個性あふれるワインと出会える『ワインツーリズムやまがた2019』イベントレポート

2019年6月9日、山形県上山市と南陽市で『ワインツーリズムやまがた2019』が開催されました。
このイベントは、参加者がイベント専用の循環バスに乗って上山市と南陽市のワイナリー全13箇所を自由に巡るもの。
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ワイナリー見学、ワインの試飲や販売、さらにワインにあう地元のフードを楽しむことができる一日です。
今回は実際にイベントを体験して、いくつかのワイナリーでお話をうかがってきました。
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ワインツーリズムが山形にやってきた!

ワインツーリズムは、産地をめぐり、地域を楽しむイベントとして山梨でスタート。
ぶどう農家、ワイナリー、飲食店、商店、朝市、NPO、行政などが協力した試みです。
運営するのは、山梨の特産であるワインを使って、ワインのブランド価値の向上と地場の活性化をしたいという想いのもと地元の有志が立ち上げた、一般社団法人ワインツーリズムです。
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同じくワインの産地である山形では、2018年に第1回目が開催され大盛況!
開催のきっかけは、もともとこちらの団体と知り合いだった『タケダワイナリー』の代表である岸平典子さんと上山市観光物産協会が3年前に試験的に行ったことに始まり、昨年初めて本格開催されました。
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山形をぶどうの共和国に『GRAPEREPABULIC』

まずはJR赤湯駅で受付。
ここで配布されるワイングラスを持って循環バスに乗り込みます。最初に訪れたワイナリーは、『GRAPEREPABULIC』です。
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こちらのワイナリーの特徴は、テロワールを第一に考えたナチュラルワインづくり。
テロワールとは、土地ごとの気候、地勢、土壌のみならず、そこに暮らす人々が育んできた文化も含めた概念を指します。

一日を通して寒暖差が大きく、湿度の低い気候と水はけのよい地質はぶどうづくりに適しており、この土地を活かして質の高いぶどうとナチュラルワインを生み出すことで、新規就農者や新たなワイナリーを集め、増え続ける耕作放棄地を再生させたい。
そして、南陽市の名産品とのコラボレーションやアグリツーリズムなども展開し、街全体で“GRAPEREPUBLIC=ブドウ共和国”といえる一大ワイン産地を形成したいという想いから精力的に活動されています。
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今回のイベントでは、試飲やワインに合うフードの提供、グッズや農産物の販売に加え、代表の藤巻一臣さんによるペアリングセミナーが行われ、ワインづくりにかける想いについて熱いトークが繰り広げられました。
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東北最古のワイナリー『酒井ワイナリー』


再びバスに乗り向かったのは、『酒井ワイナリー』です。

こちらのワイナリーの始まりはなんと明治時代!
酒井家16代目当主・酒井弥惣氏が1887年(明治20年)に赤湯鳥上坂にぶどう園を開墾し、1892年(明治25年)にぶどう酒醸造業を始めました。
イベントでは、現在酒井家20代目当主、ワイナリーとしては5代目となる酒井一平さんが畑を案内してくれました。
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赤湯市内に点在する酒井ワイナリーの畑のうち今回うかがったのは、名子山にある畑。
鳥上坂の北側、南東向きの急傾斜地にある畑で、眼下には米沢盆地が広がります。
こちらの畑、ぶどうの樹以外にも様々な植物が生えており、一見するとぶどう畑とは分からないほど。
理由は、多種多様な植物が共生することでより自然に近い形になって競争力が高まり、ぶどうの子孫を残す力を呼び起こすことができるそう。
さらにそれぞれの植物にいる微生物の力によってぶどうだけに繁殖する病気も防げるそうです。
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そしてぶどうの樹の下にはかわいい羊たちが雑草をむしゃむしゃ!
これは、除草剤を使用しないためだそうです。
さらにぶどうの樹もあまり蔓を伸ばすと羊に食べられることを学習して、体を大きくすることよりも実に栄養を使うようになるということで一石二鳥なんだそう。
酒井さんは、ゆくゆくは自社のワインとあわせて、羊のチーズや羊の肉を提供することも考えていらっしゃいます。
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山形のワインの魅力を県外へ発信する『タケダワイナリー』

再びバスに乗り、赤湯駅でバスを乗り換え、かみのやま温泉駅へ。
そこから向かったのは、今回の『ワインツーリズムやまがた2019』の開催のきっかけをつくった『タケダワイナリー』です。
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まずはぶどう畑と醸造所、地下セラーをご案内いただきました。
約15ヘクタールにおよぶ自家農園で全9種類のぶどうを栽培するこちらのワイナリーの歴史は、大正時代にさかのぼります。
3代目武田重三郎氏が商品作物としてぶどう栽培に着手し、その後生のものとしてのロスがでないワインづくりを1920年(大正9年)に始めました。
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こちらのワイナリーでは、ぶどう栽培から、収穫、醸造、フレンチオークによる樽熟、瓶詰め、そして出荷まですべて一貫して自社で行なっています。
栽培には除草剤や化成肥料は使わず減農薬で行ない、収穫は全て手摘みで、年間でぶどうケース2万個、約25万本のワインを出荷しています。
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醸造についてもなるべく自然に近いかたちを目指して、出来るだけ亜硫酸を使わないようにしているそう。

見学の後はいよいよお待ちかねの試飲です。
タケダワイナリーの看板ワインから普段はなかなかいただけないヴィンテージものまでお得に有料試飲することができます。
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また広場には、シャルキュトリーが絶品の地元イタリアンの名店『イル・コテキーノ』や、県外からもお客さんも多いパン屋『げたぱん』など魅力的なお店のマルシェも開かれました。
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今回のイベント全体の感想について、参加者側としては、みんなで一緒に移動するツアーのようにコースが決められているのではなく、自分で回るワイナリーを選べる自由度が高い楽しみ方が好評だそう。

また、生産者側としても、普段はワインづくりで忙しくなかなか消費者とコミュニケーションが取れない中、直接感想が聞ける貴重な機会となっているそうです。

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近年では日本ワインコンクールで数々の賞を受賞するなど、ワイン愛好家からソムリエの方にまで評価をされている山形のワイン。
そこには豊かな自然と歴史、生産者のワインづくりにかける情熱がありました。
ぜひ現地に足を運んで山形を全身で感じながらワインを楽しんでみてください。

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株式会社ヒュー
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