」というコンセプトのもと、安心・安全な食材を使って、とことん手作りにこだわっています。店頭では、厳選された調味料や調理道具も販売されており、イベントも行われています。
ここが今回のワークショップの開催場所です。

講師は、フリーライター、編集者としてご活躍されている一田憲子さん
OLを経て編集プロダクションに転職後、数々の女性誌や単行本の執筆などを手がけていらっしゃいます。
2006年、企画から編集、執筆までを手がける『暮らしのおへそ』(主婦と生活社)を創刊し、編集ディレクターとして、著名人から一般人まで数多くの取材を行っています。
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 ▲一田さんの著書『かあさんの暮らしマネジメント』(SBクリエイティブ)では、江口さんをはじめ仕事と家事を楽しくまわすお母さん達を紹介。

その活動の一つが、今回のワークショップのテーマでもある「おへそ塾」。
「おへそ」とは“習慣”のこと。
6~8名の少人数のグループで行われるワークショップでは、
一田さんが参加者一人一人に「おへそ=習慣」にまつわる質問を投げかけ、
参加者はそれに答えながら自分の「おへそ」を探っていきます。

一田さんがこうした活動を始められたきっかけは、ご自身のお引越し。
新しい生活を機に今まで苦手だった早起きをしようと決意します。
しかし早起きをするためには、夜早く寝なければならないし、
そのためには日中の仕事の仕方も変えなければならない…。
結局断念することになります。
早起きというたった一つのことも変えられないことにもどかしさを感じた時、
習慣とはその人を作っている要素であり、
全てが紐づいているものであるということに気が付きます。

ちょうどその頃、今までにない新しいライフスタイル誌を作ろうと考えていた
一田さんは、この習慣を切り口にした『暮らしのおへそ』を創刊します。
習慣の積み重ねこそ、その人の人生であり、核となるもの。
その関係性と同じく、身体の中心部にあるのが「おへそ」。
「おへそ=習慣」と名付け、全国で様々な方を対象とした
「おへそ塾」というワークショップを開催されています。

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あなたの「おへそ」は何ですか?

今回のおへそ塾の参加者は全部で8名。
ほとんどの方が江口さんの料理教室の生徒さんです。
まずは自己紹介からスタート。年齢、ご家族の形態、
専業主婦の方からお仕事をされている方まで様々です。

自己紹介が終わったところで、一田さんから「おへそ」にまつわる質問が
投げかけられていきます。
その質問の内容は簡潔。
例えば、

―朝起きて、最初にやる「おへそ」は何ですか?

朝という限られた時間の中で無意識にこなし、
他の人が何をしているのか考えたこともなかった毎日の習慣。
そう大差ないのでは?と予想していたところ、その答えは十人十色。
共感できるものから、想像を超える驚きの答えまで様々です。
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「なぜそれを朝にやるの?」「何のため?」「誰のため?」

参加者の答えに対して、一田さんはさらに問いかけていきます。
それにより参加者という一塊に見えていた集団から、
急に一人一人のキャラクターが際立って見えてきます。
何気ないたった一つの質問から、その人の暮らしが見えてくるのです。
行動には全て理由があり、それは自分の生活や夢のため、
また大切な誰かのためのものであり、みんな一生懸命に暮らしています。
すると一人一人の人生がかけがえのないもので、
なんとも愛おしいものに思えてきます。
一田さんの話の聞き方、引き出し方にはこうした思いが表れています。

おへそ塾が終わりに差し掛かった頃、お店の中にいい香りが漂ってきました。
今回のワークショップは江口さん特製のスペシャルランチ付き。
白いんげん豆と一緒に煮込んだ塩豚、
薬膳のキッシュ、江口さんが20年間
作り続けてきた大人気のにんじんのサラダ、
酵素玄米には自家製のラー油を添えて…。
どれも野菜たっぷりで健康的なお料理ですが、素材の良さを引き出すだけではなく、お料理としての美味しさに必要な塩味加減も絶妙で、食べれば食べる程身体がどんどん欲します。

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身も心も温まるようなお料理を囲んで、一田さんと参加者の方々の会話は弾みます。
最初はあまりお話しされなかった方もどんどん饒舌になっていき、みるみるうちに場の雰囲気も変わっていきます。
みんな自分のことは語りたい、でも語る場はなかなかないもの。
しかし一田さんにじっくりと話を聞いてもらうことで安心し、
受け入れてもらうことで自信にもつながります。
さらに江口さんの料理とお人柄によって作られた、
全てを包み込むような優しい空間も相乗効果となった雰囲気の変化なのでしょう。
おへそ塾が終わる頃には参加者全体の声のトーンも上がり、
皆さんまだまだ話し足りない様子でした。

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進化のポイントは「おへそ」にあり

おへそ塾はこの場で終わりではありません。
このワークショップで自分が語ったことを、家に帰った時、
そしてふとした瞬間に思い出した時にじわじわと効いてくるものだそうです。

江口さんもこの感覚にすっかり魅了された一人です。
江口さんと一田さんの出会いは10年以上前の取材がきっかけ。
当時の江口さんはインテリアスタイリストとして活躍しており、
取材内容もご自宅のインテリアについてでした。
その後3人のお子さんのお母さんとなり、仕事の中心を食にシフトしていきますが、そうした江口さんの人生の節目や合間に一田さんは様々な切り口で取材を続けていきました。
出会って10年以上、仕事の面でもプライベートでも環境が変化する中で進化し続けていく江口さんのことが、一田さんはとても興味深かったそうです。

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そして江口さんも一田さんにインタビューされることが大好きとのこと。
なぜなら気負わず自然体で答えられる一田さんの問いかけによって引き出された自分の答えから今の自分を知り、家に帰ってから自分が話したことを反芻し、さらに記事となった時に起こされた文章を読むことで新たな発見があるようです。
こうした自分を見つめる、知るということは、仕事の面でもプライベートでも大いに役立っているそうです。

このように親交を深めてきた江口さんと一田さんですが、
最近の話題は“ビジネス”とか。
それは広く世の中のお金の流れについて思いを巡らせたり、
自分達の活動をどのように数字につなげていくか考えたり。
ビジネス的観点を持って、それぞれのスキルで伝えられることを
より多くの人に広めたい。
今お二人がこのような考えに至ったのは、
長年続けてきたお互いの活動が熟してきたからなのでしょう。

こうした新たな転換期を迎えて挑戦を続けているお二人ですが、
進化はしてもブレは感じさせません。
そこには変化に寛容であっても、その核となる「おへそ」はどこにあるのか見失わないというお二人の共通点が見えてきます。
強くしなやかに生きるポイントがここにありました。

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江口恵子さん「日々、伝わる食育」vol,1の記事はこちら
江口恵子さん「日々、伝わる食育」vol,2の記事はこちら

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