“おいしさが伝わる料理写真”のリモート撮影とは

“おいしさが伝わる料理写真”のリモート撮影とは

今回の記事では、リモートで料理撮影を円滑に行うポイントをご紹介いたします。
2020年、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、私たちの生活や仕事は一変しました。
同時に“リモート”や“オンライン”という状況が当たり前のように浸透し、さまざまな場面で活用されています。
ヒューの撮影現場においても積極的に数多くのリモート撮影に取り組んできました。
その経験の中で得られた円滑に撮影をすすめるポイントをお伝えします。

料理写真のリモート撮影とは

ヒューにおける「リモート撮影」とは、スタジオにフォトグラファーとフードスタイリスト、
そして撮影商品だけが存在し、それ以外のお客様やスタッフはすべてオンラインでつながった状態で、
実際のスタジオには集まりません。それぞれが自社のオフィスや、
ご自宅などからウェブ会議システムを通じて撮影状況を確認していきます。
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▲リモート撮影時には、撮影セット全体が写るカメラ映像と、フォトグラファーのMac画面が共有されています。

メリットと懸念点


コロナ禍においてリモート撮影の最大のメリットは感染防止につながるという点です。
通常、スタジオ撮影の場合、お客様や制作スタッフを含めると多くの人数が一つのスタジオに集まりますが、
リモート撮影は最小の人数で進めることができ、感染リスクの回避につながります。

また場所にとらわれないため、スタジオに集まっていた時間を有効に使うことができます。
今まで遠方からスタジオへお越しいただいていた方や、お客様もご自身のデスクや、
ご自宅にいながら撮影チェックできるので、並行して別の業務も進められます。
大幅な時間とコストの削減にもつながります。

一方で懸念されたのは、作業工程の確認や、
質感や色味など細かいニュアンスを双方がどう伝えられるのか、といった点でした。

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リモート撮影を円滑にすすめるポイント


1・目指す美味しさを言葉で共有する
撮影は打合せからすべてリモートで進めることを推奨しています。
商品そのものの説明や、小道具のセレクト、撮影の段取りなど、
通常時より細かく共有することが大切になってきます。料理撮影の場合、
「目指すおいしさの表現」はどこがゴールなのかを制作側とお客様側でしっかり共有しておくことが重要です。

例えば、「ピリ辛の鍋」という撮影に対して、こだわりたい質感、どんな温度か、
どれくらいの辛さを表現するのかなど多くの項目をあげて、
目指す表現を具体的な言葉に置き換えることで認識のずれを埋めていきました。


2・リモート環境は必ず事前に検証を
使用するウェブ会議システムのテストを事前に確認することが大切です。
それぞれ社内推奨のシステムがあるため、撮影時にどれを使用するのがスムーズなのか検証しました。
それでも「昨日はつながったのに、今日はつながらない」「音声だけ届かない」といった予期せぬ不具合が起こることも想定し、
常に別のシステムに切り替えられるよう用意しておくのがベターです。

3・撮影工程を細かく伝える
通常時は目の前で撮影が進むので特に意識することはありませんが、
リモート撮影の場合は、今商品がどんな状態であるか、スタジオの進行状況をフォトグラファーが都度伝えることも大切です。
撮影セットはリモートの画面で映し出されていますが、撮影チェックをするお客様側にとっては、
画面を見ながら長時間待ち続けることは困難です。
どのタイミングで、なにをチェックするべきか、
制作スタッフ側が細かく伝えることがスムーズな進行のカギとなります。

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ウェブ会議システムを通じてのコミュニケーションは慣れるまでは、
不便さを感じる場面があることも事実です。同時に話しかけてしまったり、
問いかけに対して、返答を考えているのか、聞こえていないのか、
今一つ状況がつかみづらい、など細かなコミュニケーションの行き違いが重なることも。
そういった点をクリアにするには、画面の中でしっかり表情が映ること。
可能な環境であれば、なるべく口元を見せて会話し、言葉やニュアンスを表情から伝えることが大切です。
またスタジオ側からは「今、商品を組みなおしているので次のチェックまで20分ほどお待ちください」
「この後素材を撮影するので30分後に確認ください」など
具体的な時間や状況をフォトグラファーが伝えることで双方のコミュニケーションにストレスがないように努めました。


色味の確認について


料理撮影の場合、色味の確認はかなりシビアに行われます。
リモート撮影の場合、最終的な色味確認は撮影した画像をサーバ経由でお送りするか、
必要であればプルーフを送付して最終確認をすすめます。ヒューでは、撮影を進行している間、
リモート画面上では最終的な色味まで確認しないものの、
できるだけ正しい色味と解像度がよい状態でリモート撮影を進めたいと考え、
複数のウェブ会議システムでそれぞれ解像度や色味の検証を行っています。

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▲写真左がMacの元画面。それに対して右から3枚は同じ画像を3つの異なるウェブ会議システムを通して映し出される画面。
実際に比較すると解像度やコントラストに違いを感じる結果に。
使用するウェブ会議システムは、画質の美しさだけではなく、汎用性の高さ、セキュリティ面など、
それぞれの撮影で何を重視するかによって上手く選択することをおすすめします。

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▲スタジオで撮影している画像と、リモートでクライアント側が見ている画像の
色味の差を把握するために、フォトグラファーが別のデバイスにつないで確認することも。
この場合はサーモンの色味が大幅に違うため、手元のスマートフォンをウェブ会議システムに接続して、
実際の色味の差を説明しながら撮影を進めていきます。

ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた撮影環境

ヒューでは数年前から北米やアジアなど海外からの撮影案件を受注してきたこともあり、
それらの経験から比較的リモート撮影に戸惑うことなく移行することができました。
リモート撮影を経験されたお客様からも、「時間を有効に使える」、「慣れればいつもと変わりなく撮影チェックができた」
「今後も継続してリモート撮影を選択したい」というお声をいただいています。

アフターコロナにおいても、リモートの利便性は生き残っていくと考えられます。
また一方で、議論や新しいアイデアを生み出す場面では、やはり人と人が顔を合わせて、
同じ空間でクリエイティブを作り上げていく熱量の大切さにも改めて気づかされました。
今後、撮影環境として重要なのはケースにあわせて、そのどちらにも対応できる柔軟性です。
どのような状況でも、常に上質のクリエイティブが提供できること。
そして同時に効率性の高い撮影フローを臨機応変に提案できることが、
アフターコロナを見据えた撮影環境といえるのではないでしょうか。

食の撮影スタジオ・ヒューでは今まで以上に安心して撮影していただけるよう、
リモート撮影を標準化するなど、『with コロナに 適した撮影ガイドライン』を策定しています。

ビジュアル制作業務の新しいスタイルを構築いたします。詳細はこちらをご覧ください。
【withコロナに適した撮影ガイドラインについて】

撮影に関する詳細はこちらまでお問い合わせください。

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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