台湾カルチャーを世界へ発信する『富錦樹グループ』代表・Jay Wu氏インタビュー

台北・松山空港近くにある、話題のエリア富錦街(フージンジェ)。ここ数年続々とセレクトショップや飲食店がオープンし、注目をあつめています。
このエリア全体をプロデュースしたのが、富錦樹グループ(Fujin Tree Group)です。
グループの創立者は、Jay Wu(吳羽傑/ジェイ・ウー)さん。
台湾・台南に生まれ育ち、アメリカ、カナダ、日本での生活経験を経て、台湾で新しいライフスタイルを提案するため、 2012 年に台北の富錦街で富錦樹グループを設立。
台湾と世界のかけ橋として、台湾の食、商業、カルチャーを世界へ伝え、日本や世界から得たインスピレーションを台湾に伝えているJay Wuさんにお話をうかがいました。

台北・松山空港近くで街を丸ごとプロデュース

――まずはJay Wuさんの活動内容について教えてください。

Jay Wuさん(以下敬称略) 一つは、2012年にスタートした台北の富錦街のプロデュースです。
場所は台北の松山空港から徒歩10分。
かつてはアメリカ軍の住宅地で、街路樹のあるきれいな街でしたが、商業設備は何もないところだったんです。
こういうエリアに『富錦樹 355』というアパレル・セレクトショップを手がけましたが、1店舗だけあってもお客さんに来てもらうことは難しい。
そこで出てきたアイデアは、街全体をプロデュースするということです。
2店舗目には日本の『BEAMS』を誘致しました。
その後は、『富錦樹カフェ』、台湾料理レストラン『富錦樹台菜香檳』、『富錦樹かき氷ショップ』、『富錦樹カレーショップ』、花やグリーンを販売する『greendays 花藝店』、台湾式マッサージショップ『relaxing trip』など、 約20 店舗をオープンしました。
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▲台北『富錦樹カフェ

――まさに街をつくられたんですね!

Jay Wu その他には、台湾で人気 No.1 の新食感かき氷店『Ice Monster』を日本で、反対に日本で予約の取れない人気店として知られる焼肉店『よろにく』を台湾で展開しました。

――日本と台湾の文化のかけ橋として活動されているのですね。
日本と接点を持ったきっかけは?

Jay Wu 25歳の時に4年半ほど東京に留学しました。
台湾は昔から親日で日本へ旅行する人も多かったんですが、日本からの台湾への観光客は当時はまだ少なかったので、台湾のことをもっと知ってほしいなと思ったんです。
そのためには両国の文化交流が必要だと考えました。
具体例としては台北でコーヒーイベントを企画して、台湾と日本からそれぞれ30社出店してもらいました。

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台湾でも熱い「和牛」ブランド

――今、台湾の食のトレンドはなんでしょう?

Jay Wu 台湾ではトレンドがつくりにくいんです。
理由の一つは、メディアがたくさんあることで流行が分散しているからだと思います。
そんな状況の中でも目立っていたのは、食関連だと『タピオカ黒糖ミルク』が人気でしたね。
あとは和牛です。
2017年に日本産牛肉の輸入が台湾で16年ぶりに解禁されてブームになっていて、高級飲食店では和牛を取り扱うようになっています。

――Jay Wuさんご自身もかき氷や焼肉など、日本と台湾それぞれのトレンドをつくられています。
自分が紹介したものでみんなが笑顔になるのを見られるのは嬉しいですよね!

Jay Wu 今までアパレルやインテリアなど色々なことに携わってきましたが、やっぱり食が一番分かりやすいですね。
すぐに試してもらえますし、食べた時の反応もすぐに見られます。

話題沸騰の台湾料理レストランがついに日本初上陸!

――以前台湾に行った時に、食事をしながらお酒を飲んでいる人をあまり見かけなかったのですが、今でもそうでしょうか?

