hueand

COLUMN

hue andで活躍するフードクリエイター、テクニカルメンバー、
フードトレンド、イベントのご紹介を織り交ぜた、
コンシェルジュコラム。

hueandのクリエーター、事例に関する記事を検索できます。

【and people 】andクリエイターを大解剖! case:綾夏

食ライフのプロにインタビューこのシリーズはand.で活躍する食のクリエイターたちの“いま”を探るべく、普段の飾らない素顔や仕事内容をのぞいてみました。プロだからこそ知るテクニックや裏事情は、目からウロコ!知って得する情報も盛りだくさんでご紹介していく連載です。
今回、担当してくれたのは料理家の綾夏さん。
撮影はフォトグラファー ジョ ヘミ
が担当しました。

肩書:料理家

イギリス料理がまずいなんて、もう古い!? 綾夏さんのお話を聞いていると、いまのロンドンがとても豊かな食卓に変貌を遂げている様子がうかがえます。日本とロンドンの美味しいところを独自にアレンジ! 素材の味を生かしたシンプルな調理法で活躍されている料理家さんです。

 

15歳で単身、渡英したヴァイオリニスト

Food Concierge…以前は、ヴァイオリニストとして夢を追っていたと聞きました。

綾夏さん…はい。15歳でヴァイオリンの勉強をするために、一人でイギリスへ渡りました。

Food Concierge…15歳って、まだ中学生ですよね。すごい度胸ですよね~!

綾夏さん…両親が、自分の好きなように生きなさいという考えだったので。背中を押されて留学をしました。最初は、ダメなら半年で帰ってきなさいといわれましたが、4年もいることになりました(笑)。

Food Concierge…随分、延びたのですね。その4年間はずっと音楽の勉強をされていたのですか?

綾夏さん…そうです。語学学校に通いつつヴァイオリンを習っていました。あと、当時のイギリスは留学中でも働くことができたのです。カナダやアメリカでは働けなかったので、イギリスは物価が高いけれど、働けるならと渡英を選びました。

Food Concierge…どのようなアルバイトをされていたのですか?

綾夏さん…日本食レストランのホールをやったりしていました。でも、せっかくイギリスに来たのに日本語ばかりでは物足りなくて…。向こうの人は、自分が希望する店に履歴書を持って出向き、後日連絡があったところで働けるというシステムがありました。それでイギリスのカフェや靴屋さん、とにかく現地で働きたいと思ったいろいろなお店に履歴書を持って行きましたね。

Food Concierge…行動力がすばらしいですね~。その後、音楽家の道へは進まなかったのですか?

綾夏さん…考えてはいましたが、現実的に音楽で食べていくとなると難しいと思いました。イギリスに渡って、食文化の方が面白いと思うようになりました。海外で過ごしたおかげで、各国の料理や人種の方々を知ることができましたし。

Food Concierge…面白いと思ったエピソードはありますか?

綾夏さん…シェアハウスに入っていたのですが食べる時の会話とか、食べているものとか、文化の違いを目の当たりにしたことでしょうか。私は白いご飯とお味噌汁とかなのに、みんながそれぞれ違うものを食べていました。大きな冷蔵庫が2台くらいあって自分のものには名前を書いてあるのですが、それも興味深かったです。使う食材も調味料も作り方も人種によって全く違う。特にイギリス人は、手の込んだ料理は作らないのですが、シンプルなオーブン料理などが美味しいのです。

 

食を楽しむ豊かなお茶時間

Food Concierge…ロンドンは食に対しての意識が高くないという風潮が一時期ありましたが、実際に暮らしてみて綾夏さんが感じた印象はどうでしたか?

綾夏さん…10年前は本当に、何を食べてもまずかったです(笑)。私がはじめてロンドンに行った時に空港で食べたサンドイッチがひど過ぎました。見た目は普通の三角形なのですが、野菜の水分が容器に溜まっていて下のパンがベチョベチョなんですよ。

Food Concierge…それは、ひどい状況ですね~。

綾夏さん…日本は食に恵まれているから、ロンドンがそこまでだとは思っていなかった。でも、3年前に行った時にロンドンの食が劇的に美味しくなっていて驚きました。多国籍の料理が充実していて、元々タイ料理とかインドとか、中華とかはすごく美味しいんですよ。ジェイミー・オリバーの食育改革のお陰だと思うのです。最近はギリシャ料理とか、トルコ料理とかがすごく流行っています。いろいろなお店へ行きましたが、カウンターにハリウッド女優が座っていたりして、ロンドンは狭いのでみんなが普通に食を楽しんでいるのが魅力ですね。

Food Concierge…イギリスというとアフターヌーンティのイメージがあります。実際イギリス人はゆっくりとお茶を楽しんでいるのですか?

