【hue フードフォトグラファーに質問!】 「料理撮影におすすめのカメラを教えて!

12名の食を専門とするフォトグラファーが在籍している『食の専門スタジオhue』。この記事ではフードフォトグラファーがスタジオでよく聞かれる質問に、お答えしていきたいと思います。
hueのフォトグラファーが良く聞かれる事の一つが「今度、カメラを買おうと思うんですけど、どんなカメラがおすすめですか?」という質問。

確かに、料理を専門とするフォトグラファーは、普段どんなカメラ使っているのか、気になりますよね。料理撮影は、カメラの技術やテクニック以外にも、たくさんの撮影ポイントがありますが、とは言え、料理向きのカメラ機材とは、どんなものなのか知りたいところ。

今回、質問に答えてくれたのは、ヒューで「機材のスペシャリスト」と呼ばれているフォトグラファー井口俊介さんです。井口さんは、前回のインタビューでも紹介されましたが、理系、物理学専攻からフードフォトグラファーに転身した経歴の持ち主。機材やメカニックな事は社内で一番詳しく、機材のメンテナンスや管理も任されている、頼れる存在です。

料理撮影、広告の現場ではどんな機材を使っていますか?

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井口・普段、ヒュースタジオでは広告の料理撮影をしています。機材はすべてプロ用の機材で一般的なカメラとは大きく違います。画素数も5000万画素、8000万画素とか、(最近は1億画素も)と大きく、ポスターやビルボードなど、どんな媒体でも使えるよう大きなサイズで撮影しています。

こういったプロ用の機材は、広告の現場では必須なんですが、普段のシーンで使うのは現実的ではないですよね。第一に持ち歩けるような大きさの機材ではないし、とても高価(ちなみにお値段は数百万円~)、そして何より使いこなせるようになるまで、時間もかなりかかります。

休日に写真を楽しみたい。
料理を美味しそうに撮るには?

井口最近のカメラはとても性能が良いのでお値段次第でいくらでも良いカメラが手に入ります。
その分、選ぶときには迷いますよね。いまはスマートフォンでどんどん写真が撮れるようになっているので、あえてカメラを持つなら、自分の使い方やライフスタイルにぴったり合った一台を選びたいものです。

一般的に言うと・・・

「手軽に持ち歩きたい!」という方は小さくて機動力抜群のコンパクトカメラ。

「本格的に撮ってみたい!」という方は、やっぱり一眼レフタイプ。

 一眼レフタイプは、撮りたい被写体にあわせてレンズを選んだり、絞りやシャッタースピートを変えて様々な撮影に挑戦できる点が何より魅力。
諧調表現もプロ用の機材に近い美しさが表現できます。

ただし、気軽に持ち歩くにはちょっと重い・・・。

これは僕自身もそうなんですが、「カメラちょっと重いな」と感じると
「今日はいいや、置いていこう」となって、結局、持ち歩かなくなる。
シャッターチャンスがあってもカメラがない。って事はよくあるんです。
良い写真を撮りたい、写真が上手くなりたい、と思うのであれば、
僕は普段からどんどんカメラを持ち歩いて常に撮り続けることだと思っています。

そこで、個人的におすすめしたいのは「ミラーレスタイプ」。
これはコンパクトカメラと一眼レフの良いところを両方もっていると言えるカメラです。

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△実際に井口さんがプライベートで使っているカメラ。
右からレンズ ホクトレンダー 25mm f0.95、OLMPUS OMD EM-10 MkⅡ
(レンズ ホクトレンダー 17.5mm f0.95)、
LUMIX GX-1(レンズ ライカ 15mm f1.7)

料理をおいしそうに撮る時、
選びたいカメラ機材のポイント2つ!

井口・おいしそうに料理を撮りたい時、撮影の光など、たくさんのポイントがありますが、
ミラーレスカメラの強みとしては、僕はこの2つのポイントがあると考えています。 

1・どれだけ被写体(料理)によれるか。
2・被写体の背景がきれいにボケているか。

よく「ミラーレスってほんとに上手く撮れるの??」と聞かれますが、
僕は一眼レフと変わりないくらいの表現ができると思っています。

ミラーレスカメラとコンパクトカメラの一番大きな違いはレンズが変えられる事です。
撮りたい被写体に合わせて、レンズを選べば料理写真は格段にうまくなります。
被写体である料理にぐっと寄って、背景をきれいにボケさせてみましょう。 

