「世界の料理を日常の食卓に」世界を旅する料理研究家ヤミーさん・インタビュー編

「世界の料理を日常の食卓に」世界を旅する料理研究家ヤミーさん・インタビュー編

東京・下北沢。
若者の街としてのイメージが強く、最近では再開発が進んで街の様子が刻々と変わる中、一本路地に入れば閑静な住宅街が広がります。
そこにあるのが、一軒家を改装した複合レンタルスペース『くらうま』です。
入口には季節の草木であふれるグリーンギャラリー、奥には様々な場面で活躍する料理家や食材の生産者が集うキッチンスタジオがあります。
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この空間をプロデュースしたのが、TVや雑誌で活躍する料理研究家のヤミーさんです。
ヤミーさんは、世界各国で料理ホームステイをして家庭料理を学んだり、街中で地元の人たちと食卓を囲む、世界を旅する料理研究家。
そうした経験を活かし、オフィシャルブログ『大変!!この料理簡単すぎかも... 3STEP COOKING』料理教室『Yummy's Cooking Studio』を運営しています。
シズルブログでは、季節ごとにヤミーさんのレッスンを体験しながら世界の料理のレシピをご紹介します。
第1回目では、ヤミーさんが世界の料理を教えるようになったきっかけについてお話をうかがいました。

料理で世界旅行ができる教室

――まずはヤミーさんのご活動内容について教えてください。

ヤミーさん(以下敬称略) 料理研究家として、『Yummy's Cooking Studio』という教室運営をメインに活動しています。
場所はここ『くらうま』というキッチンスタジオを中心に、1クラス約10名で、1ヶ月に17クラスのレッスンがあります。
また中野、上北沢、川崎に支部があり、『Yummy's Cooking Studio』認定講師が同じレッスンをしています。
その他にはテレビや雑誌の仕事や、企業のレシピ開発やHPでの連載も行っています。
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――教室ではどんな料理を教えていらっしゃるのでしょう?

ヤミー 世界の家庭料理です。
毎月国を変えて、前菜から、メイン、デザートまで、4〜5品のレシピを教えています。
でも現地そのままのレシピではなく、みんなが手に入りやすい食材や調味料に置き換えたレシピで、日常の食卓にも取り入れられることが特徴です。

――なぜ世界の料理をテーマにされたのでしょう?

ヤミー よく主婦の方から、毎日の献立を考えることも料理をすることも辛いという悩みを聞きます。
世界の料理というとパーティーとか特別の日に食べるというイメージもあるかもしれませんが、日常の食卓に取り入れられる料理をお伝えすることで、料理のレパートリーも増え、少しでも料理を楽しんでほしいという想いがあります。

また、いろんな国の料理を作ってみると、「なんだ、これでいいんだ!」と思えることがあるんです。
これって国民性なのかもしれませんが、日本人の料理の仕方ってこうしなきゃいけないという風に真面目過ぎちゃうんですよね。
でもそれが初めて体験する料理だと、フラットな状態で見られるんですよね。
中には包丁やまな板さえ使わない料理もあるんですから。
そうやって肩の力を抜いて料理をしてもいいんだよ、ということを伝えたいですね。
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――教室に来た時だけではなく、日常の料理が楽しくなりそうですね!

どんな生徒さんが通われているんですか?

ヤミー 主婦の方から、フードコーディネーターなど仕事で料理をされている方も多いです。
ご近所の方、遠くは四国から通っていらっしゃる方もいますよ。
女性だけでなく男性もいますし、とにかく食いしん坊な方が多いです。

輸入食材店で体験した世界の料理

――ヤミーさんが食の仕事に就かれたきっかけは?

ヤミー  子供の頃から食いしん坊で料理本が絵本代わり、料理番組を観るのも大好きでした。
私の親は、食べたいものがあれば自分で作りなさいという人だったので、よく自分で料理も作っていましたね。
でも料理を仕事にするつもりはなく、大学も美術系で、卒業後はテキスタイルデザインの仕事に就きました。

その後某有名輸入食材店に勤務。
元々海外の料理に興味があり、旅や食のエッセイはよく読んでいて、いつかそこに出てくる料理を作ってみたいと思っていたので、職場に世界の食材があることは本当に楽しかったですね!
そこでお昼休みには、持ってきた食材と世界の調味料を使って、電子レンジでその場でお昼ご飯作り。
これが職場でちょっと話題になり、同僚が「今日は何を作るの?」と集まってくるようになったんです。
すると周りからは料理本を出すことを勧められるようになり、まずは料理ブログからスタート。
それが2006年1月ですね。
1年後に書籍化され、そこから仕事のオファーが来るようになって、いつの間にか料理が本業になっていきました。
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食で人が集うキッチンスタジオのプロデュース

――導かれるように食の世界に入って行かれたんですね!
そこから教室運営を始めたきっかけは?

