日本の隠れたスーパーフード酒粕! 美肌食育教室主宰・浅利真妃さんに聞くインナービューティー講座 vol.10

日本の隠れたスーパーフード酒粕! 美肌食育教室主宰・浅利真妃さんに聞くインナービューティー講座 vol.10

暖冬といわれた今年の冬も終わり、もうすっかり季節は春となりましたね。
今年は世界的にも心が苛まれる流行り病があり葛藤の中で迎えた春でもありました。
在宅勤務やご自宅で過ごされる時間が増えた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時こそ「お家ご飯」や「お家おやつ」をヘルシーに、食事で出来る自愛ケアの時間をつくってみましょう。

毎年のことではありますが、桜の季節から夏に移り変わるまでは、
気温の変化がつきまといます。本格的に暖かくなるまでは、セルフインナーケアで温活・腸活に気を配りたいものです。
今回はそんな効果が期待でき、頼もしい味方になってくれそうな日本の隠れたスーパーフード“酒粕”に注目していきたいと思います。
なんとなく見かけるけれど、実際の食卓では活躍の場が少なかったり、使い方がワンパターンだったりと、
酒粕は生物がゆえにその扱い方や活用の仕方に悩まれていませんか。
特に若い方には馴染みの少ない食材かもしれません。
酒粕は実はこの季節、インナーケアのためにも是非食して頂きたいビューティーフードでもあるのです。
それでは早速「酒粕」の魅力をご紹介していきます!

酒粕の歴史とは


 そもそも酒粕って何?と疑問を持たれる方も少なくはないと思いますが、
酒粕は、日本酒を仕込み終わった後の醪を絞った時に残る醸造副産物です。
諸説ありますが、書物に残る酒粕としての登場は奈良時代~平安時代頃だと言われています。
当時のお酒は濁り酒であったため、それを絞ったものというよりは、
酒の底に溜まる沈殿物を使用していたようですが、その頃から野菜や魚を長期保存するため、
粕漬けとして用いられていたようです。また、寒い時期には体を温める目的で飲まれていたとも言われています。
毎度先人が歩んできたストーリーには驚きに似た感動を覚えますが、
それと同時にこのような日本の食文化を見出し、
守り続け、それに付随する発明や知恵を残して下さった先駆者には頭がさがります。

さて現在のようによく目にする市販の酒粕は、白い板状の「板粕」か、バラ状になった「バラ粕」
もしくは「練り粕」が主流でしょう。清酒とは別物として、はっきりと分けて扱われ
圧搾されこのようなかたちで出回るようになったのは、江戸時代からだとも言われています。
この時代には全国各地に「造り酒屋」だけでなく、
他のところで醸造した酒を販売する「酒屋」が登場し始めており
馴染みのある酒粕の登場はその同時期くらいからだとも言われています。

酒粕を日常の料理に取り入れるには

酒粕を料理に使う場合、そのままではなく戻す作業(ペースト状にする)が必要となります。
そのまま焼いて食べる以外は、お味噌汁に入れたり、粕漬け、粕汁、甘酒、またはお鍋など。
水分の多い料理には、汁物の中でゆっくり戻す作業も同時にできますが、
そのもの自体水分の少ない「板粕」は料理前にお湯でふやかし、溶かす作業のひと手間を加えた方がダマにならず、
食感も良くいただけるでしょう。より細かさ、なめらかさを、そして更にスピーディーに料理するためには、
すり鉢やフードプロセッサーを利用している方もいらっしゃることと思います。
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撮影 許カミン(hue)

 
歴史の通り、酒粕は時代と共に変化し、形は変わっても、
その栄養や期待される効果と共に日本に暮らす食生活には欠くことの出来ない食材だったと言えそうです。
この令和にきて、新たにその形状を変え、更に使いやすくなった酒粕とも出会えましたので、ここでご紹介しておきます。
酒粕を乾燥させ、パウダー状にした「酒粕パウダー」は、料理の中ですぐに溶け、馴染み、とても画期的で使いやすく、今まで以上に色んな料理に活用できることはもちろん、酒粕の風味は損なわれていないところも大きな魅力の一つです。このパウダー状なら今まで酒粕を使った料理を懸念されていた方もきっと取り入れやすいと思いますし、酒粕の概念にとらわれず、料理に旨味やコクを加えたいと感じた時の調味料の一つとしても気軽に使って頂けそうな一品です!


酒粕に含まれる栄養に注目!

酒粕の成分を紐解くと、たんぱく質、食物繊維が豊富で、ビタミンB郡、葉酸、亜鉛と特に女性は摂取したいものばかりです。
発酵食品でもある酒粕は、昨今の色々な研究の下、健康効果や美肌効果は期待されてきましたが、その中でも注目されているレジスタントプロテイン(体に吸収されにくい難消化性のたんぱく質)は、胃酸など体内の消化酵素で分解されにくく、小腸に達し食物繊維のような生理機能を発揮してくれます。美味しいものを食べ過ぎてしまった方や最近おなか周りが気になりはじめた方にも是非アレンジレシピで食生活にもっともっと取り入れて頂きたい食材です。腸内の善玉菌のエサとなる食物繊維は近年更に見直されてきている栄養素でもありますが、酒粕は約5%(100g中5g)の食物繊維を含んでいます。食物繊維量の多い食材、さつまいも約2.3%、レタス約1.1%と聞けばその含有量の多さに気付かれることと思います。また酒粕を水分に溶かした際に出る特有のとろみは、汁物を冷めにくくしてくれる利点もあり、体を温めるスープ料理としても最適な食材だと言えるでしょう。

