「屋外でもおいしく撮りたい」はじめてのおいしい写真教室vol.3

hueのフォトグラファーによるおいしい写真教室。
第2回目ではジョ ヘミを講師に、撮影の基本姿勢からスイーツの撮り方まで教えてもらいました(過去の記事はこちら)。
ポイントをおさえるとすっかり撮影が楽しくなり、カフェに入った時も自然光の具合が良い、おいしく撮れる席を探すようになりました。

季節は秋の行楽シーズン。
ピクニックの機会も増える中、屋外でもおいしく撮れるようになりたい!
そこで第3回目ではこの春にジュニアフォトグラファーとしてご紹介した浦野航気過去の記事はこちら)を講師に、屋外でのおいしい写真の撮り方を教えてもらいました。


晴れていても曇りでも、おいしい写真は撮れます

――ジョさんに教えてもらって、だいぶカメラにも慣れてきました。
でも先日ピクニックに初めてカメラを持っていたのですが、なかなかうまく撮れなくて……。

浦野さん(以下敬称略) そうですよね、屋内では小物の位置や背景など自分で決めて撮影を行いますが、屋外では同じようにはうまくいかないと思います。
時間帯や天候などによって撮影の状況は変化していきますよね。

――撮影に適した時間帯や天候はありますか?

浦野 晴れた日は木漏れ日など、きれいな影のある場所を狙いましょう。
葉の密度が低い木の下がおすすめです。
時間帯は特に朝と夕方がきれいですよ。
木漏れ日をみれば、空を写さなくても天気が分かるんです。

曇りの日は雲が光を和らげるディフーザーの代わりとなり、くっきりとした影がなくなって、被写体をしっとりと写すことができます。

どんな天気でもその日にしか撮れない写真が撮れることも、屋外での撮影の醍醐味ですよ!
_MG_4976s.jpg

――そう考えると、いつでも屋外での撮影が楽しめますね!

浦野 今日はオート設定から一歩ステップアップして、ボケかたのコントロールが自分なりに調整できる絞り優先のAモードで撮影してみましょう。

モードの切り替え.jpg

自由な空間での撮影は難しい?

――屋内撮影と屋外撮影との大きな違いは何でしょう?

浦野 屋外での撮影は自由度が高いです。
その分自分が動かなければなりません。
まずはカメラのディスプレイをのぞきながら自分を軸にしてぐるっと回ってみて、自分が好きな光を見つけてみてください。

――自分の周りだけもこんなにいろいろな光や影があるんですね。
写真の印象が全く変わってきそう。

浦野 では前回と同じようにスタイリングして撮影してみましょう。
今回はピクニックの定番、サンドウィッチを被写体にしました。

――青空の下、スタイリングしたこの素敵な光景!
この全てを伝えたくて、ついつい全部写したくなります。

浦野 主役のサンドウィッチを決めて、あとは思い切って背景にするといいですよ。
斜俯瞰の場合には全体にピントが合うとごちゃごちゃしてしまうので、絞り値(F値)は小さくして周囲をぼかすように撮影することをおすすめします。
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▲(左)全体にピントが合うように撮影、(右)主役を決めてF値を小さくして撮影

――比較してみると分かりやすい!
全体にピントが合うと、伝えたいと思ったことがかえって伝わらない……。
撮り方で気になったのですが、浦野さんは少し後ろに引いて撮影していますね。
食べ物はとにかく寄って撮るものだと思っていました。

浦野 撮影するにあたって絶対的なルールはありません。しかし表現したい写真によって撮影手法が変わります。
たとえば、撮影する被写体をより主役として写真を撮影したい場合は標準レンズで撮影してみてください。ズームレンズをお使いの方は標準レンズの位置にズームを動かしてください。
標準レンズとは人間の目の画角に近い長さのレンズのことです。
標準レンズの長さはお使いのカメラのセンサーサイズによって異なります。フルサイズのセンサーであれば50mm。ミラーレスカメラなどによく使われているAPS-Cサイズのセンサーであれば35mm、マイクロフォーサーズであれば25mmとなります。

また、テーブル全体の雰囲気を撮影したい場合は広角レンズでも結構です。広角レンズのまま被写体に近づいて撮影するとかなり迫力のある料理写真になります。それぞれメリット・デメリットありますがそれぞれ理解しておくことが大切ですね。

【レンズによる画角の違い】
・広角レンズ 手前のものが大きくなり奥のものが小さくなる。
・望遠レンズ 手前と奥のもののサイズ違いがなくなる。

画角の違い.jpg

――お店の中など後ろに人が座っていて、あまり引いて撮影できない時はどうすればよいのでしょう?

浦野 そういう時は奥行きをなくすために俯瞰撮影がおすすめです。

――アングルの話が出ましたが、外では空間の制限がないのでアングルを決めるのが難しいですね。

浦野 まずは自分の目で見て良い位置を決め、その顔の向きにカメラを持ってきて撮影しましょう。
もし自分の写したいものが芝生など動かせないものであれば、被写体を手に持ち、撮りたい画や好みの光の位置まで移動させて撮影することも一つの手です。

浦野 反対に落ち葉や木の実など動かせるものは、スタイリングに取り入れてもいいですね。
外には小道具に使えそうなものがいろいろありますよ。
その場で小道具.jpg
4.jpg

――ぐっと季節感が増しますね!

刻々と変化する屋外撮影での楽しみ方

――お話をうかがっている間にも光の加減がどんどん変わっていきますね。
屋内撮影の時はそこまで意識しませんでした。
良いアングルを決めたら早く撮影しなくては!
なんだか焦ります……。

浦野 外の良いところは、ふとおいしい光が現れるところです。
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また、木漏れ日などを有効に活用すると、サンドウィッチごとに光が当たるものと影になるものが出てきて、写真に立体感が出ます。
しかし自然光は時間が経つごとに光が変化します。
_DSC3838.jpg

――撮影状況が変わることを楽しむんですね!

浦野 おいしい写真は屋内の方が撮りやすいかもしれませんが、屋外の撮影では開放的な空間ならではのワクワク感を伝えられると思います。
変化する空間の中でおいしい光を見つける楽しさがあり、ずっと撮っていられますよ!

――また一つ撮影の楽しみ方を知ることができました。
浦野さん、ありがとうございました!

屋外でのおいしい撮影のポイント:
・きれいな影とおいしい光を探そう
・自然の中を自分が動いて、撮りたい画を演出
・変化を楽しみながらおいしい写真を撮ろう


※はじめてのおいしい写真教室vol.1 井口俊介の記事はこちら
※はじめてのおいしい写真教室vol.2 ジョ ヘミの記事はこちら

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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