「お弁当をおいしく撮りたい」はじめてのおいしい写真教室vol.4

料理撮影を専門とするスタジオ『hue』
そのhueのフォトグラファーがカメラの初心者においしい写真の撮り方を教えます!

第3回目ではアウトドア撮影を得意とする浦野航気を講師に、屋外でのおいしい撮影方法について教えてもらいました(過去の記事はこちら)。

今回のテーマは、おいしいお弁当の撮り方。
毎日のお弁当を撮り方やスタイリングで人に見せたくなるお弁当にしたい!
そこで第4回目では、お弁当のスタイリングについて、フードコーディネーターとして商品パッケージ写真のスタイリングやメニュー開発を手掛け、ヒューのイベントでも講師を務められた福原知香さん(過去の記事はこちら)から教えてもらいました。
撮影のアドバイスは前回に続き浦野航気です。


フードコーディネーターが指南! おいしく見せるお弁当の作り方

――フードコーディネーターとはどんなお仕事なのでしょう?

福原知香さん(以下敬称略) フードコーディネーターとは、「食」に関連するあらゆる場面でおいしさをより効果的に演出し、コーディネートをするお仕事です。
食材や器のセレクトから、よりおいしく見せる盛り付け方を工夫し、シズル感を演出しています。

――料理をおいしく見せるポイントは?

福原 料理のおいしさは五感(味覚、嗅覚、触角、視覚、聴覚)で判断します。
おいしさはやはり味覚によるところが大きいと思われるかもしれませんが、一説には視覚で判断する割合が最も高いと言われています。

――だから料理は味だけではなく、見た目も大事なんですね!
お弁当作りだとどんなポイントがありますか?

福原 お弁当の基本は、「赤・黄・緑」の3色を取り入れることです。
見た目はもちろん、栄養バランスも整います。
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――どんなものを入れればいいですか?

福原 例えばミニトマト、卵焼き、ブロッコリーあたりは年間を通してどんなお弁当にも使えますね。

さらにおいしく見せるコツとしては、差し色も重要です。
私のおすすめは、甘酢に塩もみした紫玉ねぎを漬けた、「紫玉ねぎの酢漬け」です。
この紫色が入るだけでぐっと今風になりますし、インスタ映えもしますよ。
食材としては、ラディッシュや紫キャベツ、トレビスもいいですね。
ただし盛り付ける分量が多いと目立ちすぎるので気をつけてください。
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▲(左)差し色あり、(右)差し色なし

――ほんの少しの差し色でお弁当全体の印象が変わるんですね。

福原 色の話でもう一つ。
お弁当は半分がご飯となることが多いと思いますが、白米の場合には黒ごまを振ると全体の印象が締まります。
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▲(左)黒ごまなしご飯、(右)黒ごまありご飯

――本当だ! 明日のお弁当から早速実践してみたいと思います。
お弁当でいつも難しいなと思うのは盛り方です。
うまく盛れなくて、写真に撮るとぺたっとした印象になりがちで……。
コツを教えてください。

福原 おかずは立てて詰めていきましょう。
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▲(左)おかずを立てて詰めたお弁当、(右)おかずを平面的に詰めたお弁当

福原 あとは似たような色のおかずを隣同士に並べないように詰めることでも、お弁当全体の色味にメリハリが出ますよ。

そしてお弁当作りで最も大切なことは、おいしく安全に食べることです。
ご飯やおかずは必ず冷ましてから詰める、汁気があるおかずは汁気を切ってから詰めるように心がけることにより、傷みにくくなります。

今流行りのお弁当とは?

――福原さんはお仕事の現場でお弁当を作られることも、見る機会も多いと思うのですが、お弁当の昔と今で違いは感じますか?

