広告と料理、ふたつのキャリアをフルに活かして hueプロデューサー・小澤慶三

hueには、実際の撮影を行うフォトグラファーだけでなく、CGクリエーターやプランナーなど、さまざまなスタッフが在籍しています。その中で、お客様の窓口となって制作全体を管理していくプロデューサーも、重要な役目を果たしています。今回、ご紹介する小澤慶三もそのひとり。実は、広告の世界と料理の世界の両方に深く関わってきた、ユニークなキャリアの持ち主なんです。

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photo/Eri Hosomi

広告業界からフレンチへ,思い切った転職

小澤の最初のキャリアは、大阪のCM制作会社から始まります。

20年近く前、新卒で入社した制作会社で初めて担当したロケ撮影が大手酒造メーカーのTV用CMでした。

タレントさんをはじめ、30名近くの関係者を連れて北海道ロケ。現地のエキストラの方を入れると総勢100名以上。人物や実景、料理シズルの撮影もあり、かなり大がかりな撮影でした。小澤はロケ地の電話交渉から、現地での機材移動、関係者誘導、宿泊段取りをこなし、撮影現場では助監督としても右往左往していたそうです。このロケ撮影のために何日も会社に泊まりこんで準備をしてきたのに、ロケが始ると予期せぬトラブルが連続してしまいます。

「現場でのトラブルに自分の無力さを感じ、北の大地で悔し泣きした記憶があります。でも撮影後、現像したフィルムをビデオ信号に変換する作業があるのですが、その時見た映像の美しさに鳥肌が立ちました。今までやってきたことがすべて報われたな、と。あの感動を忘れる事ができず、すっかり映像の仕事に魅了されました」

それをきっかけに20代はCMの仕事にあけくれてきた小澤は、30才を目前に思い切った転職を考え始めます。

「年齢的な区切りをきっかけに、他の世界も見てみたいと思うようになりました。CMって40~50人のスタッフが関わるので自分の役割は一部です。作ったものは電波で届けられるので視聴者の直接の反応は得られにくい。最初から自分の手で感触を確かめながら作り、直接評価を得る仕事をしてみたいと思うようになりました。」

そこで小澤が選んだのは、無謀にも料理人でした。

「母親が料理が得意だったこともあり、子どもの頃から料理好きでした。今までずっと映像しかやってこなかったので他に思いつかなかったのもあります。」

とはいえ厳しい料理業界。30才を目前に挑戦するには、あまりにハードルが高いように思います。

「広告の仕事やってたんだから何でもできるよ、と言っていろんな人に送り出してもらいました。でも実際はそんなに甘い世界ではなかったんですが・・・」

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戦場のような調理場で修業を重ねて

小澤は料理学校に行かず、いきなりレストランで修業する道を選びました。

「料理学校に通う余裕もなく、恐る恐る小さな街のレストランに。ヨーロッパの映像や文化への憧れからフランス料理を選びました。初日、コックコートを着たときコスプレじゃないかと思って鏡を見て笑っちゃいましたね(笑)」

そこでフレンチのイロハを学び、次に修業先として門をたたいたのは繁華街の人気店。厳格な徒弟制度の中、見習いであろうとレベルの高い調理を任されます。同時にいくつものオーダーを整理しながら素早くこなしていくのは、当時の小澤の力量を超えていました。半年で戦力外通告を受けることになります。

「大きな挫折感の出口を探して1ヵ月ほどパリを訪れました。初めてのヨーロッパに何かを期待していたのですが、結局パリの街をぶらぶらと歩くだけで、何かを発見という事もなく・・。自分には戻って料理を続けるしかない、という覚悟だけが残りました。」

帰国してすぐ、小澤は大きなフレンチレストランに入ります。そこは厨房スタッフだけで10名を越える、毎日が戦場のような忙しさ。とことん調理に明け暮れ、6年で料理人に一区切りつけることにします。

「移り気に見えると思いますが、やっていくうちに自分の20代のキャリアをすべて無駄にして料理だけで生きていくのももったいないなと、一通りではありますが前菜から魚、肉、ソース担当までやらせてもらって、区切りをつけることにしました。」

小澤は、広告と料理という、ふたつのキャリアを活かせるところ求め、再び広告業界に戻ってきました。

そしてある日、hueのHPにあるフードコーディネーターの募集を見つけます。

「そんな簡単な仕事ではないですし、家庭では第一子が生まれるタイミングでした。いま振り返ると無謀な挑戦だと思いますが、代表の大手さんからは『そういうキャリアがあるのなら、プロデューサーとして広い視野で見られる立場でやったほうがよいのでは』とすすめてもらいました」