ヤミー 周りからのアドバイスと、ちょうど輸入食材店を辞めて時間ができたこともあって思い切って始めてみました。
最初は月に1回、20名ぐらいを相手にスタート。
デモンストレーションが中心で、計量や切るものはすべて事前に準備しておき、仕上げるところだけをみんなにやってもらうというスタイルでした。
それで1年ぐらいはやっていたんですけど、毎回20名の集客と準備はなかなか大変で……。
単発での参加の方もいらっしゃったので、伝えきれない部分も多かったし、、習ったものを家に帰ってから作る率も低そうだったんです。

あとから気が付いたんですが、これって切るとか基本的な部分で手を動かさなかったからなんですよね。
そういう下ごしらえにこそ料理の大事なポイントがあったんです。
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そこで方針転換して、まずは常連の生徒さん達を相手に自宅で少人数制の教室を開きました。
今度は実習形式にして、計量も下ごしらえもすべて生徒さんにやってもらいました。
そうすると家でもちゃんと作れるようになるんです。
生徒さんもどんどんスキルアップして、長く通ってくれる方も増えていきました。

それが口コミで広がって、新聞などでもとりあげていただき、生徒数はあっという間に100名に!
自宅教室では運営が難しくなり、スタジオを借りようかと思っていたところ、この『くらうま』というイベントスペースのプロデュースのお話が来たんです。

――またタイミングがすごいですね!
『くらうま』はどんなスペースなんですか?

ヤミー 最初にお話を伺った時は、“キッチンスタジオを作る‘’とは決まっていなくて、下北沢に住んでいる人の集う場所を作る、それには「食」だろう、ということだけでした。
そこで、食のプロとして参加してほしい、ということで、このプロジェクトに加わりました。
何度もミーティングを重ねて、「街のキッチン」としてキッチンスタジオを、「街の縁側」としてグリーンギャラリーを、という今の複合施設のスタイルになりました。

キッチンスタジオになるならば、私の料理教室も移動できますし。
オープンして2020年4月で丸一年、この場所のおかげもあって、170名くらいの生徒さんにお越しいただいています。

それだけでなく、食のイベントや様々なジャンルの先生方の料理教室、海外の方、地方自治体の方などに、活用いただける場になっています。

――『くらうま』で教室運営するようになって、何かご自身に変化はありましたか?

ヤミー 月に17回同じ料理を教えるので、すごく勉強になっています。
料理の仕事をしていると、人が分からないポイントが見えなくなってくるんですよね。
だから生徒さんから質問されることでそこに気付かされると、それを次のレシピに活かして教えられるようになったので、お互いに身に付くレッスンになっています。
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自宅でもシズル感は演出できます!

――ヤミーさんは料理教室で、シズル感についてどんな風に考えて演出していますか?

ヤミー 盛り付けの時には考えるんですが、料理がカラフルだからいいわけじゃなくて、全体に茶色でもそれが活きるようにお花やクロスやペーパーを使ってセッティングしています。
みんなが写真に撮ってインスタに載せるところまで考えて演出しています。
でもやり過ぎないこともポイントです。
自宅できっちりテーブルコーディネートなんてできないじゃないですか、それってリアルじゃない。
だからフライングタイガーやナチュラルキッチンなど、リーズナブルな雑貨でこんな演出ができるということも提案しています。
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――自宅でもシズル感を演出できたら、さらに料理が楽しくなりますね!

キッチンスタジオができてさらに活動の幅が広がりましたが、これからの夢について教えてください。

ヤミー 今考えているのは、遠方にお住いの方にも教えられるようにオンラインサロン的なものができればいいなと。
私が勤めていた輸入食材店も全国展開していますし、いろんな世界の食材を使ってもらうきっかけになればいいなと思います。

また、ここに通ってくださっている生徒さんがどんどん教える立場になってほしいですね。
私のレギュラーレッスンも受け持てる方や独立される方がもっと出てきたらいいなと思っています。
料理を教えることはいくつになっても続けられる仕事ですし、自分も自分の家族や周りの人も幸せにすることができるんですよ。
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料理もコーディネートも気負わず楽しめるヤミーさんの料理教室。
次回はレッスン潜入レポート・ペルー編をご紹介します。
どうぞお楽しみに!

INFO:

Yummy's Cooking Studio(ヤミーズクッキングスタジオ)
世界を旅する料理研究家ヤミーの会員制プライベート料理教室。
前菜からメイン、デザートまで、毎回お腹がいっぱいになる量の世界のコース料理を「まなぶ、つくる、たべる」レッスン。アットホームな雰囲気のなかで、テレビや雑誌では紹介できない、調理の初歩の初歩からレッスンしますので、未経験の方もお気楽にご参加いただけます。

ヤミーブログ https://ameblo.jp/3stepcooking/
料理教室HP https://www.manabi-abc.com/p/15/

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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