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【and people 】andクリエイターを大解剖! case:宮坂友菜

食ライフのプロにインタビュー このシリーズはand.で活躍する食のクリエイターたちの“いま”を探るべく、普段の飾らない素顔や仕事内容をのぞいてみました。プロだからこそ知るテクニックや裏事情は、目からウロコ!知って得する情報も盛りだくさんでご紹介していく連載です。
今回、担当してくれたのはパティシエの宮坂友菜さん。
撮影はフォトグラファー近藤恵佑が担当しました。

 

肩書:パティシエ

パティシエの活躍の場は十人十色。パーティーやイベントのケータリング、企業のプロモーションなどで、オリジナルのスイーツを創作するスペシャリストが宮坂友菜さんです。姿かたちのあるものは限りなくリアルに、どんなに抽象的なイメージでもカタチあるものに作り上げます。クライアントの要望に応えるオーダーメイドのお菓子作りの極意をおうかがいしました。

オーダーメイドケーキからのスタート

Food Concierge…宮坂さんはパティシエとして町のケーキ屋さんというよりは企業に属したパティシエとして活動されていたのですね。

宮坂さん…これまでにパティスリー数社を経験しています。1社目は六本木にあるオーダーメイドケーキのパティスリーで、クラブのパーティー向けに大きくて派手なケーキを作っていました。

Food Concierge…大きくて派手とは、たとえばどんなケーキですか?

宮坂さん…変ったところでは、1mぐらいのマグロの形をしたケーキを作ったことがあります。マグロは赤身をイチゴのクリームとスポンジで形を作り、表面を銀色のチョコレートで覆って、ナパージュでキラキラを入れて仕上げて、水揚げしたマグロにひたすら近づるということをしました。

Food Concierge…おもしろい! それは何用のケーキだったのですか?

宮坂さん…ウエディング用のケーキです。近くによっても本物と間違えるくらい近づけたのでかなりのインパクトを与えられたと思います。

Food Concierge…初の共同作業のケーキ入刀がマグロ入刀っていうことですか?面白い~。
他にもありますか?

宮坂さん…得意なのは薔薇の花です。オーダーメイドケーキの必修でよく作りました。花びら1枚1枚をチョコレートで手作りしているんですよ。ケーキの上に飾ることもあれば花束のようにして飾ることもありました。

Food Concierge…色がとってもきれいですね! 本物のお花みたいです。そして食べるのがもったいない!

宮坂さん…このバラの花びらにはグラデーションを入れています。リアルに寄せつつも本物よりもきれいめに仕上げることがポイントです。

Food Concierge…本物のように見せる極意はありますか?

宮坂さん…とにかく、観察することでしょうか?花の細工を作るときはフラワーショップへはよく花を見に行ったりもします。もともと、観察したものを形にすることが好きなんです。

Food Concierge…観察好きはいつ頃からですか?

宮坂さん…子どもの頃からでしょうか。週末は家族にキャンピングカーでいろいろなところへ旅行に連れて行ってもらいました。その時、自然の中で見たものや感じたことを絵に描いたりするのが好きでした。通っていた、絵画教室の先生からは、「のびのびと独創的な絵を描く子ですね」と言われていたそうです。

Food Concierge…感受性豊かだったのですね。その感性さが、現在の作品にも生かされているのでしょうか。
いつ頃からパティシエになりたいと思ったのですか?

宮坂さん…小学生のときには将来の夢の1つにパティシエになりという思いがありました。
絵を描いたり、何かを作ることが好きだったんです。よく、お菓子を焼いては近所の子達に配ったりしてたそうです。
当時は洋服のデザイナーかパティシエになりたいと思っていたんですが、お菓子のほうが家で作りやすいかなと子ども心に思ったのでパティシエをめざしました。

Food Concierge…子どもの時に思ったことをそのまま実現させるなんて、すごいですね。
街のケーキ屋ではなく、創作ケーキのほうに進んだきっかけはなにかありますか?

宮坂さん…製菓専門学校を卒業する前に東京スイーツコレクションというイベントで、アートのようなお菓子を作るパティシエがいることを知りました。こんな別次元の世界があるんだと感銘を受けて、普通のパティスリーではなくオーダーメイドケーキのほうへ進もうと思ったんです。
最初に務めたお店で約1年半、オーダーメイドケーキを学ばせていただきました。

Food Concierge…オーダーメイドケーキならではの楽しいところってなんですか?

宮坂さん…同じものは作らないというところでしょうか。だからこそ毎回が「初めまして」でそれぞれ新しい壁にぶち当たったりもします。
色や構造や素材などチョイスするのは私たちパティシエが一番大切にしてるところであり難しいところです。

 

オリジナルを作り出す、ケータリングの世界

Food Concierge…その後はどのような仕事をされていたのですか?

宮坂さん…レストランのケータリング部門でシェフパティシエをしました。パーティやイベント向けのフィンガーフードが中心です。クライアントは企業やブティックが多かったので、一つひとつがオリジナルで小さくこだわったもので表現するようになりました。ケータリングの世界では、時と場合によりますが、冷凍ケーキが使われることも少なくないのですが、私にはどうしてもなじめなくて、当時はできる限り、ぜんぶ手作りすることにこだわりました。
写真映えすることも必要ですが、やはり口にするものなので、いろいろとこだわりたいと思っています。

Food Concierge…素材もクオリティもこだわりながら、見ばえを追求していくわけですね。

宮坂さん…いろいろなお題をいただきました。お酒メーカーの仕事のご依頼の時は、ウイスキーやシャンパン、日本酒とのペアリングだったり、レシピ開発の相談もありました。

Food Concierge…お酒メーカー様の時にはどんなレシピを、提案されたのですか?

