親子で料理を楽しむ3つのポイント!サゴイシオリさんインタビュー

親子で料理を楽しむ3つのポイント!サゴイシオリさんインタビュー

コロナ禍の中、突然の学校休校や幼稚園・保育園の休園により、
思いがけず子どもと自宅で過ごす時間が長くなった今年の春。
スーパーでは製菓材料が売り切れになるなど、子どもたちとキッチンで過ごした方が増えたようです。

しかし、いざ子どもと料理を始めてみると・・・
慣れない手つきにヒヤヒヤしたり、つい注意しすぎてしまったりと、
思ったように楽しめなかった方もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、子どもとキッチンで料理を楽しむコツについてご紹介いたします。
お話を伺ったのは、以前ヒューでも『おいしいおやこ時間』のワークショップを
多数開催してくださった料理家のサゴイシオリさん
10年にわたり続けてこられたお料理教室やワークショップの経験や、
ご自身の子育ての中から、3つのポイントを教えていただきました。

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▲hueで開催したサゴイさんの『おいしいおやこ時間』ワークショップでの一コマ


サゴイさん(以下敬称略)
ステイホームの期間中、小学生など食べ盛りのお子さんが
いらっしゃるご家庭では買い物も料理もとにかく量が多くて大変。
幼稚園や保育園など小さいお子さんがいるご家庭は、
量は少ないけど親の手や足が引っ張られて食事の準備が大変でしたよね。

朝・昼・晩と食事を用意しなくてはいけないプレッシャーもある中、
その内の1食でも子どもと「遊びながら食べる」ことができれば、
少しリフレッシュになると思います。
今は自粛生活も終わり日常が戻ってきましたが、
以前とまったく同じように過ごせるわけではありません。
ニューノーマルと言われるこれからの暮らしの中で、
少しでもこのヒントがお役にたつと嬉しいです。


子どもと料理を楽しむ3つのコツ

よく「子どもができる料理を年齢別で教えてください」と聞かれます。
確かに年齢別だとわかりやすく、一つの目安にはなるのですが、
すべてのお子さんが該当するわけではありません。
その子の興味の強さで、できることは大きく変わります。
また年齢別で区切ることで「うちの子は3歳なのにまだできない」と
親も心配になってしまいます。年齢だけを物差しにせず、
その子が何に興味を、どれくらい持っているかが大切ですね。

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1、はじめに危険を伝える!

子どもが料理をする上で危険なのは「切ること」と「火を使うこと」の2点です。
つまり、この2点さえ気をつければ、多少こぼしても大丈夫。拭けばいいだけです。
そうは思っていても、子どもの手つきを見ていると何度も「危ない!」と言いたくなりますよね。
子どもと料理をする時、最初に危険を伝えることが大切です。
「ここを触ると危ない」と子どもと一緒に確認しておけば、
作業の途中で何度も声をかけなくて済みます。
親も、「最初にもう伝えてある」と思うことで少し安心できますよね。
作業の途中で、危ないと思ったら
「最初に確認したのなんだっけ?」と親も一緒になって振り返ります。

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▲hueで開催したワークショップでも最初にフライパンを見せて、「どこを触ると熱いかな?」と子どもたちに確認。
「黒いところは熱くなるから触らない」「ここは持っても大丈夫」と一人ひとりが理解してからお料理をスタートさせていました。

2、台所にこだわらない
子どもたちは台所にあるいろんな道具に触ってみたいし、全部自分でやってみたい。
兄弟・姉妹がいる場合は一人に一個ずつ作業できるものを用意しないといけないケースもあります。
子どもの「やりたい!やらせて!」に応えるためには、広めのスペースが必要です。
でも日本のキッチンはそんなに広くないですよね。
それに普段は様々なものが、親が使いやすいように配置されているので
「子どもと料理を楽しみたいけど、まず台所の片付けから始めないといけない」という声もあります。
そんな時はキッチンにこだわらないことがポイントです。
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リビングなど少し広めのスペースが確保できる場所へ移動して、そこで料理をする。
そうすると、一人1個ずつボウルを抱えて作業できるし、
みんなが同時に鍋を覗きこむこともできて喧嘩になりません。
我が家の場合は、リビングのテーブルで、カセットコンロを使います。
狭いキッチンに全員が立つことより、スペースが確保できる場所で落ち着いて作業しましょう。