ちなみにミラーレスカメラを使う時、
僕が好きで使っているレンズは17.5mm (フルサイズのカメラ換算で35mm)です。
標準レンズと言うと50mmですが、個人的には望遠気味に感じてしまいます。
もう一歩よって、広く、大きく撮りたいので、少し広角気味の35mmが使い勝手がいい。風景にしても、35mmが気持ち良い広さを持っているように思います。
「望遠レンズが欲しいな」 と思う時は、自分が被写体に歩み寄って撮れば良いのです。

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△井口さんが休日にミラーレスカメラで撮影した一コマ

井口・一言でミラーレスと言っても、様々な機種があります。ここは実際にカメラを手にとってみて自分で明るさや、ボケ具合が調整しやすいかどうかチェックしてみてください。特にこだわりたいのは、後ろのボケ味です。SNSにあげる写真でも、背景がきれいにボケていると「いいね!」のリアクションが多くなると思いますよ。

ちなみに僕は、プライベートでもミラーレスを愛用していて、昨年にはオリンパスOMDを買って愛用しています。その前はLUMIXを使っていました。より一眼レフに近い、手ごたえのあるカメラです。そして鞄に入れて気軽に持ち運びできる、ギリギリの大きさだと思います。

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△インタビューをしながら、井口さんが撮ったクッキーの写真。手持ちのミラーレスカメラではここまで、ぐぐっと被写体による事ができます!

 会社で商品撮影(料理)を頼まれた!
どんなカメラで撮ればよい?

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井口・料理撮影の場合、カメラも大切ですが、
先に話したとおり最近のカメラの性能はとても良くなっています。
コンパクトカメラでもミラーレスでも、今、持っているカメラで撮影に挑戦してみてください。

そして、商品撮影の場合、どういった用途で使われる写真かによりますが、
三脚を使う事も良い写真を撮る際の大きなポイントです。

三脚を使うメリットは、ズバリ!しっかり固定できること!

料理撮影において、カメラが安定しているかどうかは、とても大きなポイントです。
料理は生き物ですから、時間が経過すればどんどん表情が変わります。カメラが固定していれば、撮影もスマートに進められるし、「さっき撮った方が良かった」となった時、料理の状態を戻して撮影することもスムーズです。

「撮影する背景に余計なものが写っていないか」しっかりと確認したうえで撮影できます。そして何より、撮影する場所が少し暗くても三脚があればブレずに撮影できます。
三脚自体は手軽な価格でも手に入りますので、ぜひ使ってみてください。

最後にカメラを三脚で固定する前に、手持ちの状態でアングルはしっかり探っておくのがポイントです!
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△hueでは主にロケ撮影で使用する三脚。広告撮影で使うものはガッシリとした重めの三脚が主流ですが、手軽な三脚でも充分に使用できます!

 

 

番外編・子どもや動物、かわいく撮りたい!

少し本題から離れますが、昨年、お子さんが生まれた井口さん。
「パパになってからはもっぱら子どもの写真ばかり撮っています」との事。
子どもや動物をかわいく撮りたい時のポイントも教えてください!
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 子どもを撮る時に意識しているのは、「とにかくよく観察すること!」

井口・これはどんな撮影にも当てはまりますが、子どもや動物は、じっくり観察して、どんな時にどんな表情をするのか、どの角度がかわいく見えるのか。とにかく観察することが大切です。
僕が使っているレンズは、オートフォーカスより明るさを重視しているレンズなのですが、本当は子どもや動物のように、動きが細かく素早いものはオートフォーカスが早いカメラが絶対にお勧めです。子どもの運動会なんかでも、重宝しますよ。

 あとは、とにかくシャッターチャンスを逃さないこと。

その為に、我が家はリビングに2台くらいカメラが転がっていて、いつでも子どもの表情を撮るようにしています。撮りたいと思った時に手元にすぐにカメラがないと、一瞬の表情は撮れないですよね。とくに子どもがまだ小さいので「さっきの顔、もう一回して!」とは言えないのです。とにかくたくさんシャッターをきって、撮影することが大切です。

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たくさん撮った写真は、Wi-Fi搭載しているカメラなら、気に入ったカットだけ携帯に送っておけばSNSにアップするのも楽ですよ

料理から子どのの撮影まで、一貫して「よく観察すること」「シャッターチャンスを逃さない為のカメラを選ぶこと」がポイントになるのですね。ぜひ、カメラ選びの参考に、そして料理撮影の参考にしてみてください!

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。

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