書籍『シズルのデザイン』発売  食品パッケージに見るおいしさの言葉とビジュアルについて

コンビニやスーパーマーケット。たくさんの商品がずらりと並んだ商品棚の中から
「食べたい!」と感じて手にとるまでのわずかな時間。
数秒とも言われる、限られた時間のなかで、
いかに商品の魅力や特徴を伝えることができるか、
食品パッケージの役割はとても大きいと言えます。

また近年、スマートフォンやSNSの普及で、
「食」をめぐるコミュニケーションも多様化しています。
その中でどういったビジュアルがより「食べたい!」という欲求に
訴えかけられるのか、食の撮影を専門とするhueでも日々の撮影の中で模索し、
新たな表現に挑戦をしています。


「おいしさ」を言葉とデザイン、
そしてビジュアル3つの視点で調査

今年、秋に発売となった『シズルのデザイン』(誠文堂新光社)では、著者である大橋正房さんが食品パッケージにおける、言葉の表現とビジュアル表現について調査されており、食品メーカー、デザイン会社の協力のもと、254点の食品パッケージが紹介されています。
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大橋さんが研究されてきたシズルワードは
「ふわふわ」、「カリカリ」、など硬さ柔らかさ、軽さ重さなどを表現する食感系。「旨味」、「濃厚」など味わいを表す味覚系。そして「焼きたて」「産地直送」といった食材や食べ物の由来、評判に関わる情報系の3分野にわけられています。

『シズルのデザイン』では食品パッケージのトレンドや、さまざまなシズル表現が一望できるのとともに、シズルワードを軸に食品パッケージが紹介されていて、普段とは違った視点からみる発見もあります。


味覚系・食感系・情報系、3つの分野にわけられるシズルワード

hueでは今までにもシズルワードを研究されている大橋正房さんと、
シズルディレクター・フォトグラファーの大手仁志とで“シズル”について対談させていただきました。
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記事1・気になるシズルワードは何?「美味しい」を言葉とビジュアルで徹底分析

記事2・シズルワードדそそる”ビジュアルから「美味しさ」の今が見えてくる!


記事3・人気のシズルワードに隠されたヒミツ『ふわとろ SIZZLE WORD おいしい言葉の使い方』


我々、食を専門とするフォトグラファーの役割は、そういった言葉にあらわされる商品の魅力をいかに表現するか。消費者に伝わるにはどういった表現が最適なのかを追求することだと捉えてきました。
『シズルのデザイン』の鼎談では、デザイン、写真、言葉の3つの視点から、それぞれが手がけたパッケージ事例を紹介しています。大手仁志はシズルフォトグラファーとして、実際の撮影現場でのエピソードや、こだわりのシズル表現が誕生したきっかけについても紹介しています。


鼎談「シズルを作るデザイン、写真、そして言葉」より

例えば、今ではラーメンのパッケージではスタンダードになりつつある、スープにレンゲをおとしている表現。スープの魅力や特徴が、レンゲに流れ込むスープの表情で表現されています。この表現方法を大手は“レンゲ落とし”と呼び、この表現方法を思いついたエピソードを鼎談の中で紹介しています。
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大手「レンゲ落としのいきさつを話すと、このときのテーマはスープリニューアルでした。スープはこう良くなって、麺もこう良くなりましたという、2つを表現したいという事だったんですね。その打合せ帰りにラーメンを食べに行ったんです。僕は初めて行くお店だと、スープを最初にいただくんですよ。スープを飲んで、レンゲを何の気なしに器の中に入れたら、レンゲの中でキュルキュルっとスープが渦を巻いたんです。「あ、これ面白いなあ」って思って。(中略)それを次の打合せの時にプレゼンして、アイデアが採用されたのがこのシリーズ。」(『シズルのデザイン』P158 )

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大橋正房氏×大手仁志“シズル”トークイベントを開催

時代背景とともに、おいしさを表す言葉は、その表現の幅を広げていきます。同時にビジュアルも、消費者が感じる「おいしさ」の表現は変わりつつあります。書籍『シズルのデザイン』で紹介されたように、身近な食品パッケージを通して、言葉とビジュアル、2つの側面からどのような表現が伝わるのか、これからのトレンドはどういったものになっていくのかについて、大橋正房さんと大手仁志の二人がこれからの“シズル”を語る、トークイベントを開催いたします。

『シズルのデザイン』(誠文堂新光社) 刊行記念
トークイベント 大橋正房・大手仁志

2017年11月15日 (水)
時間19:00~20:30 (開場 18:30~)
料金 1,350円(税込)
定員 110名様
会場 青山ブックセンター本店 (東京都渋谷区神宮前5-53-67)
お申込み・お問合せ先はこちらまで
TEL 03-5485-5511 (10:00~22:00)

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プロフィール
大橋 正房
マーケティング・リサーチャー。コンセプト・ライター。
(株)B・M・FT代表取締役。

生活に関わるデータを収集分析したりや実際の行動を観察し読み込みことが仕事。仮説や思い入れをもってデータをみるが、抑制が効いた提案を心掛けている。1972年日本マーケティングシステムズ入社。1991年B・M・FT設立。
コンセプト開発や製品やパッケージなどの商品開発にからむリサーチを行ってきた。対象分野は、電気製品、マスメディア、通信・ネットなどから、ここ数年は、飲料や食品が中心。編著書は『sizzle word』(B・M・FT出版)、『ふわとろ』(B・M・FT出版)『メディア世代のカルチャーシーン』(誠文堂新光社)など。いま好きな食べ物は麻辣刀削麺パクチー増量。


大手 仁志
フォトグラファー。シズルディレクター。
「食」の撮影を専門とするスタジオ(株)hue代表取締役。

食のフォトグラファーとしての使命は食材や料理がもつ生命力を切り取り表現することと考えている。1965年栃木県宇都宮市生まれ、1985年株式会社アーバンパブリシティ(現・株式会社アマナ)に入社し、現在、アマナグループの(株)hue代表取締役。30年以上に渡り「食」に関する広告写真、パッケージの写真撮影に携わる。朝日広告賞、カンヌ国際広告フェスティバル、ニューヨークADCなどをはじめ数多くの広告賞を受賞。最も好きな食べ物は餃子。宇都宮餃子は子ども時代から変わらないソウルフード。

著者プロフィール

著者アイコン
株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。

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