福原 以前はお腹を満たすことが第一目的だったお弁当ですが、最近ではインスタ映えを意識した、見た目でも楽しめるお弁当が増えましたね。

お弁当箱についても流行の変化は感じます。
以前はカラフルなお弁当箱が主流でしたが、最近はお弁当箱自体にもこだわりを持たれる方も多く、色々な種類のお弁当箱を見かけるようになりました。
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――こうして見てみると、お弁当箱自体はずいぶんシックになりましたね。

福原 形もバリエーション豊かになり、おしゃれなものが増えました。

おかずの詰め方も変わってきていると思います。
以前はそれぞれのおかずをアルミカップやおかずカップなどで仕切って詰めていましたが、最近は仕切らずに直接お弁当箱に詰めているものが多いですね。
その方が仕切っておかずを詰めるよりも、いろいろな種類のおかずを自由に立体的に盛り付けることができ、見た目もおいしそうに仕上げることができます。
中でも長方形型のお弁当箱はおかずの幅を決められるので詰めやすいですよ。
お気に入りのデザインと自分に合った容量でお弁当箱を選んでみてくださいね!

――市販のお弁当でも流行の変化は感じますか?

福原 そうですね、ロケ弁などでも同じ傾向が見られますね。
鮭、卵焼き、ちょっとした野菜のおかずというシンプルなお弁当よりも、少しずつ品数豊富におかずを詰めるお弁当が増えてきています。

――でも自分で作るとなると、毎回いろいろな種類のおかずを用意するのは大変そう……。

福原 毎日のお弁当で全てを手作りすることは難しいですよね。
でも彩りのためにはやはりある程度おかずの種類が必要です。
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▲(左)品数増、(右)品数減

なので市販のおかずをうまく活用したり、作りおきや冷凍保存ができるものは事前に作っておきましょう。

あとはメインを一つ決めて、その他は調理にあまり時間のかからない、素材の味を活かしたものを詰めてもいいですね。
旬のものを入れると栄養バランスとしても良いですよ。

毎日無理なく作りましょうね!

おいしく作っておいしく撮影しよう

――頑張って作ったお弁当はきれいに、そしておいしそうに写真に残したいです。
浦野さん、撮影のポイントを教えてください。

浦野 福原さんがお話しされたように、写真に撮るときに盛り付けが立体的になっているとおいしそうに撮れます。
さらにポイントとしては色にもあります。
差し色を入れることでもコントラストが出て、立体感が出ますよ。

また、お弁当はそれ自体が一つの画として完成されているので、中身の全てにピントを合わせて撮影してもいいですよ。

――今までは主役を一つ決めて他はぼかして撮影しましたよね!
お弁当を撮る時は、高さのある箱の中身をどう撮るのかいつも悩みます。

浦野 下から撮ると箱の高さばかりが目立ってしまうので、箱の中身が全て見えるように上から撮影してお弁当箱ごと見せるようにするといいですよ。

――屋内での撮影についてジョさんから習った時、白い画用紙をレフ板の代わりにして撮影したのですが、お弁当の時も使った方がいいのかなと。

浦野 影でおかずが黒くつぶれている時だけ使えばいいですよ。
レフ板を近づけすぎるとフラットに撮れてしまうこともあります。
とにかく立体感のあるお弁当を撮ることがおいしい撮影のポイントだと思います。

いろいろな角度で撮影してみて自分の好きなアングルを見つけてくださいね。
毎日お弁当を作られるのであれば、同じアングルで撮りためていくのもおもしろいですよ!
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▲(左)上からのアングル、(右)下からのアングル

おいしいお弁当の見せ方と撮影ポイント:
・お弁当には「赤・黄・緑」の3色+差し色を取り入れよう
・いろいろなおかずを少しずつ立体的に詰めよう
・お弁当の撮影では、全ての中身にピントが合っていてもOK
・立体感を損なわないように撮りましょう


プロフィール:
福原 知香 Tomoka Fukuhara
フードコーディネーター/栄養士
栄養士免許を取得後、食品会社、料理教室に勤務し、その後フリーに転身。
現在、CMや商品パッケージ、レシピ動画など広告関係の料理製作をはじめ、スタイリング、レシピ開発、テレビ出演、イベント講師など幅広く活動中。


※はじめてのおいしい写真教室vol.1 井口俊介の記事はこちら
※はじめてのおいしい写真教室vol.2 ジョ ヘミの記事はこちら
※はじめてのおいしい写真教室vol.3 浦野航気の記事はこちら

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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