【食トレンド】2016年のスイーツ事情。“レモンスイーツ”から目が離せない!

食の月刊誌『料理通信』から、いまチェックしておきたい注目の食トレンドをお届けします。

温暖化や食生活のライト化もあって、“くだものスイーツ”のニーズは高まるばかり。中でも目が離せないのが“レモンスイーツ”です。2~3年前から空前のレモンブームが続いていますが、2016年も新たな動きが止まりません。パリの最旬トレンドを中心に、まだまだヒットが続きそうな“レモンスイーツ”の動向を見てみましょう。

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「塩レモン」で一気にブレイク! 国産レモンに注目が集まる。

食の世界で次々に沸き起こる○○ブーム。2014年~2015年に流行ったものの1つに「塩レモン」がありました。レモンを塩漬けするだけというシンプルな工程ながら、使い道が広く、ソテーやマリネなど定番料理がひと手間かけた味になることから人気が一気に加速。絞るだけじゃない、レモン自体のおいしさを味わう楽しみを発見しました。

塩レモンは皮もまるごと使うことから、国産・無農薬レモンへのニーズも高まりました。

また同じころ、「瀬戸内レモン」商品が多数登場。ポテトチップなどのスナック菓子、チーズやヨーグルトなど乳製品、水やジュース、ビールなどドリンクに「瀬戸内レモン」を謳った商品が続々と世に送り出されています。ここ2~3年は、食事系からスイーツ系まで国産レモンに注目が集まった動きと言えます。

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プロの世界でも、レモンはキーワード。

偶然かもしれませんが、こんなことが続きました。

とある酒場の店主が言っていました――「レモンサワーがおいしくない酒場はダメ」
とあるカフェのパティシエが言っていました――「いま、○○さんが作ったレモンに夢中なんです」
とある料理人が言っていました――「フリットに絞る、おいしいレモンを探しているんです」
行く先々でなぜかレモンの話になる。添えてよし、絞ってよし、料理やお菓子の材料によし。レモンは、シェフやパティシエ達の間でも関心が高い食材です。

パリっ子の胃袋を掴む、新感覚のレモンスイーツ。

【注目スイーツ―1】プロフィットロール専門店が作るレモンスイーツを作ると
『プロフィットロール・シェリ』の「“マ・シェリ”シトロン・ムランゲ」はレモンタルトをシューで表現した新感覚スイーツ。シューの上にレモンコンフィやレモンクリームなどが重なり、さらに好みで、レモンとライムのジュースで作った酸っぱいソースをかけて食べるそう。レモンを存分に堪能できるスイーツです。

【注目スイーツ―2】サブレ菓子専門店の四角いケーキ
サブレ菓子専門店『ボンタン』の「ケーク・シトロン」は、正方形のシンプルな形と、はっとするほどの酸味が効いている点が特徴。シチリア産のオーガニックレモンを使った人気商品で、特徴は“明確な酸味”。日本よりパリの方が“酸味”の出し方に強さがあるようです。

【注目スイーツ―3】レモン風味の伝統菓子
北フランスのリールで1961年に創業した老舗店『メール』の看板商品はゴーフル。5月~9月の限定フレーバー「ゴーフル―シトロン&アグリューム」は、マダガスカル産バニラを使った定番クリームにレモンと柑橘果汁をミックス。薄くてしっとり柔らかいワッフル生地の中に、甘さと酸っぱさが隠れています。

【注目スイーツ―4】レモン菓子にも話題のハイブリッドスイーツが登場
『レクレール・ドゥ・ジェニ』の「“シュゲール・グラッセ”シトロン・ユズ」は、“シュー+バーガー”のハイブリッドスイーツ。バンズのようなふわふわシュー生地にレモンのコンフィを塗り、レモンジュースとユズのペーストで作るソルベがオンされています。

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【注目スイーツ―5】定番菓子の進化系
『デ・ガトー・エ・デュ・パン』からは、リンゴで作る定番菓子「ショソン・オ・ポム」をレモンで表現した進化系「ショソン・オ・シトロン」が。レモン収穫時の初夏だけ登場する限定商品で、シチリア産イエローレモンを使ったクリームがたっぷり詰まっています。定番なのに、新しい一品。

【注目スイーツ―6】タルト・シトロンの変形版
タルト・シトロンをカップケーキ状にしたのが『レ・フェ・パティシエール』の「“ラ・フェ”タルト・シトロン・バジリック・フランボワーズ」。クリームには、レモンにライムやユズも加えて、酸味とまろやかさのバランスが◎。

登場したお菓子を見てもわかるように、ひと言でレモンスイーツといってもバリエーションは多様。定番なのに新鮮で、トラディショナルなものが形を変えて再構築されている……。パリではパティシエ達が、香りや酸味の異なるレモンを使ったり、加工法を使い分けたり、他の柑橘類と組み合わせたりしながら、レモンの世界を広げています。

今年はシチリア産レモンが熱い!?

パリから届いた情報には、こんなことも書かれていました。
「レモンの産地は南仏マントンやコルシカが有名だが、プロが絶賛するのはシチリア産」。

実は日本でも今年、シチリアレモンの勢いが増しています。私たちは仕事柄(いや、ただの食いしん坊として?)新商品やトレンドをチェックしていますが、スタッフの間で「またシチリア」「あれもシチリアレモン版が出た」と話題になりました。

お菓子部門では、ハーゲンダッツから「シチリアレモンパイ」が登場し、グリコも『パピコ』『アイスの実』『ポッキー』『プッチンプリン』などでシチリアレモン味を展開しています。マクドナルドでも『マックフィズ シチリアレモン』が話題になりました。お菓子以外では、無印良品で人気のレトルトカレーシリーズに「シチリアレモンのクリーミーチキンカレー」を発見。カレーにもシチリアレモンが使われているなんて!

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各家庭にレモンの樹――シチリアは、レモンがとにかく生活に近い

シチリア在住10年で、現地で料理教室やコーディネーターとして活躍されている佐藤礼子さんと、シチリアで修業して帰国後に『シチリア屋』というイタリア料理店を開いた大下竜一シェフに対談をしてもらった際、こんな言葉が出てきました。

・ごく普通の家にオレンジの樹と、レモンの樹がある
・どの家も、レモンは夏前に摘み、(夏はレモンが色づかないし、果汁も少なくなる)、いろんな人からレモンをもらって、冷蔵庫がレモンで溢れかえる(!)
・店にレモンが箱で届くと、グレープフルーツサイズからピンポン玉サイズまで大きさがまるで揃っていなくて、フルーツとの付き合い方が自然体

地中海に浮かぶ島、シチリア。パワフルな太陽の下で育つレモンは、その姿を想像するだけでうだるような暑さをスッキリと吹き飛ばせる気がします。

スイーツの動向ではいま、レモンから目が離せません。いや、スイーツ以外のジャンルでもまだまだレモンブームは続きそうです。

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参考:『料理通信』2016年8月号「“くだものスイーツ”レシピ集」

著者プロフィール

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浅井裕喜
株式会社 料理通信社。雑誌『料理通信』の販売&広報を担当。料理通信が運用するfacebookページ(ファン数12万人)、やツイッター(フォロワー2万5千人)などSNSの中の人で、ニックネームは読者が名付けた「腹ペコA」。SNSを通じて読者とのコミュニケーションを図る。
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