
「食」のこと
食のプロフェッショナルに聞く!おすすめのシズル名作vol.3
忘れられない映画のシーン、自分の価値観を決めた一冊の本。
誰しもが大切にしている映画や書籍があると思います。
今回シズルブログでは、いままで取材させていただいた食に関わるお仕事をされている方に、
とっておきの「シズル感ある映画や書籍」を教えてもらいました!
自宅で過ごす時間が多くなった方もたくさんいらっしゃるかと思います。
こんな時こそ、じっくりと 美味しさを感じる映画や、食に関する書籍を楽しんでみませんか?
第三回目となる、この記事では 料理家・江口恵子さんと、 茶師・薬膳師・田島 庸喜さん、
そしてインナービューティー講座でお馴染みの浅利真妃さんにご登場いただきました!
料理家・江口恵子さんが選ぶ“シズル名作”
ひたむきに「食」「料理」と向き合う主人公の姿に感動!
私が今までに食の影響を受けた映画やドラマ、書籍をあげたらきりがないかも・・・・。
なのですが、今回のコロナウィルスの影響での自粛生活で、
思わぬ時間のプレゼントをもらった私は、アマゾンプライムでエンタメ三昧。
動機がとっても不純でお恥ずかしいのですが、
イケメン俳優・佐藤健さんの作品巡りをするなか、『天皇の料理番』に行きつきました。
私にとって『天皇の料理番』と言えば、子供のころに見た堺正章さんバージョンでした。
なぜか、食関係のテレビ番組が好きだった父が見ていた横で一緒に見始めたこのドラマ
内容や細かなことは覚えていないのに、
「フランス料理ってすごいっ!料理人ってかっこいい」
ということだけはしっかりと印象に残っています。
今回、このタイミングで見た佐藤健さんバージョン。
見始めると、当初の動機はどこかへ飛んでいき、料理のシズルカットや、
調理シーンの手元、調理場のインテリア、使っている道具へと、どんどん引き込まれていきました。
中でも印象に残っているシーンが2つ。
フランスのお店に「小僧」として入り仕事をスタートするものの、当時のフランスでは
東洋人・日本人の料理人は全く認めてもらえず「黄色い猿」と呼ばれることも・・・
ある時、まかないを食べていた時にとても悔しい屈辱を味わうのですが、
理不尽な思い、悔しい思いをした彼が取った行動が、
厨房に向かいひたすら、ジャガイモのシャトー剥きを始めるという・・・
ふてくされるのでもなく、落ち込むでもなく
ただただ、ひたすら手を動かす姿。
何かを成し遂げる人って、こんなところで差が付くんだよ、きっと・・・・
と、ジーン・・・・(笑)
『天皇の料理番』(C)TBS 発売元: TBS 販売元:アミューズソフト
もう1つは、
天皇の料理番となり、フランスから日本に帰国した後のシーンで
もともと居た料理人との折り合いがいまいちスムーズにいかないまま
晩餐会の準備を進めていき、
やっぱりここでもジャガイモが登場して(笑)
「このレベルじゃぁいかんのです!」と言いながら、ジャガイモを転がして
表面を滑らかさ、ジャガイモの下処理のレベルの違いを説明するシーン
職人だよなぁ~~ やっぱりここまでこだわって仕事することって大事なんだよな・・・
と、ただただ感動してしまいました。
この2つのシーンに限らず、ドラマ全編を通して
妥協せず、ひたむきに「食」「料理」と向き合う主人公の姿に、
改めて、自分も食の世界で仕事をさせてもらえていることを幸せに思い、
また、今まで以上に「食」と向き合っていきたいと、背筋が伸びる思いでした。
そして、
このドラマで、佐藤健さんが演じた秋山篤蔵が何度も言った言葉
「まごころ」
言葉にすると、たったひと言なのですが、
食に携わる仕事をしている私も、
この「まごころ」という言葉ひとつに全ての思いが集約しているように思います。
いま、このドラマを見ることができたことは、
きっと、この先の自分への大きな影響をもたらすような気がしています。
料理のシズルとは少し離れてしまいますが、
このドラマの主人公も、そして、おそらく演じた俳優の佐藤健さんも・・・・
自分の仕事に対するストイックさや
真面目で真剣な向き合い方を見て、
「今まで以上に、妥協せず自分に厳しく、自分の仕事と真剣に向き合っていこう」と決意したのでした。
そして、もう1つ。
シズルと聞いて思い出す作品が フランス映画の『アメリ』
有名なあのシーン、クリームブリュレの表面をスプーンでカンカンとたたくシーン。
特にクリームブリュレが好きな訳でもないのに、あの映画のDVDを見ると
無性に食べたくなるし、無意味に表面を叩きたくなるのは私だけではないはず(笑)
©VICTOIRES PRODUCTIONS – TAPIOCA FILMS – FRANCE 3 CINEMA 販売元:アルバトロス
アメリは、フランス好きな私にとって、ファッションもインテリアも、
同じアパートに住む住人との何気ない普段の会話でさえも、
とてもキラキラとした憧れの世界観が満載の映画です。
「アール・ド・ヴィーブル」生活(暮らし)は芸術
