「世界に羽ばたけ、ナチュラルなスーパーフード」身近だけど知らないことだらけなプリンの世界・前編

みなさん、プリンは好きですか?
コンビニやスーパーで買うプリン、デパートで買う少し高級なプリン、小さい頃にお母さんが作ってくれた手作りのプリン。
好きなプリンにも千差万別、それぞれに思い入れがあるかと思います。

今回ご紹介するのは、株式会社無垢の最高品質責任者で、国際プリン協会の会長であるプリンのスペシャリスト、濱口竜平さんです。
2019年2月、低温殺菌牛乳やノンホモジナイズの牛乳、平飼いや放し飼いの鶏の有精卵を使用したプリンの専門店『MUKU』(東京都世田谷区奥沢)をオープンした濱口さんを2回にわたってご紹介します。
前編では、濱口さんのプリンの普及活動についてお話をうかがいました。

実はすごい力を秘めていた、甘くておいしいプリンの秘密

――まずは濱口さんのご活動内容について教えてください。

濱口竜平さん(以下敬称略) 現在株式会社無垢と国際プリン協会の2つの柱で活動しています。
まず国際プリン協会では、プリンの普及活動を行っています。
ポイントは、「プリンはナチュラルなエナジーフード」ということ。
プリンの材料を多い順から並べてみると、牛乳、卵、砂糖ですが、牛乳も卵もプロテインスコアとアミノスコアがどちらも100で、たんぱく質とアミノ酸のバランスが良い食品なんです。

――プリンを栄養の観点から考えたことはなかったです!

濱口 今、身体のことを気にされてプロテインやサプリメントを摂取されている方も多いと思います。
でも栄養補給食品やサプリメントの中には添加物が入っているものも多いです。
来年東京オリンピックを控えている中で、成分に何が入っているか分からない、入っているものがドーピングに抵触するのか分かりづらい、そういう疑わしきものは摂取しないということで海外産のサプリメントを控える選手が増えています。
そこで国際プリン協会としては、添加物が入っていないナチュラルなエナジーフードとしてのプリンをおすすめしています!

東京オリンピックだけじゃない、来年初開催予定のプリンのイベントとは?!

――身近なプリンがものすごい可能性を秘めていたことに驚かされています!
プリンの普及活動として、具体的にどんなことをされているのでしょう?
たとえばイベントの企画など?

濱口 オリンピックの「オ」を「プ」に変えてみてください。

――プ、プリンピック?

濱口 そうです!
オリンピックと同じ年の秋に「プリンピック」の開催を予定しています。
プリンの材料である、牛乳、卵、砂糖って世界中にあるので、輸出入に頼らなくてもプリンは自国のもので作ることができます。
だから世界中にプリンもしくはプリンのようなものがあります。
このイベントではその世界中のプリンを再現して、プリンで世界旅行体験ができるようにしたいと思っています。
その他にはプリンのレシピコンテスト、親子で作るプリン教室、利きプリンも考えています。
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――プリンだけでこれだけ盛りだくさんのコンテンツ、今から楽しみです!

濱口 イベントを通して伝えたいことは、酪農と養鶏の現状とこれからについて。
でもそういう話って重くなりがちなので、プリンピックというポップなイベントの中にきちんと盛り込んでいきたいです。
第1回目の開催地は横浜を予定しています。
横浜を選んだ理由の一つは、「プリン・ア・ラ・モード」が横浜のホテルのレストランが考案したと言われていること。
そして僕にとって横浜は赤レンガ倉庫や公園に家族連れがいて、あたたかいイメージであるということ。
さらにプリンは海から伝わって来たものなので、海が近くにあるのもいいですね。

あなたは誰にプリンを贈る?

――プリンの普及活動としてその他に考えていらっしゃる企画は?

濱口 バレンタインデーのように、年に1回プリンを贈る日を作りたいですね。
名前は「サンクスライフデー」、つまり人生に感謝する日という意味です。
僕は6歳まで施設で暮らし、その後は母子家庭で育ったので、誕生日も父の日も嫌いでした。
バレンタインもクリスマスもそうなんですけど、「○〇デー」には当てはまらない人、嬉しくない人もいますよ。
じゃあみんなに関係していて、誰もが参加できる日とはなんだろうと考えました。
そこで出た答えは、「食べること」でした!
そして自分が食べることでお世話になっている人は必ずいますよね?
母親、社食のおばちゃん、コンビニの店員さん、居酒屋の大将などなど。
それなら自分が食べることでお世話になっている人に感謝の気持ちを込めてプリンを贈る日を作ろうと考えました。
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――それは良い日ですね!
プリンとはどうつながってくるのでしょう?

