食のプロフェッショナルに聞く! おすすめのシズル名作vol.2

忘れられない映画のシーン、自分の価値観を決めた一冊の本。
誰しもが大切にしている映画や書籍があると思います。
今回シズルブログでは、いままで取材させていただいた食に関わるお仕事をされている方に、とっておきの「シズル感ある映画や書籍」を教えてもらいました!

いまは家で過ごす時間が多くなった方もたくさんいらっしゃるかと思います。
こんな時こそ、じっくりと美味しさを感じる映画や、食に関する書籍を楽しんでみませんか?

巣ごもりライブラリー企画第二回目では、音楽評論家で中東料理研究家のサラーム海上さんと、ヒマラヤの麓で作った無農薬・無添加のピーナッツバターの製造・販売を行う株式会社SANCHAI代表・仲 琴舞貴さんにご登場いただきます。

食や音楽を通して日本と世界の文化をつなぐお二人のおすすめ作品とは?!


音楽評論家&中東料理研究家 サラーム海上さんが選ぶ“シズル名作”

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Amazonで中東料理の本が発売されたら、とりあえず全部ポチるようにしてます(笑)。
一番好きなのは、中東料理が世界のデリカテッセンの主役に躍り出るきっかけとなったロンドンの人気イスラエルフュージョン店『Ottolenghi(オトレンギ)』の数あるレシピ本のうち、2012年のベストセラー本。
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エルサレムという一つの町に暮らしながらも、イスラエル人、パレスチナ人という異なった背景を持つ二人のシェフが、町の自慢料理を名所写真とともに共有しています。僕もここに掲載されているお店を訪ね歩きました。
Yotam Ottolenghi, Sami Tamimi『Jerusalem: A Cookbook』Ebru Press
※リンク先はサラームさんが所有のものと表紙デザインは異なりますが、内容は同じです

大学生の時に出会い、以来ずっとよだれを垂らしながら読み続けてきたのが1988年のこの本。
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日本のバブル時代の売れっ子写真家が海外ロケばりばりで食べ尽くした美味い肉、肉、肉、魚!
章題がいちいちすごいんですよ。
「獲物の舌触り」、「彼女の香る肉体」、「竈の中の神の肉」など、今ならセクハラで訴えられそうですが(笑)。
当時は「オレもこんな人になりたい!」と本気で思いましたねえ、ハハハ。
西川治『悦楽的男の食卓』白馬書店
※リンク先はサラームさんが所有のものと表紙デザインは異なりますが、内容は同じです

イスタンブルの友人から贈られた本です。
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トルコ人ジャーナリスト・映画プロデューサーのタン・モルギュルがイスタンブルのマルマラ海で採れた美味い魚料理と地酒ラクを飲みながら、思いを広げていき、バルセロナ、リスボン、アレキサンドリア、ジェノヴァ、マルセイユ、アテネと地中海、大西洋、エーゲ海の港町を周り、ご当地魚料理と酒を楽しみ、写真をバシバシ撮る!
もう、オレ流の男の夢が詰まってます! 
Tan Morgül『Raki & Fish』Halk Plaji Yayinlari

プロフィール:
サラーム海上 Salam Unagami
音楽評論家/DJ/中東料理研究家/朝日カルチャーセンター講師。
中東やインドを定期的に旅し、現地の音楽と料理シーンをフィールドワークし続けている。
9冊の著書、雑誌やWEBでの原稿執筆のほか、ラジオやクラブのDJ、オープンカレッジや大学での講義、料理教室講師等、活動は多岐にわたる。
選曲出演するJ-WAVE の中東音楽専門番組「Oriental Music Show」が2017年日本民間放送連盟賞ラジオエンターテインメント番組部門最優秀賞を受賞。
コミュニケーション言語は英語、フランス語、ヒンディー語、日本語。
群馬県高崎市出身、明治大学政経学部卒。


「ケバブだけじゃない、中東料理の世界へようこそ」サラーム海上さんインタビュー の記事はこちら


株式会社SANCHAI代表・仲 琴舞貴さんが選ぶ“シズル名作”

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何を隠そう、子供の頃から大のキュウリ嫌いです。食事にキュウリが少しでも入っていると、いつもどんな小さな切れ端も丁寧に取り出してこっそり母のお皿に入れていました。
それくらい本当にダメで。

そんな私が1度だけ(キュウリってもしかすると美味しいのかもしれない…)と思ってしまった瞬間があります。
ジブリ映画『となりのトトロ』のおばあちゃんが採れたてのキュウリを川で冷やして、サツキとメイに食べさせるシーンです。
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確か、中学生くらいの頃だったかと。
ワクワクしながら冷蔵庫からキュウリを取り出し、同じように冷水でしばらく冷やして、同じようにそのまま思い切り、がぶっ。
次の瞬間に口の中いっぱいに広がったのは、大嫌いなあの味でした。
(騙された!)
そのまま吐き出して母から怒られました。

あれは紛れもなくシズル感にやられた瞬間でした。
この時のシズル感はビジュアルではなく、音。
そして、背景にあるストーリー全てだったと思います。
遠くない少し前の古きよき日本。
田舎の豊かで力強い自然。
おばあちゃんの訛った話し方。
懐かしさや温かい愛情。
そういうもの全てが一つのイメージの塊になってズドン! と私の心に突き刺さり、このキュウリさえも美味しそうに感じさせていたのではないかと思います。

美味しさ、は想像力とも言えます。
すなわち、その想像力を刺激する要素としてのシズル感には五感(視覚や聴覚)だけではなく、ストーリーの力も含まれると思います。

キュウリに関しては、もう2度と騙されませんが。

プロフィール:
仲 琴舞貴 Naka Kotobuki
SANCHAI 代表取締役
ヒマラヤの麓で作った無農薬・無添加のピーナッツバター「SANCHAI PEANUT BUTTER」を製造・販売。
https://www.sanchai-inc.com/jp


ネパールの小さな村から生まれた究極のピーナッツバター の記事はこちら

サラーム海上さん、仲 琴舞貴さん、素敵な作品をご紹介いただきありがとうございました!
巣ごもりライブラリー企画、第三弾もどうぞお楽しみに。


食のプロフェッショナルに聞く! おすすめのシズル名作vol.1 はこちら

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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