2019年のフードトレンドを大予想! 人気の料理写真アプリ『SnapDish』インタビュー

毎日の料理が楽しく、おいしくなる写真アプリ『SnapDish』(スナップディッシュ)。料理の写真を通じて、料理好きな人たちと交流を楽しんだり、レシピを共有することができます。

アプリの中で“おいしそう”と判定される写真を撮れる、AIによるスコアリング機能の搭載するなど、新しい動きにも目が離せません(過去の記事はこちら)。

いよいよ年の瀬、日々投稿される写真から翌年はどんな食が流行るのか、『SnapDish』の予想をおうかがいする季節がやってきました!
今年もシズルディレクターで料理フォトグラファーのhue大手仁志が『SnapDish』のオフィスにお邪魔させていただき、事業開発マネージャーの阿部樹さんと担当の佐々木真理さんに2019年の食のトレンド予想についてお話をうかがいました。


日常的な食卓を無理せず自然においしく見せた2018年

大手 2018年はどんなおいしいものが流行ったのか、振り返ってみたいと思います。

佐々木真理さん(以下敬称略) 2018年は前年の派手な色味から一転、地味めな傾向を予想していましたが、確かに今年投稿された写真の色味は全体的におさえ気味でした。
例えばデコレーションに力を入れたキャラ弁とは反対の、昔ながらのおかずを詰めた「地味弁」というキーワードも出てきました。

阿部樹さん(以下敬称略) 一般の家庭で写真映えばかりを意識したキラキラした料理を作ることに疲れた人が出てきたんだと思います。
SNSにはこうした疲れと揺り戻しが必ずありますね。

大手 まだインスタの流行りは続いていますが、中身は変わってきているんですね。

佐々木 和菓子と洋菓子をミックスした「和スイーツ」や、和食をワンプレートに盛り付けた「和ンプレート」など、和に寄っていったこともトーンの落ち着きに繋がっていると思います。

大手 落ち着いた色味は派手なものよりも撮影が難しいけれど、みなさんちゃんと写真映えするように上手に撮影していますね。

阿部 iPhoneのカメラの進化などデバイスがどんどん良くなっていくことで、テーブルセッティングを頑張らなくても雰囲気のある写真が撮れるようになったことは大きいですね。
一般の方がよりよい表現をできるようになりました。

大手 撮影した写真の深度(焦点が合う範囲)が変えられるようにもなりましたね。
僕がフォトグラファーとしてスタートした時代からすると夢のような話です!

佐々木 多くの投稿が見られたものは、「ごちそうおにぎり」です。
背景には、「おにぎりアクション2018」というおにぎりの写真の投稿が寄付に繋がり、アフリカ・アジアの子どもたちに給食をプレゼントできるという取り組みがあります。
『SnapDish』の中でもおにぎりとおかずが一緒になったような具沢山なものや、中の具材が分かるように握られたおにぎりが目立ちました。

阿部 おにぎりのような日常的な料理も、みんなの投稿を見ることでレパートリーを増やせるから、見ていても楽しいんだと思います。

ごちそうにぎり.jpg

佐々木 「手作りハンバーガー」も人気でした。
ファストフードのイメージが強いハンバーガーもバンズを買ってきて中身にオリジナリティを出したり、中にはバンズから手作りするものも投稿されていました。

ハンバーガー.jpg

佐々木 あとは餃子やタコスも人気でした。
店舗も増えてきていますし、こうした外食産業の流れを受けた流行りだと思われます。
餃子.jpg
タコス.jpg

大手 餃子はタレや調理法もバリエーションがありますよね。
タコスは手軽に作れるし、彩りもきれいなのでビジュアル的にうけそう。
どちらも具材のオリジナリティを出せるところも人気の理由なんでしょうね。

佐々木 インスタで特に人気だったのは、コンビニ限定販売のミルクアイス「たべる牧場ミルク」(赤木乳業)を使ったオリジナルパフェです。
既製品に少しアレンジを加えるだけで誰でも手軽に作れるところがポイントだと思います。

牧場.jpg

大手 なるほど。容器の上に空きスペースがあるから、そこにトッピングができるのか。
最初から狙っていたのかは分からないけれど、商品を完成させないで売るのはすごい発想ですね!

佐々木 あとは「鯖サンド」も人気でした。
食パンやバゲットなど様々なバリエーションや鯖缶を使ったものなど多くの投稿が見られました。
鯖サンド.jpg

また、「エディブルフラワー」も今までレストランなどでは使われていましたが、今年は家庭でも料理に添えたり、ゼリーなどスイーツに使った投稿も多く見られました。
「桜和スイーツ」も毎年桜の時期の定番となりつつあります。

丁寧な暮らしをおいしく見せる2019年

大手 続いて2019年のお話をうかがいます。
最近のブームはどうやって起こるのでしょう?