宮坂さん…ウィスキーに合わせてスモークしたナッツのフロランタンとか、モルトウイスキーに漬けたレーズンを入れたカスタードシュークリームなど、オリジナルのスイーツを考えて提案しました。
このほかには、ブランドのイメージを表現したり、フードプリンタでロゴを入れたいというオーダーも多かったですね。

Food Concierge…ケータリングならではの難しさもあるんですか?

宮坂さん…オーダーメイドケーキは私とお客様の1対1の仕事ですが、ケータリングの場合は営業さんを挟んだり、大きなプロジェクトになればなるほど関わっている人も多いので、意思疎通だったり、いろいろと難しいこともありました。2年半勤めましたが、現場でパティシエ以外の仕事にふれることも多くてとても勉強になりました。

Food Concierge…印象に残っているプロジェクトはありますか?

宮坂さん…暗闇レストランでスイーツを監修たことがあります。
暗闇の中で食べるからこそ、驚きがなければいけません。口に入れたときに水が弾ける食感のゼリーでミントのフレーバーが香るものだったり、ポッピンググシャワーのキャンディをオブラートで包んで、触るとカサカサしているけれど何だろうと口に入れるとパチパチするお菓子を作ったりしました。フードとプロジェクションマッピングを融合させた演出で、サービススタッフも暗闇の中で暗視鏡をつけて動き、私達も最高の品質で届けるためにギリギリのタイミングまで待って提供したり、冷蔵技術によって何倍もいいものができたり、本当にすごいなと思いました。

Food Concierge…五感を使って楽しむわけですね、想像するだけでドキドキします。

宮坂さん…暗闇で見えないことによって、他の感覚が研ぎ澄まされるんですよ。私も貴重な経験をさせてもらいました。

コンセプトやイメージをスイーツで表現

Food Concierge…現在は3社目のパティスリーでケータリングとオーダーメイドケーキを手伝いながら、フリーのパティシエとしても活動されていらっしゃるとのことですが。

宮坂さん…はい。企業のブランディングや商品のコンセプトなど、いろんなことを表現していきたいと思っています。
スイーツは食べ物ですが、食べたら消えてしまうのではなく、写真や映像に残るようなものを作りたいです。逆に、写真や映像だからできるスイーツの表現も追求したいですね。

Food Concierge…宮坂さんが得意とする世界観はありますか?

宮坂さん…自然なものが好きです。自然であることできれいなものっていっぱいありますよね。たとえばフルーツの配置にしても、自然がいちばんきれいですが、自然にやることがいちばん難しいんですよ。

Food Concierge…子どもの頃のセンスが呼び覚まされるのではないですか?

宮坂さん…それはあるかもしれません。自然をベースにしながら、ファッションやコスメなどの流行を見ています。コスメのカラフルな色彩に合わせたスイーツを作るときもありますし、ブランディングやプロモーションでは色の表現がとても重要です。パティシエって製菓技術だけでなく感性的なものがすごく大事なんですよ。

Food Concierge…抽象的なイメージを形するには想像力や感性が必要ですね。

宮坂さん…お客様のイメージどおりに表現できて、喜んでいただけたときがいちばん嬉しいです。スイーツ単体だけでなく見せ方の演出まで考えて提案できたらいいですね。お客様からいただいたオーダーがどんなに難しくても、できることを考えて提案するのがこの仕事の楽しいところでもあるんです。ヒントをいただけたら、そこにどれだけ付加価値をつけて返せるかにやりがいを感じています。

Food Concierge…頼もしいですね! スイーツで表現したいことは、ぜひ宮坂さんに相談してみてください。

 

ご協力いただいた食のクリエイター

宮坂 友菜(みやさか ゆうな)/パティシエ

東京 八王子出身 専門学校卒業後オーダーメイドケーキを学ぶため都内パティスリーに勤める。
のちケータリングに興味を持ちケータリングパティシエへ転職 シェフパティシエとして色々なイベントなどに関わる
現在フリーのパティシエとして活動

調理師免許 食育インストラクター カラーコーディネーター3級

 

さとうともこ/フリーライター

大学卒業後、食品会社の宣伝部門に就職。編集プロダクション勤務を経てフリーランスへ。仕事、ビジネス、旅とライフスタイルを中心に取材・執筆。善き食べ手になるべく、農業・生産から、流通、サービスの現場まで幅広い関心を持つ。編集協力として『家庭で作れるサルディーニャ料理』(河出書房)がある。野菜ソムリエ、シードルアンバサダー。

 

宮坂さんへのお仕事の依頼はこちらまで(→hue_and@hue-hue.com)
依頼可能内容:ケータリング、オーダーメイドケーキ制作、調理補助 など

CONTACT

hue_and@hue-hue.com

【担当】 森河 ・ 高橋

会社概要

株式会社ヒュー

設立2005年3月
所在地東京都港区海岸3-5-1
主な事業内容広告を中心とするビジュアル制作事業
資本金1,000万円(株式会社アマナ出資比率:100%)
従業員数40名(2018年4月1日現在)
URLhttps://hue-hue.com/