3、子どもの集中力のピーク時を見極める
小学校の授業は45分。つまり小学生でも45分集中するのが精一杯。
途中で飽きちゃうのは当然の事です。
まして幼稚園や保育園のお子さんの集中力は大人が思うほど長くはありません。
そのため、料理を一緒にしていても、
結局最後は親が一人で料理していた、なんてことありませんか?sagoisann01.jpg
▲自分から「やりたい!」と言い出しても興味が移るといつの間にかどこかへ(笑)。次男が年長さんの頃の写真です。

子どもの集中力は続かないものだと親が理解して、短い作業の料理をぎゅっと集中してやる。
あるいはクッキーなどは生地を寝かすなど、一度作業を中断するのも良いと思います。

またピザを生地から作る、といった大作の場合は仕上がりがちょうどお昼ご飯どきになるよう、
スタートする時間を逆算しておくなど時間の工夫もできます。
準備から巻き込むと、料理を作るピーク時には子どもが飽きてしまうこともあるので、
子どもがやる工程を一部に絞ってもよいでしょう。

以上、3つのポイントをお伝えしましたが、
一番は「料理を作るうえで親も子どもも『たのしい!』ことが大事。」
という事です。準備や片付けが大変過ぎると
「もう二度とやりたくない」という気持ちになってしまいます。
SNS映えするようなすごい料理を一度だけ作ることより、
少しずついろんな経験をかさねる方が、
子どもも料理への興味が強くなるように感じます。
例えばゆで卵の殻をむくようなことからステップアップしていけば、
本人もできることが増えていく実感があり、楽しめるのではないでしょうか。

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▲子どもの機嫌をとったり、「子どもにおもてなしする」という感覚ではなく、
いつもの料理を分担してやっている、という心持ちでいられることが大事なように思います。
子どもと料理することが日常に馴染んでくるといいですよね。


10年以上、料理のワークショップを開催してきましたが、
以前は女の子とお母さんの参加者が多く、リアルままごとの延長といったイメージがあったように思います。
それが今はお父さんや息子さんの参加もどんどん増えてきて、皆さん戸惑いなく楽しんでくださっています。
ワークショップのアンケートなどにもよく書いてくださるのは、
「子どもがこんなことができるなんて知りませんでした」というもの。
料理を通じて、普段は気づかない子どもの意外な個性や成長が感じられることがあります。

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▲私自身も、2人の息子と料理をする中で、取り掛かるまでは大変だなあと感じることもあります。でも手を動かし始めると、彼らの考え方や、取り掛かる方法など、いつもは気づかなかった個性や成長が感じられることがあります。そんな時はテーブルが粉だらけになっても、いい時間が過ごせたなと思えます。


次男が作ったフレンチトーストの思い出

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料理に興味があるお子さんがいらっしゃる方は、いつか必ず経験する出来事があります。
それは、子どもだけで最初から最後まで料理をする日がやってくること。
我が家の場合は、私が仕事で外出している時に次男から電話があり、
「おやつがないからフレンチトースト作っていい?」と聞かれたんです。
ガスコンロを使う時にそばに居られないことを考えると不安もありましたが、
これは子どもを信じてあげるしかない、と腹をくくって「いいよ」と返事をしました。

もう、その日の帰り道は駅から自転車を爆走!
家が丸焦げになっているんじゃないかなって。(笑)。
でもいつか、子どもが一人で料理をする日は来るんです。
その時のことを想像しながら、今は一緒に料理を楽しんでみてください。

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サゴイさん素敵なエピソードと役立つポイントを教えてくださりありがとうございました!

Profile・サゴイシオリ
フードコーディネーター・キッズ食育コンサルタント・ワークショップデザイナー
東京農業大学在学中に野外教育campのキッチンディレクターとして「食」の仕事をはじめる。
CUEL(キュール ケータリング&フードデザイン)スタッフを経てフリーに。
「食」につながるアクションが人と人とをつなぎ、豊かなときや関係性を育むことに注目し、
【食のワークショップ】を幅広い世代へ向けて行う。
【料理教室】では子ども向けには「やりたい!」気持ちを大切に、
大人向けには「タイヘン!」が「たのしい!」に変わるレシピを提案。
自らプロデュースする【たのしいちぎりぱん®】を用いた食育活動では共食の楽しさを伝える。
雑誌・webへのレシピ・写真提供、生産者取材・執筆にも取り組む。
HP:http://www.sagoishiori.com
FB:https://www.facebook.com/sagoishiori

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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