熊本を知って呑んで応援しよう!『熊本ふるまち酒蔵まつり』が今年も開催決定

熊本にちょっとおもしろい酒屋があります。
それは熊本市中央区万町(よろずまち)にある『川上酒店』さんです。
利酒師の川上靖さんと、ソムリエの奥様の千恵さんが営むお店では、お二人が厳選した豊富な品揃えのお酒があるだけなく、セミナーからイベントまでお酒にまつわる楽しそうなことが常に発信されています。

2019年4月21日(日)には川上酒店さんがスタートから携わっている『熊本ふるまち酒蔵まつり』が今年も開催決定!
店主の川上靖さんにイベントの見どころから熊本のお酒の事情までお話をうかがいました。

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焼酎だけじゃない、酒どころ熊本の魅力を伝えたい!

――こちらの酒屋は古くから営業されているのですか?

川上 酒屋はうちの曾祖父の代からやってるんですけど、祖父の代で一度やめて、父が途中からまた復活しようという話が出て僕が継ぎました。
今の店舗は築100年以上の古い町屋を10年前にリノベーションした建物です。
「くまもとアートポリス」という建築や都市計画を通して文化の向上を図ろうというコンセプトで実施されている熊本県の事業があるのですが、その推進賞も受賞したんです。

――なるほど!歴史のあるお店かと思ったら古民家のリノベーションだったのですね!お酒は何かこだわってセレクトされているのですか?

川上 日本酒や焼酎は熊本のものを中心に、県外のものは御縁があって生産者の顔が見えるところのものを置いています。
ワインに関しては、妻が全部試飲して私もおいしかったものをセレクトしています。産地としては国内外のものを取り扱っていますが、主に日本ワインとフランスワインが多いですね。日本酒に関しては、特に県内のお酒はそろえてあります。
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▲町家をリノベーションした素敵なお店

県内の日本酒を飲み比べできるイベント!

――川上さんはいくつかイベントも主催されていますよね?

川上 はい、そうですね。
その一つ、『熊本ふるまち酒蔵まつり』が今年も4月21日(日)に開催が決まりました!
県内9蔵の自慢の日本酒が試飲できたり、トークショーがあったりと盛りだくさんのイベントです。
2017年からは毎年ゲストに吉田類さんをお招きしています。

――あの酒場放浪記の吉田類さんですか?

川上 はい。『古典酒場』という雑誌の編集長をしている倉嶋紀和子さんが熊本出身で、僕らの仲間の同級生だったんです。
倉嶋さんは類さんと仲良かったので、震災の後に類さんも呼んでもらうようにお願いしたら快く受けてくれました。これも素敵なご縁かと思います。
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▲2017年に開催された、『熊本ふるまち酒蔵まつりの様子

――今年のイベントの見どころは?

川上 今年は吉田類さんと倉嶋紀和子さんに加え、熊本の酒場を愛するタレント太田黒浩一さんが参戦されます。
3人のお酒愛あふれるトークライブは、きっと盛り上がると思います!

「酒は人の上に人を造らず」 1軒の酒屋から広がる熊本のコミュニティ

――川上さんの店舗での活動についても教えてください。

川上 一般の方向けに日本酒・ウイスキー・ワインの講座を開催しています。
以前福岡の酒造組合が地酒の勉強会を女性対象にやっていたんですが、そういうことを熊本でもできないかなって瑞鷹酒造の吉村くんと山村酒造の山村くんと話していたんです。
僕らの認識では、熊本発祥の日本酒の技術ってけっこうあるんです。
例えば日本醸造協会の「きょうかい9号酵母」として採用された熊本酵母は現代の吟醸酒のベースにもなってるんですよ。
でも焼酎ブームがあって、熊本の日本酒ってどんどん忘れられていったんですよね。

――たしかに九州=焼酎のイメージがすっかり定着しましたよね。

川上 さらに熊本の人も自分のところの地酒を知らずに今話題の県外のお酒や手に入らないことが価値になっているようなお酒を追いかけていて……。
でもお酒の価値ってそこじゃないって思うんです。
だから熊本の人にもお酒を平等に評価して、自分が好きなお酒を楽しく飲める機会を増やして欲しいと思ったんですよね。
それで今から6年前に講座をスタートさせました。
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――でも酒屋さんで一般の方向けにこういう講座をやるのは珍しいですよね。

川上 最初は酒造組合がやるものかなと思ったんですが、熊本にはある9蔵をまとめるのはなかなか難しいんです。
それなら僕がやれば立場的に波風も立たないかなと思って自分で始めました。

――生徒さんはどんな人が来ているんですか?