佐々木 一番多いのは、ブームの火種はネットにあって、最後の火付け役がテレビというパターンです。
また外食産業が発端となって急に流行り出すものもあります。

阿部 あとはごちそうにぎりのように、おにぎりを作るという何でもない日常を、写真を通じて世の中と繋がれるなどエンターテイメント化したものも最近のブームのポイントです。
メーカーの商品もこうしたエンターテイメントとして体験できるものの中に組み入れられるとすごく伸びるという印象があります。
今よく「モノからコトへ」ということが言われていますが、まさにその通りですね。

大手 そうですね。
旅行もガイドブックと同じ場所に行って同じ角度で写真を撮るのではなく、コトの体験をさせることで拡散力も全然違いますし、リピートにも繋がるんですよね。

佐々木 2019年のトレンド予想として、まずは「ハーブ」と「食用菊」を挙げます。
ハーブは料理好きの方は自家栽培されていたり、スーパーで取り扱われる種類も増えてきています。
菊については私は東北出身だったので日常的に食べていたのですが、最近ではそれが全国に広がり、菊を使うことで色味がきれいな和っぽいアートな一皿が見られるようになりました。
焼き魚に少し添えるだけでも、丁寧に暮らしている人に見えるというところもポイントかもしれません。

ハーブ.jpg

佐々木 続いて「土鍋ごはん」や「土鍋を使った料理」です。
時短料理の需要がある中、その反面丁寧に作るということが若い世代に広がったり、原点回帰的にお米のおいしさが注目されるのではないでしょうか。
土鍋.jpg

大手 炊飯器ではなくて土鍋でご飯が炊けるという感動がエンターテイメントになるんでしょうね。

佐々木 「鯖缶」ブームも続くと予想しています。
昔はお父さんのおつまみのイメージが強かった鯖缶ですが、最近ではフォトジェニックなバリエーションが出てきていますね。

鯖缶.jpg

佐々木 続いて「ほうじ茶」を使ったスイーツやドリンクです。
元々一定の投稿数はありますが、最近は各メーカーからもほうじ茶を使った商品を出てきています。
茶葉をすりつぶして焼き菓子や料理に使うなど通年を通してバリエーション豊かな投稿がこれからも増えていくのかなと思います。

ほうじ茶.jpg

おいしい食卓を共有して料理上手に!

大手 昨年はAIによるおいしそうな写真の判定についてうかがいましたが、2018年に『SnapDish』で始めた新たな取り組みはありますか?

佐々木 デジタルとリアルの融合を目指して、この度イベントスペースを作りました。
これはユーザーの五感に訴えられるリアルな体験の機会を与えたいというこちら側の想いと、体験イベントをやってほしいというユーザー側からの要望からできたものです。
窓際にはウェルカムディスプレイを作って撮影スペースにしています。
9月からスタートして年内で3件のイベントが行われました。

セミナールーム.jpg

セミナールーム食器棚.jpg

阿部 人の気持ちを動かすためには体験が最適ですよね。
これから様々なイベント企画も行っていきたいと思います。

大手 僕らもスタジオでイベントを行っていますが、リアルな声を聞けたり、実際にお会いしてお話しできるのは貴重な機会です。

阿部 僕らは「ユーザーの生活に根差したもの×おいしそう」から何が生まれるかということを常に模索していています。
昨年お話ししたAIも進化をしていて、写っているもののカテゴリーの判定ができるようになってきました。
ただし写真での投稿は定量化するのは現状まだ難しいので、僕らは日々ユーザーの投稿を見て社内で話し合い、定性的に評価しています。

そこで見えてきたのは、見た目がある程度共通したテーマで、かつ作りやすく、よく食卓に出てくるものが盛り上がりやすいということ。
普段自分の食卓でも見慣れていた料理も、みんなの投稿を見ることで新しいバリエーションを知ってアイデアが広がる。
こういう食卓を共有するというカルチャーが根付いてきています。

以前はお母さんや料理教室から習うものだった料理が、ネットでレシピを検索して作るようになり、さらに写真を投稿することで食卓を共有できるサービスが出てきたことで、アイデアを得て、実際に作って、共有するという一連の流れが広がっています。
そして共有することによって料理もどんどん上達していくんですよね。

大手 日々スマホで相当数の写真を見て、撮って、投稿することで、みなさんどんどん写真が上達していくのと同じですね!

集合写真.jpg


2019年トレンド予想総括:
・ 土鍋ご飯や土鍋を使った料理などお米の食卓に原点回帰
・ 夏の麺弁当や、コンビニ商品のアレンジ
・ ケーキもスイーツもやわらかいイメージで、かわいくほっこりとしたデコレーション。

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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