和の精神を大切にして生まれる良酒


『お酒を造っていると言うよりは、芸術作品を作っている感じです!』この言葉は、昨年、歴史ある、福岡の『山の壽酒蔵』を訪ねた際に蔵人さんから聞けた美しい言葉です。「一つ仕事」を本当に丁寧に、毎年変化する気候や予期せぬ自然災害に向き合う、杜氏、蔵人、そこで働くスタッフの方々の思いや体験を知り、毎年当たり前に私達がいただける美味しい日本酒やその副産物でもある酒粕への思いも、私個人としても大きく心に変化が起こりました。
もう一つ、蔵人さんからいただいた素敵な言葉を最後に今回の「酒粕」のテーマを結びたいと思います。『和醸良酒(わじょうりょうしゅ)』これは、実際に酒造りをされる方から、瓶詰めしたり、営業に関わったり、実際に販売をされたりと、それぞれの役割と和の精神、チームワークを大切にしてこそ良酒が生まれるという意味だそうです。この言葉の意味合いは酒造りに関わる方々だけではなく、どのような仕事や環境にも当てはまります。一人ひとりの仕事や力、それが合わさって初めて成り立つことの多さを日常の生活の中にも感じます。

自愛ケアへつながる食生活で、心も体の中も、そしてお肌もジンワリ温め、
次の季節へうつりかわるウォーミングアップの一歩になれたらと願います。
今日も体の中から美しく! 「食」で自分にできる応援を!

《 酒粕レシピ 》
*今回は練り粕とパウダーを使用しましたが、板粕やバラ粕を使用する前は、
同量のお水でもどしておきましょう。

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撮影 許カミン(hue)

●アドカドと酒粕のディップトースト(2、3名分)
アボカド・・・・・1個
バケット・・・・・1/2本
酒粕・・・・・大さじ1
白味噌・・・・・大さじ1
タマネギ・・・・・大きめ1/4個 or 小さめ1/2
レモン汁・・・・・大さじ2
塩/ブラックペッパー・・・・・適宜
オリーブオイル・・・・・お好みの量
ハチミツ・・・・・お好みの量


① みじん切りにしたタマネギをボールにはった水にさらしておく。
② アボカドは皮をむき、種を取り出し、酒粕、白味噌、レモン汁を混ぜマッシュする。
③ 混ぜあわせた②に水からあげた①のタマネギを加え更に軽くマッシュする。
④ ③をバケットに厚めに塗り、その上に塩、ブラックペッパーをしてトーストする。
⑤ ④にオリーブオイルとハチミツをかけ完成。

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撮影 許カミン(hue)


●ビーツとサツマイモの酒粕ポタージュ(2名分)
ビーツ・・・・・50g
サツマイモ・・・・・50g
タマネギ・・・・・1/2個
オリーブオイル・・・・・少量
A(水で溶かした野菜出汁 or コンソメでも可)・・・・・100ml
豆乳・・・・・100ml
酒粕・・・・・25~30g(パウダーの場合は、大さじ1)
ブラックペッパー・・・・・適量
豆乳ヨーグルト・・・・・少量
① 下茹でしたビーツ、蒸したサツマイモは一口大にカットしておく。
② みじん切りにしたタマネギをオリーブオイルで透明になるまで炒める
③ ①と②、そしてAと酒粕を加え、ミキサーにかけペースト状にする。
*酒粕パウダーを使用する際は④のタイミングで加えても良い。
④ ③を鍋に入れ、豆乳と混ぜ合わせる。
⑤ 仕上げに豆乳ヨーグルトをのせ形を整える。
⑥ お好みでブラックペッパーをかけて完成。

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撮影 許カミン(hue)

●ナッツとドライフルーツの酒粕トリュフ(5、6個分)
酒粕・・・・・30g
アーモンド・・・・・5粒
カシューナッツ・・・・・5粒
くるみ・・・・・3粒
レーズン・・・・・小20個(ドライフルーツ)
イチジク・・・・・小3個(ドライフルーツ)
ココアパウダー・・・・・大さじ1~2

① 酒粕、ココアパウダー以外の材料をミキサーやフードプロセッサーなどで細かく砕く。
② ボールの中で酒粕と①をこね、混ぜ合わせる。
③ 最後にココアパウダーを表面にまぶして完成。

今季のワンポウント美肌アドバイス
この季節のスキンケアのコツにも少し触れておきたいと思います。
紫外線も増え始め、花粉も多く飛ぶこの季節。お肌の乾燥を引き起こす外的要因も増えてきます。特に朝のスキンケアにはたっぷりの水分補給を。
気温が安定するまでお肌の状態も安定しづらい、春はそんな季節でもあります。
体の中から同様、外側からのケアも化粧水・クリーム類をお肌に馴染ませる際にゆっくり手のひらを使っての温活をおすすめします。体温での優しいプレス作用(お顔全体を優しく包み込む)は、スキンケアコスメの肌への馴染みを良くしてくれ、その次に重ねる下地やファンデーションのつきの良さへのバトンとなります。

著者プロフィール

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浅利 真妃
美肌食育教室主宰・美容家・美肌食育プランナー
ビューティーフードスタイリスト
フードコーディネーター 食育インストラクター コスメコンシェルジュ
エキスパートファスティングマイスター。
食の専門スクールにて、インナービューティー講座をプロデュースする。またビューティーサロンプロデュース、化粧品PR・ブランディングでの経験を活かしビューティー企画、インナービューティーセミナーを開催。
Instagram:@maki_asari
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