写真展『floral sweets』開催 フォトグラファー井口俊介インタビュー

洗練された花やスイーツ。なにか物語を感じさせる空間を切り撮った作品の数々。hueフォトグラファー井口俊介の写真展『floral sweets』が開催されています。
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どこか遠い国の陽の光を表現したい


「カメラが好きで、写真を撮り始めた学生時代を振り返ると20年くらい。ずっと写真を撮ってきて、いつか自分の作品を展示するなら、と構想は頭の中にずっとありました」

自身では今回が初となる写真展では、どこか遠い国のテーブルや生活のワンシーンをイメージしていたそうです。日本にはないような、太陽の光や色、空気の質感を写真の世界で表現したいと、構成をねっていました。

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幼少の頃から小学生時代までをカナダのトロントで過ごした井口さん。
子どもの頃、夏のはじまりは夜が遅く、夕食を食べてもまだ外が昼間のように明るい季節でした。
「あんまり外が明るいので、いま食べたのはランチだと思い込んで母親に夕食はまだ?と尋ねたそうです。子ども心に夏のはじまりは不思議でワクワクする季節だった」
春のおわり、夏のはじまり、その夕暮れ。
そんな子どもの頃の記憶も重なって描かれたのは、なにか物語のはじまりのようなテーブルのシーンでした。

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見惚れる、そんな感覚を表現

「撮影では、窓からの光をどう表現するかを意識しました。絵画でたとえるとフェルメール。普段の仕事では商品をクローズアップする撮影が多いので、作品では広がりのある世界を撮影したいと思っていました」。

作品のなかには、花の色が手前に滲んで見えるカットが印象的です。
滲んだ花の色は見る人の視線をゆったりとスイーツに導いてくれるように感じます。
「人間の眼も、集中してものを見つめると周りが滲んだようになる。スイーツに見惚れているような、そんな感覚を作品でも表現したかった」

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魅力的なスイーツは、パティシエの濱田恵里さんに依頼。今は店舗を持っていませんが以前はヨーロッパで修業を重ねてきた濱田さん。井口さんが表現したい世界感を伝えると、ありそうでなかった色合いやスタイルのスイーツを提案してくれたそうです。洗練されているけど、どこか温もりがあるスイーツに仕上がりました。

同じく作品のスタイリングは仕事でも何度かお世話になったスタイリストの萩原真太郎さん。提案してくれたテクスチャーのある石や銅の食器が表現したい世界観をぐっと引きあげてくれたそうです。

「作品撮影でお二人に参加してもらえて、今までにない表現に挑戦することができました。即興的なアイデアもあって、思いがけない作品が仕上がったり。普段のヨリの世界とは違う撮影なので、床も壁も作りこんで、カメラが一歩後ろへ下がるたびに大変さが増しました」
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暗部を美しくみせる質感


展示作品はあえて、マットな紙を選んだという井口さん。通常では食を美味しそうに見せる場合はツヤのある紙を選ぶところですが、ここにはこだわりがあったようです。
「雰囲気のあるマットな紙は、この展示では絶対でした。フィルムのような質感を感じさせたいのと、自分なりの感覚ですがこの紙だと暗部の諧調が気持ちよく表現できると思っています」
作品は確かにトーンを落とした部分が多く、それゆえにスイーツや花が持つきらめきを浮き出しているように感じます。

展示にあわせて特設インスタグラムもスタート。「自分としては意外な作品に、いいね!とリアクションをもらう事が多くて、これも新たな気づきでした。今回が初めての展示でしたが、いま頂いているコメントやリアクションを踏まえてまた違った作品撮影にチャレンジしたい。頭の中では、次回作にむけてフル回転です」

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 ▲展示を見てくださったお客様からは、「井口さんの作品とは意外!」と驚かれることもあったそうです。

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 ▲写真展にあわせて制作された写真集。こちらには展示作品以外のものも掲載されていて、深く世界観を味わえる一冊になっている。

写真展『floral sweets』
hue 6F Gallery
会期5月~7月末まで
特設インスタグラムはこちら

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著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。

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