デジタルコミュニケーションで“食に熱狂”を!若きクリエイター/プランナーTokyo Trend Kitchen小林俊貴さんインタビュー

思わず手を止めて見入ってしまうレシピ動画。最近ちゃんと料理をしていなかったけれど、次のお休みにはひさしぶりに友人を呼んで食事会をしようかな。
レシピ動画には、そんな食のワクワク感を思い起こさせる力があります。


#RoastChicken from TOKYO TREND KITCHEN Inc. on Vimeo.

こうしたレシピ動画の企画から調理、スタイリング、出演、撮影、編集まで全て一人で行っているのが、今回ご紹介するTokyoTrendKitchenの小林俊貴さんです。小林さんが代表取締役を務める株式会社TokyoTrendKitchenでは、食の映像制作にまつわる企画・撮影・編集・フードスタイリングから、デジタルコミュニケーションにおけるプランニング、オンライン広告を活用したマーケティング支援まで、ワンストップで手掛けています。

コンテンツマーケティングにおける動画の重要性が高まる中、小林さんのシズル感あふれる作品は高く評価され、クライアントには話題のキッチンツールのメーカーから大手食品メーカーまで様々。制作したブランディングレシピ動画や商品プロモーション動画は、駅や店頭のデジタルサイネージや展示会での上映用コンテンツとして活用されています。

今回新しくhue repに加わり、デジタルコミュニケーションの世界でさらに活躍の場を広げる小林さんに、ものづくりへのこだわりと、動画のこれからについてお話をうかがいました。

動画で広がる、リアルなものづくりの世界

TokyoTrendKitchenのシズル感あふれるレシピ動画からは、作り手である小林さんの食に対する強い思いが伝わってきます。まずは小林さんご自身の食体験についてうかがいました。

「ちょうど高校を卒業するタイミングで東日本大震災を経験しました。自分の圧倒的な無力感と同時に、生きることとは何かという問いを強く感じました。
そんな矢先に出会ったのが料理でした。自分で作った簡単な料理ではありましたが、温かさや美味しさをふと感じる瞬間がありました。生きることを実感させてくれる、食というリアルな体験にどんどん惹かれていきました。
もっと技術や理論を体系立って学びたいと思い、調理師専門学校に通いました」

640_O6A5676.jpg
調理師学校卒業後、小林さんは有名なホテルやレストランなどで様々な料理経験を積みます。

その頃始めたのが、YouTubeによるレシピ動画の配信です。

TTKyoutubeトップ画像.PNG

「様々な現場やトップシェフの一流の技術を見る中で、料理それぞれに表情やストーリーがあることを感じました。これは作って食べるだけではもったいない、そう思ってシズル感あふれる写真として記録することを始めました。
ある時、写真を撮るつもりが間違えて録画ボタンを押してしまい…。でもその偶然撮れた動画がとてもシネマティックだったんです!完成した料理だけはなく、作る過程まで表現できる動画の世界は面白いとどんどんハマっていきました。
時代はまさにweb動画が盛り上がりを見せ始めた頃で、世界中の様々な人に向けて食のワクワク感を伝えたい!という思いから、表現の手段としてYouTube上でレシピ動画の配信を始めました」

偶然飛び込んだ動画の世界ですが、その後動画制作や広告事業を行う会社で広告制作ディレクションや、メディアの立ち上げや運営のノウハウを習得します。

自分にしか出せない持ち味で料理の表現を行いたい、という強い思いがあった小林さんは、原点である食の領域で勝負することに決め、2016年4月に、株式会社TokyoTrendKitchenを設立します。

「コンセプトは、“食に熱狂を、食にワクワクを”。
仕事や子育てで忙しい方、毎日の料理が義務化している方にとっても、ポジティブに食を楽しむ文化を広げていきたいという思いがあります。
また、料理人や学生時代に学んだことも活かし、食材へのこだわり、栄養バランス、美味しくなる調理技術やそのロジカル、調理器具の違いや使い方などについて紹介していきたいと考えました」

TTKインスタトップ写真.PNG

ホットプレートのイメージを変えた「BRUNO」のブランディング

ホットプレートが大ヒットしている、株式会社イデアインターナショナルが立ち上げたライフスタイルブランド「BRUNO」では、プロモーション動画の制作に関わっているそうです。

Stopmotion - ENJOY! COLORS from TOKYO TREND KITCHEN Inc. on Vimeo. 