綾夏さん…そういう豊かな食文化は昔から根づいていますね。イギリスは、ロイヤルファミリーなどに代表されるように、とにかく優雅です。アメリカのスコーンだといろいろとスパイスなどを入れてしまうのですがイギリスのスコーンは、お茶を飲むための焼菓子なのでとてもシンプルなのです。甘さも控えめでクロケットクリームとジャムをつけて味が完結させるように作られています。

Food Concierge…スコーンにクリームやジャムを少しずつつけながら、ゆっくりと紅茶を楽しむというスタイルなのですね。

綾夏さん…アフターヌーンティでは、1段目からつまんでいって、2段目、3段目と食べすすめていきます。1人で食べるものではなく、たいていは5人くらいでシェアして食べるのが一般的ですね。

Food Concierge…そうなのですね~。2時とか3時にあの量を一人で食べるのは結構、大変だなぁと思っていました。イギリスの人は夕飯を抜くのかなぁとか(笑)。

綾夏さん…一人で食べることはないですね。みんなで分けながら2時間から5時間かけて、お茶の時間を過ごします。

Food Concierge…5時間!? それは贅沢で、つくづく優雅な時間ですよね。

綾夏さん…向こうの人はアフターヌーンティのセットは、頻繁には食べません。スコーンと紅茶だけのセットを「クリームティ」と呼んでいて、それを注文される方が多いです。会話を楽しむためのイギリスのお菓子は、他にもたくさんあります。もっと日本に伝えていきたいですね。

Food Concierge…リアルな食文化は聞いているとワクワクします! 綾夏さんに、イギリス式のお作法をいろいろと教えて欲しいです。

 

“素材の味を生かす調理法が好”

Food Concierge…イギリス人は、シンプルな調理法が多いとのことでしたが、綾夏さんの調理方法で、何かイギリスを意識して、普段の料理に取り込んでいることはありますか?

綾夏さん…塩分を控えめにすることですね。和食は、しょうゆなど調味料がどうしても塩分が多くなりがち。イギリスは、調味料がそれほど多くない分、スパイスやハーブ、フルーツなどで味付けをプラスしていきます。そのため、塩分はほんのわずか。フルーツも日本のように甘くなくて酸味の方が強い。野菜感覚で料理に使いやすいのです。塩分が多いと、顔がむくんだりですとか、美容のためにもよくない。できれば、ヘルシーで簡単に食べられて健康にもよい料理を提案していきたいですね。オーガニックとか素材の良し悪しはもちろん大事だと思いますが、味つけなど素材の味を楽しめるようなレシピを伝えたいのです。その時みつけた旬の野菜は洗ってヘタ付きのままオーブンに入れたり。カリフラワーやラディシュなど形や色味がきれいな野菜はよく使いますね。味付けもシンプルに。例えばクミンシードでマリネしたり、タイムなどで香りづけした野菜を煮込んだりしています。ハーブやスパイス使いが得意なのかも。減塩でも香りが楽しみながら、食欲をそそるレシピを考案しています。

Food Concierge…イギリスの甘くないフルーツは日本では入手が難しいと思うのですが、日本ではどのようにアレンジされているのですか?

綾夏さん…お酢を足してみたりして調整をするので問題ないです。逆に日本のフルーツの方が甘くて美味しいので、シンプルにお酢と塩だけで調味してみたりします。

Food Concierge…まさに、イギリスと日本のいいところどりですね!

綾夏さん…イギリス以外にも、フランスとドイツに3か月ずつ住んでいたことがあります。それぞれの食文化が衝撃的で深く心に残っています。どれも、あまり手を加えない料理に惹かれました。それぞれのよさを生かして、私なりにアレンジした料理をこれからも提案していきたいです。

Food Concierge…綾夏さんのスタイリングは、暮らしのワンシーンを切り取ったみたいですね。さり気ない演出が素敵。何か見せ方で工夫されていることはありますか?

綾夏さん…海外へ行った先々でその都度、インスピレーションを感じているのだと思います。それがふと浮かぶのです。あえてきれいに演出しようとはしないで、気が向くまま盛りつけなどをしています。

Food Concierge…綾夏さんならではのシンプルなお料理やスタイリングに、とても興味があります。これからもイギリスをはじめ、他国の食文化をいろいろと教えてくださいね。本日は、本当にありがとうございました!

綾夏さんに、お仕事を依頼されたい方はFoodconcierge までお問い合わせくださいませ。

 

ご協力いただいた食のクリエイター

綾夏/料理家

15歳 ヴァイオリン留学のため単身渡英。4年後帰国。
帰国後、料理家のアシスタントを3年務めたのち、独立。
レシピ考案、カフェ監修、自宅料理教室を主宰する。
このほか、オレンジページ(コトラボ阿佐ヶ谷)にて内部講師も務める。(講座開発。英語クッキングの親子レッスン、イギリス家庭菓子などを担当。)

資格:

 

川越晃子/たべものライター&編集<川越光笑/たべものライター&編集>

出版社勤務後、フリーランスへ。食の取材を中心とした本の企画・構成をはじめ、レシピ作成やスタイリングを含めたトータルコーディネートなどを手掛けている。“食べるものによって、人の体も心も育まれる”という考えをモットーに、食べ物の裏側にある環境や農業、栄養学にも関心が高い。
著書に、日本の食文化をまとめた『おにぎり』、『まるベジ・ドリンク』共にグラフィック社刊などがある。
現在、フードスタイリスト、料理カメラマンとの女性3人のフードユニット「Soup Caravan」を結成中。

今回作ったレシピはこちら(@hueand_and)

綾夏さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:英国風な商品企画・開発、レシピ開発・メニュー開発、フードスタイリング など

CONTACT

hue_and@hue-hue.com

【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社ヒュー

設立2005年3月
所在地東京都港区海岸3-5-1
主な事業内容広告を中心とするビジュアル制作事業
資本金1,000万円(株式会社アマナ出資比率:100%)
従業員数40名(2018年4月1日現在)
URLhttps://hue-hue.com/