まさに、小澤にとってはふたつのキャリアが活かせる職場であり、hueにとっても広告と食の世界に精通している、まさにピンポイントでほしかった人材だったのです。

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 ▲『鴨胸肉のロティ タルトタタン添え』 cuisine/photo Keizo ozawa

お客様とフォトグラファーをつなぐ役目を果たしたい

「現在はプロデューサーとして、お客様からお話を伺って、ご要望に合うスタッフィングを行い、撮影に向けて準備を進める。撮影時には進行も担います。

何よりも広告ビジュアルのプロデューサーですから、商品の見え方を第一に考えています。クライアントからいただいた課題や商品のねらいがビジュアルの中に表現されているか、お客様とフォトグラファーの間をつなぐ役割をしています」

「特に食の撮影は、商品の訴求ポイントと、フォトグラファーの撮影段取りに加えて、食品の都合や状態の変化が仕上がりに大きく影響します。撮影前の混沌とした状況の中で、いかに多く問題点を正確に抽出し整理しながら、複雑に絡み合った紐をほどけるか。それが良い撮影になるかどうかだと考えています」

ビジュアル制作の過程では、小澤の料理人時代の経験が役立つこともたくさんあります。例えば、料理の現場で鍛えられた「素材や料理のベストな状態を見極める目」。一方で、撮影の現場も経験してきた小澤だからこそ、料理の“シズる要素”が簡単に画として反映される訳ではない事情も把握しています。

「料理人としての知識や目線と、広告の現場での経験、その両方を活かして制作をサポートしていきたい」

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 ▲『豚肉の香草パン粉焼き 赤ワインヴィネガーのソース』 cuisine/photo Keizo ozawa

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▲『ノルウェーサーモンと9種野菜のテリーヌ 柚子のソース』cuisine/ Keizo ozawa

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▲家庭では2人の娘を持つ小澤。休日には子どもが好き嫌いなく食べられる料理をたくさん作る。cuisine/photo Keizo ozawa

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▲ヒューのキッチンで振る舞われた小澤のランチメニュー。どれも手軽なのに本格的な味!と大好評。cuisine/photo Keizo ozawa

目指すのは、最高の“三ツ星スタジオ”

お客様のご要望で小澤自身が企画からレシピの製作まで担当させてもらうこともあります。

「商品の特徴を分解して、伝えたい要素をうまくレシピの工程に組み込めるか。自分は純粋な料理人ではないので、単純に美味しいだけのレシピを提案するのではなく、広告的な要素も踏まえてレシピを提案しています」。くわえて特徴的なのはシンプルで実用的なレシピであること。「商品が活躍するシーンを視覚的にも伝えられるレシピであると同時に、作る・食べる、どちらの工程にも無理がなく実用的であることも大切にしています」

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photo/Eri Hosomi

「ものづくり、チームワーク、クリエイティビティ。撮影と料理って、どこか似ているんですよね。僕は1ギャルソンとして、hueが三つ星のスタジオになることを目指したいって思います。

レストランに例えると、三つ星を目指すようなお店って最高のお皿を提供するのは当然だけれど、それ以外にも最高のサービス、ソムリエ、ワインやチーズの品ぞろえ、顧客への対応力、すべてが求められるところでもあります。

現在のhueも似たところを目指しています。柱となる広告撮影は当然トップレベルを求められる、それを土台にブランディング、メニューの開発、3DCG、デザイン、WEB製作、イベントの企画、グローバル対応、食スペシャリストのエージェントやマネジメント、スイーツの工房まで、撮影と同時にお客様の食に関するご要望に各プロデューサーがいろいろなソリューションを提案できる仕組みを作っています。」

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photo/Eri Hosomi

「hueに頼めば最高の撮影と同時に“食”のことだったら何でもまかせられる、そう思ってもらえるようなチームを目指したい。
実際にレストランではないので客観的な格付けではないですが、
それぞれのお客様にとっての最高の三ツ星でありたい、その中でも僕は、最高のサービスマンを目指したいなと思って日々皆さまの窓口を担当させていただいています」。

 

ヒューでは只今、撮影制作プロデューサーを募集しております。
広告制作に興味がある方、食に関心がある方のご応募お待ちしております。

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。

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