川上 年齢層は幅広く、30代から60代の方までいらっしゃいます。
1回の講座の定員が12名なんですが、みんな誰が何をしている人なのかお互いに知らないんです。
知っちゃうと仕事のつながりがあったりして壁ができちゃうこともあるでしょ?
それよりもこの場はお酒が好きっていう共通項で仲良くなってほしいんですよね。
類さんも言ってるでしょ、「酒は人の上に人を造らず」って。
上も下も関係ない、お酒を介した熊本のコミュニティができればいいなと思っています。

また、ここ最近では親子でいらっしゃる方も増えているんですよ。
娘さんが講座に通って楽しかったからお母さんを連れてきたり、息子さんが義理のお父さんを誘ったり。

――それは良いコミュニケーションの場ですね!
ただお店に行って飲むだけじゃなくて一緒にお酒の事を学んだら、その後の共通の話題も増えるし。

川上 見ていても素敵な時間だなと思いますよ。

ワインについては4コースあります。
ソムリエナイフの使い方やラベルの読み方はじめ、ワインの楽しみ方を一緒に学んでいます。
自分の好みを分かってご自身でワインを選べるようになったらいいなと思っています。
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――知ることで飲みに行った時にもお店の人ともコミュニケーションがとれて、さらに楽しくなりますよね!
そのコミュニティでの課外活動もあるんですか?

川上 花見や忘年会、あとは大人の修学旅行として、酒蔵やワイナリー、ウイスキー蒸留所などを大型バスを貸し切りにして訪れています。
定期的なイベントとしては着物でワインを楽しむ会や音楽アーティストとのコラボ、季節の花を使ったワークショップとのコラボなどを開催しています。

生徒さんたちにはこうやって熊本の中でコミュニティを作りながら、お酒や食材のおいしさを生徒さん自身が理解して、県外の方に伝えられるような郷土愛を育んでほしいですね。

2016年の熊本地震から3年、熊本の今

――2016年の熊本地震から3年、川上さんが現状をどう感じていますか?

川上 経済的に今が一番悪いかもしれないですね。
やっぱりサービス業の売上は15%ぐらいは下がっているし、観光客も2割ぐらいの落ち込みを感じます。
また今年はみなし仮設住宅も出なきゃいけない人もいるんですよ。
さらに建築業界の人手不足やオリンピックによる資材の価格の上昇で、壊れた建物を建て替えできない状況もあります。
なので空き地も増えています。

――確かに東北の震災時にも似たような状況がありましたね。

川上 東北も県外にPRができて物を売れるところは強いけれど、地場の仕事だけでがんばっているところはまだまだきついと思います。だから何か買う時は被害のあった地域、例えば東北のもの、熊本県のもの、広島県のものをすすんで買おうというように、みなさんが地域を応援する意識を持てるようになるといいんですよね。

――熊本震災の時は少しでも早く日常の生活を取り戻してほしかったので、hueで、熊本の食材を使って応援イベントを行いました。現地に行かなくてもできる支援を実施しました。
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▲hueで行われた「熊本感謝祭」の様子

川上 そうやって遠くからでも応援してくれていることが分かると涙が出るぐらい嬉しいですね。

震災をきっかけにものの考え方が変わって、県内の方に集まってもらって楽しんでもらうだけではなく、県外の方に熊本に来てもらうような仕掛けづくりをしなきゃなと。
やっぱり県外の方に現状の熊本を楽しんでもらってリピーターになってもらうためのイベントを考えていきたいですね。
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熊本ふるまち酒蔵まつり』が今年開催!

日時:2019年4月21日(日)11:30~15:30まで
場所:早川倉庫(〒860-0032 熊本県熊本市中央区 万町2丁目4)
チケット詳細 川上酒店 096-326-1568 ✉k.sake@lion.ocn.ne.jp
チケット:3000円(前売り券のみ・当日券はございません)
※お電話でのお取り置き可能です

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株式会社ヒュー
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