Jay Wu そうなんです、台湾は食は食、お酒はお酒で別のお店で楽しむのが一般的です。
でも日本に行った時に、居酒屋に入ってとりあえずビールで乾杯、という経験がすごく気持ち良かったんです!
だから台湾でも食事と一緒にお酒が楽しめればいいなと思いました。

また、日本のアパレルブランドを展開していた時、毎月日本からいらっしゃるお客さんを様々な飲食店に案内していたのですが、屋台以外に台湾料理を楽しめるお店がなかなかないなと……。
良い雰囲気の中でおいしい料理とお酒が楽しめて、ビジネスでもデートでも利用できるようなお店があればいいなと思ったんです。
そこで2014 年に台湾料理レストラン『富錦樹台菜香檳(フージンツリー タイツァイシャンピン)』をオープンしました。
新鮮な野菜やフルーツを取り入れたヘルシーかつ味わい深い創作台湾料理をシャンパンと一緒に楽しむというコンセプトにしています。
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▲台北『富錦樹台菜香檳』

――食事とお酒を一緒に楽しむ文化がなかったところにそういう店ができたことはかなりのインパクトがあったでしょう!

Jay Wu そうですね。
さらにシャンパンということで驚かれましたし、けっこう批判もされましたけど、ちょっと行ってみようかなという興味にもつながったようです。
今はすっかり定着してきて、台湾の人が海外からお客さんを呼んだ時にも利用してくれるようになりましたね。
2018 年には、台湾政府が勧める「必ず食べるべきグルメ 10 選」に選ばれました。

――日本や世界で様々な文化に触れてきたからこそ生まれたアイデアなんですよね。

Jay Wu そして今回、レストランブランドを国内外で展開している外食事業会社WDI GROUP(過去の記事はこちら)とタッグを組んで、この『富錦樹台菜香檳』を2019 年 9 月 27 日に日本でオープンすることになりました。
場所は、日本橋に開業する商業施設『COREDO 室町テラス』です。

――どんなお店なんですか?

Jay Wu 料理はもちろん、店内のインテリアも台湾と同じ素材や色のトーンにしたり、観葉植物も台湾の店と同じく有名なフラワーアーティストにお願いしました。
テラス席もあるので外でシャンパンも楽しめますよ。
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――新しいスタイルでいただく台湾料理がとても楽しみです!
本場の味は料理そのものだけではなく、こういうインテリアや照明、音楽などあらゆる要素から作られていて、それがシズル感につながってくるんでしょうね。

Jay Wu 今まで台湾では、空間としてのシズル感は意識していなかったように思います。
ただおいしければいいということですね。
昔はお洒落過ぎると入りにくく感じる人が多かったんです。
それが最近になってミシュランがやって来たり、海外で修業したシェフによる空間作りや全体のバランスに力を入れた店も増えてきています。

屋台だけじゃない台湾料理の魅力を世界へ届けたい

――『富錦樹台菜香檳』の日本進出の次は他の国も考えていらっしゃいますか?

Jay Wu 次はロンドンかニューヨークですね。
『富錦樹台菜香檳』は、つくった当初から東京やロンドン、ニューヨーク、パリでも、料理や店の雰囲気もそのまま展開できる店をイメージしていました。

――今後の展望について教えてください。

Jay Wu  今までは飲食やアパレル、ライフスタイルなど世界の文化を台湾に紹介してきたので、これからは台湾の良いものを世界に紹介したいですね。
食に関して言えば、台湾料理を世界に発信して定着させていきたいです。
台湾料理というと小龍包や魯肉飯(ルーローハン)などの B 級グルメといったイメージが強くて、まだまだ伝わっていない部分が大きいと思うんです。
これからはもっと広い意味での「台湾料理とは何か?」ということを伝えていきたいですね。

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台湾と日本、そして世界のかけ橋として、それぞれの国のカルチャーを紹介し、新しいライフスタイルを提案しているJay Wuさん。
今後もどんなものを発信されるのか、目が離せません!

INFO:

2019年9月27日、洗練された台湾料理をシャンパンと共に楽しめる店として台北で人気のレストラン『富錦樹台菜香檳(フージンツリー)』が、日本初上陸として東京・日本橋の複合商業施設『COREDO室町テラス』2階にオープンします。
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株式会社ヒュー
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