「機能性に加えて、おしゃれなデザインが売りのホットプレートは、バルの流行に沿ったレシピ訴求も追い風となり非常にヒットしている製品です。雑誌やテレビ媒体でも取り上げられているのですが、SNSを通じてさらにリーチを広めたいというクライアントの意向があり、オンライン動画を駆使したプロモーション戦略を提案しました。
ブランドのトンマナやビジョンに寄せた動画クリエイティブと、制作した動画の効果を引き出すオンライン広告の運用を通じて、認知度向上やブランディングにつなげていくことを提案しました」

通常、企画や制作、広告の運用まで、基本的にはそれらを全て小林さん一人で行っています。
動画広告のパフォーマンスを確認しながら、状況に応じて広告クリエイティブを途中で改良することもあるそうです。
こうしたワンストップサービスを提供できるのも小林さんの強みです。
そのシズル感あふれる作品には、クリエイターとしてのこだわりが感じられ、各企業から高い評価を得ています。

具体的にどのような表現方法をされているのかうかがいました。

「BRUNOのコンセプトは、“愉しむ”と“テーブルクッキング”。
テーブルを囲んで、家族や仲間とみんなでワイワイ料理を作る光景です。
それを表現するために、スタイリングや写し方はもちろんですが、テキストのアニメーションの工夫やストップモーションを織り交ぜて、ちょっと面白いギミックや遊び心を取り入れています」



#Lasagna from TOKYO TREND KITCHEN Inc. on Vimeo.

深く印象に残りやすいという動画の特性を最大限生かすべく、動画の活用機会や配信チャネルはさらに広がりを見せます。

「BRUNOの場合は、直営店の店舗紹介やレシピ、商品プロモーションや新商品の告知にまで、動画を積極的に取り入れています。良いエンゲージメントも得られています。また、配信先もオンラインに留まらず、駅のサイネージや店舗でのモニターへも配信しています。動画は多言語に対応できるので、アジア圏の国々でも視聴数が相当あります。

クリエイターとしての根底に活かされているのは、調理師学校時代や現場で間近に体験した、細部にまで妥協を許さない一流の料理人の方々の姿勢です。
案件が大きくなるにつれて、最近ではプランナーやプロデューサーとしての立場に立つこともあります。
ひとりで生み出す苦しさを感じながら模索していることが多い中で、他のパートナーと組むことで成し遂げられることへの達成感や一体感は特別なものがあります」

動画の表現者が考えるこれから

動画の今後や、小林さんの目標についてうかがいました。

「これからもオンラインを中心に、様々な局面で動画と接する機会は増えていきます。
ビジュアルコミュニケーションの一層の活発化に伴い、表現の幅を広げるツールとして、ますますど動画は身近に活用されていくと思います。

自分自身はこれからもとことん食の表現方法として動画と向き合っていきたいですし、やがてはリアルとデジタルの境界線を減らしていくようなコンテンツや体験を仕掛けていきたいと思っています。
例えばTokyoTrendKitchenのポップアップレストランを作ったり、調理器具のブランドを立ち上げることも実現したいです。

シズルって実は日常の食卓にあふれていて、料理を作っている瞬間や食べる瞬間に必ず存在しているものだと思います。そんな一瞬一瞬を切り取って繋いだ、ワクワクする食の動画を介して、一人でも多くの人の心に美味しさを伝えていければと思っています」

地下鉄.jpg

▲東京メトロでのサイネージ動画。街中で動画を見かける機会は増えています。

ますます動画に注目が集まる中、これからのデジタルコミュニケーションには何が求められるのでしょうか。

「デジタル広告は、従来テクノロジーに頼る部分が大きかったと思います。
例えばネットで買い物すると、履歴に紐づいた広告がずっと出るようになりますよね。良いクリエイティブを作ること以上に、優秀なセグメントやターゲティングが行われているかが重視されてきたように思います。
趣味趣向やユーザー行動がますます多様化し、動画表現のレベルが一層上がっていく中で、よりユーザー視点に立ったクリエイティブ表現とアプローチ姿勢が求められていくと思います。極端な話、より局所的なターゲットにのみに刺さる尖ったクリエイティブ表現を行い、熱狂的なファンを生み出すマーケティングが加速していくと思います。

これからも様々なコンテンツのプロデュースを通じて画面の先にいるユーザーとの距離を近づけていけるような表現に挑戦していきたいと思います」

現在TokyoTrendKitchenは、様々なクライアントとのコラボレーションを進めています。デジタルコミュニケーションの若きクリエイターであり、プランナーの小林さんのこれからがますます楽しみです!

プロフィール:
小林 俊貴 Toshiki Kobayashi
デジタルコミュニケーション・フードクリエイター。
「食」に特化したデジタルコミュニケーションを得意とするフードクリエイター。映像制作にまつわる企画・撮影・編集・フードスタイリングから、デジタルコミュニケーションにおけるプランニング、マーケティング支援まで、「魅せる映像」を制作し、「見られる」仕掛けを行う。

著者プロフィール

著者アイコン
株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
お問い合わせ

関連記事