ある意味、私の永遠のテーマでもあるこの言葉がぴったりな映画だと思います。
江口恵子
料理家・フードスタイリスト
「pen」「オレンジページ」「saita」等の雑誌、広告などへのレシピ提案のほか、
スタイリングも手掛けるなど多様に活躍する料理家・フードスタイリスト・
料理教室『ナチュラルフードクッキング』とカフェ『ORIDO』を主催。
また3人の子供を育てる母親でもあり、「毎日食べたくなる」まっすぐに美味しい料理提案を得意とする。
カフェ『ORIDO.』 Instagram:orido.kichi
ナチュラルフードクッキング – 江口恵子のおいしくて体にやさしい料理教室
毎日食べたい、家族に食べさせたい。そんなシンプルで素直に美味しい料理を目指すクッキングスクールです。高級レストランのような凝った複雑な料理でもなく、あれもこれもダメと制限するような、ストイックなごはんでもありません。素材の持つ本来のおいしさを引き出し、シンプルに味つけしたもの。体にかるくて負担がなく、毎日、毎日、食べたくなるもの。そんなまっすぐでおいしいごはんを一緒に作りましょう。
Instagram:naturalfoodcooking
公式HP www.natural-foodcooking.jp
茶師・薬膳師・田島 庸喜さんが選ぶ“シズル名作”
生かされている歓びに気づかされる名作
おすすめの映画は『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』の第二番です。
とても素晴らしい映画なので、ぜひ一人でも多くの方に観ていただきたいです。
出演する佐藤初女さんの作る料理は、
実に美味しそうで食べることの大切さに気づかせてくれます。
ガイアシンフォニーは全8作、
さまざまな出演者の珠玉の言葉と美しい映像が織りなす生命の営み、
生かされている歓びに気づかせてくれる映画なので、今の時期にぴったりだと思います。
尚、この映画はレンタルショップには見当たらなく、
購入のみのようです。私は寄付する気持ちで買いました。
この映画を観た人たちとお茶でも飲みながら語り合いたいものです。
地球交響曲第二番 予告編 from GAIA FILMS on Vimeo.
田島 庸喜
TheTea Company 取締役/茶師・薬膳師
北京中医薬大学日本校卒業。
和食の板前を経験し漢方医の資格を取得後、薬膳の普及活動に携わり、東京広尾にて中国・台湾茶専門店を経営。中国茶の奥深さ幅広さに魅了され、中国茶文化の研究をライフワークとし、セミナー、商品開発、著名レストランへのお茶のコンサルティング、料理とのペアリングの提唱などを行なっている。また、日本国内のお茶生産農家を巡り、日本茶の可能性について探っている。
美肌食育教室主宰・浅利真妃さんが選ぶ“シズル名作”

思いっきり前向きな気持ちになれる、主人公2人の姿に共感!
私からは、とっても美味しそうで明るい料理映画『ジュリー&ジュリア』をオススメさせて頂きます。
映画の最初からシズル感のある、そして暖かみのある色調の映像にどんどん引き込まれていくところも観ていてとても心地良いです。
この映画のストーリーならではの50年の時空を行き来しながら、
2つの物語、そして2人の女性の人生を見ることで「自分の人生を真剣に生きる!」というテーマについて、
実はとても考えさせられる映画です。登場する2人の女性がそれぞれの時代で、
その人らしく精一杯生きていて、チャーミングでいてすごく人間らしいところにも触れることができる作品でした。
家庭を守る主婦の方も、もちろん仕事を持つ女性にも必ずどこか共感してもらえる箇所があるのではないかと思います。
実話がモデルになっているというリアルな終話にも、
人生には自分が思ってもみない誤算や思い通りではない現実もあったりする、
そんなところも含め、心に残り、余韻にも浸れる映画だと思います。
こんな時だから思いっきり明るく、美味しい映画をオススメします。
夢を叶えるということや情熱を注げるものについて、素直にもう一度考えてみたくなるそんな1作でもあります。
▲映画の登場人物であるジュリア・チャイルドのレシピ本はヒューのライブラリーにもそろっています!
美肌食育教室主宰・美容家・美肌食育プランナー ビューティーフードスタイリスト フードコーディネーター 食育インストラクター コスメコンシェルジュ エキスパートファスティングマイスター。 食の専門スクールにて、インナービューティー講座をプロデュースする。またビューティーサロンプロデュース、化粧品PR・ブランディングでの経験を活かしビューティー企画、インナービューティーセミナーを開催。 Instagram:@maki_asari
著者プロフィール

- シズル撮影専門のクリエイターチーム・ヒュー
- ヒューは食の撮影に特化したフォトグラファーが多数在籍しています。スチール撮影からパッケージ撮影、動画などシズル感のある表現で「おいしい」が伝わるビジュアルをご提案していきます。