濱口 プリンの原材料である牛乳や卵は、母から子に渡される生命そのものです。
だからプリンは生命のお菓子という捉え方をすると、この日にプリンを贈ることはすごく意味があると思います。
まさに生きることは食べることです。

――これは全国のみならず、世界にも広がって行きそうなお話です。

濱口 そうなったら嬉しいですね!
僕の仕事のスタンスは、“win-win”な関係よりも、“happy-happy”な関係なのです。
勝ち負けじゃなくて、お互いが良いものをシェアするとか、手をつなぐとか、循環するというイメージです。
その方がこういう企画を進めようとする時もプリン屋さん同士の横のつながりで協力し合えますしね。

自分でカスタマイズする、超新鮮なケーキが食べられるお店

――続いて株式会社無垢についておうかがいします。
まずは会社名の由来について教えてください。

濱口 会社名は漢字で「無垢」、店名はローマ字で「MUKU」にしています。
無垢とは、仏教用語で汚れない美しさを示します。
僕がプリンを好きになったきっかけは、6歳の頃に母親が作ってくれたプリンで、その時の無垢な気持ちを忘れずにいたいなという想いが込められています。
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そして僕の店で使っている、平飼いの有精卵や自然に近い環境で育った牛の低温殺菌牛乳やノンホモジナイズの牛乳も、汚れのない美しい無垢な食材です。

その他には、こういう良い方向にみんなが“向く”、僕たちが伝えたことでお客さんたちも気付いて“むく”っと起き上がるという意味もあります。

さらに数字で表現すると“69(ムク)”となり、陰陽のマークにも見えますよね。
物事には光の当たる部分と当たらない部分がある、無垢な食材は光の当たらない部分だけど大切な部分です。
また、僕はロックやパンクな考え方が好きで、現体制に迎合するのではなく自分が大切だと思うことを伝えていくという6と9でロックな気持ちも込められています。

最後にもう一つ!
カタカナで「プリン」って書くと6角、ひらがなで「ぷりん」って書くと9角なんです。
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――こんなにいろんな意味が含まれているとは! よく見つけましたね!
株式会社無垢としての活動は?

濱口 今はプリンの専門店『MUKU』を運営しているのですが、今後はプリンをベースにした、新しい業態も考えています。
ひとつはバゲット、もうひとつはケーキです。

まずバゲットですが、バゲットも粉と塩と水という無垢な食材だけで作られています。
でも熟成とか発酵など製法ではなく、材料である粉と塩と水に徹底的にこだわっているところって少ないし、バゲット専門店も意外とありません。

――それはなぜですか?

濱口 原材料は問屋さんから仕入れるので、自分の足で探しに行くという店が少ないからでしょうか。
職人さんにはそれをやる時間がない。
でも僕にはそれができる。
そういう意味で、生産者の顔が見える、無垢な材料を使ったバゲット専門店はいいなと思っています。
さらにバゲットをプリン生地に浸して焼いたらフレンチトーストができます!
持ち歩きもできるフレンチトーストもいいかな。

――無垢な材料で作ったものの組み合わせ、それは絶対おいしい!

濱口 もうひとつ考えているのはケーキ屋さんです。
ケーキ屋さんってほとんどの店がテイクアウト専門店ですよね。
でも生クリームって立てたてが一番おいしいんです。

――でも今のケーキ屋さんの業態だと、それを味わえるお店はなかなかないですよね。

濱口 そこで僕が考えているのは、まずは生地を3種類ぐらいの中から選ぶ、生クリームも産地や乳脂肪分によって異なるバリエーションの中から選ぶ、そこに好きなトッピングを加えて、セミオーダーで作る、イートインのみのケーキ屋さんです。
さらにそこにシャンパンも合わせようかなと考えています。
動物性の生クリームが口の中で溶けた後に、シャンパンの香りが……このマリアージュもすごく魅力的なものです。
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バゲットにケーキと様々な業態を新たに考えられていますが、“無垢であること”というコンセプトを貫かれていて、ブレがありません。
後編では、濱口さんのこれからの夢や、誰よりもプリンを深く愛する濱口さんが考えるプリンのシズルについてお話をうかがいました。
どうぞお楽しみに!

店舗情報:
プリンのMUKU
住所:〒158-0083 東京都世田谷区奥沢 3-31-10
アクセス:奥沢駅より徒歩1.5分/自由が丘駅南口より徒歩8分
営業時間:11時〜18時 毎週木曜定休
電話番号:03-6451-7675
メールアドレス:info@mukulife.jp

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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