大切な人とおいしい時間を共有できる『PRIME CHEF』事業責任者・宮崎理沙さんインタビュー

大切な人とおいしい時間を共有できる『PRIME CHEF』事業責任者・宮崎理沙さんインタビュー

テイクアウト、お取り寄せ、デリバリー。
ここ数ヶ月で食の楽しみ方は一気に広がり、今まで試したことのなかったサービスを利用された方も多いかもしれません。
今回お話をうかがったのは、株式会社オプトインキュベートが展開するフードサービス『PRIME CHEF(プライムシェフ)』の事業責任者・宮崎理沙さん。
現在『PRIME CHEF』が提供するサービスは2つ。
シェフがお客様の希望の場所へ伺い、その場で食材を調理し提供する「出張料理」。
そして、特別な日にぴったりなコース料理と、それを楽しむためのメッセージを一緒に届ける「デリバリー」です。
事業に関わるようになった経緯から、宮崎さんの食体験までお話をうかがいました。

新サービスもスタート! 誰もが楽しめる『PRIME CHEF』の魅力

――『PRIME CHEF』とはどんなサービスなのでしょう?

宮崎理沙さん(以下敬称略) 『PRIME CHEF』は2015年に出張料理を利用したいお客様とシェフのマッチングサービスとしてスタートしました。
妊娠中の方や小さいお子さんがいる方、ご年配の方など外食したくてもできない方々に、おうちでハレの日の食事を体験していただくというコンセプトの元に始まったサービスです。

コロナの影響によりおうちでの食事の需要がより高まる中、サービスにもよりバリエーションが必要になりました。
理由は、出張料理サービスだと飲食店に行くよりリスクは少ないとはいえ、やはりシェフと接することになり、不安に感じる方もいらっしゃるからです。
そこで緊急事態宣言が出た直後 、2020年4月20日に記念日に特化したフードデリバリーサービスをスタートしました。
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――素早い対応ですね!
ここ数年は各社がオリンピック需要に向けて動いていた中での急展開となり、対応に困った企業も多かったと思います。

宮崎 すぐに新サービスをスタートできたのは、今まで『PRIME CHEF』が日々シェフの声を取り入れながらサービスをつくりあげてきたので、連携が密だからです。

――デリバリーサービスを通して目指すところは?

宮崎 お客様に食の楽しさやシェフのクリエイティビティの高さを感じてもらうことです。
それは料理を簡易容器に入れて、お届けしてそのままお召し上がりいただくだけではなかなか感じづらいと思います。
そこで私たちはお客様にあえてひと手間をかけていただくことにしました。
弊社 では、お届けした料理をご自宅の器に移し替えてお召し上がりいただくことをおすすめしています。
そのために温め方や盛り付け方について、シェフのアドバイスをメッセージカードとして添えています。

――これは他社のデリバリーサービスとは大きく違うところですね。
そのひと手間によって、シェフがどれだけ細部にまでこだわっているか伝わってきます。
それはただ飲食店で食事をするだけでは伝わりにくいことかもしれませんし、お客様にとってもシェフにとっても幸せですね!
コロナの影響でシェフの応募は増えましたか?

宮崎 はい、増えました。
以前は一般家庭のキッチンなどきちんとした設備が整っていない場所では自分のクリエイティビティを発揮できないと、出張料理サービスにマイナスのイメージを持つシェフも多かったんです。
でも最近は、場所を持たないで食のサービスを提供できることに価値を感じるシェフが増えています。
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お客様もシェフも幸せにする『PRIME CHEF』のコンセプト

――宮崎さんが『PRIME CHEF』の事業責任者となった経緯について教えてください。

宮崎 私は元々フリーで食の仕事に携わっていて、チョコレートブランドの立ち上げや、イベントやワークショップの企画などを行ってきました。
この仕事を始めた当初から考えていたことは、飲食店を持つことだけが食の仕事ではないということ。
場所がなくてもシェフが活躍できる場をつくっていくことがこの業界全体を持続可能なものにするのではないかと考えていました。
そのため出張料理サービスには元々興味があり、調べていた時に『PRIME CHEF』のことを知りました。
担当者の方とお話しすると、まさに私がやりたいことと合っていて、 事業責任者として参画することになりました。

私がまず手掛けたことは、サービスのフルリニューアル。
ホームページやロゴも一新し、サービスのあり方についても見直しました。
私たちがお客様に提供すべきことは、シェフとお客様とのマッチングだけではなく、背景にあるストーリーや料理を提供する場や空間、そしてお客様と共にする時間自体をより美味しくするお手伝いであり、同時に、シェフのクリエイティビティを伝えることこそが私たちがやるべきことであると。
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食譜と楽譜。食体験と音楽が宮崎さんにもたらした考え方

――お話をうかがっていると、宮崎さんがクリエイティビティというものをとても大切にされていることが伝わってきますが、そのように考えるようになった背景が気になります!

宮崎 大学で作曲やオペラの制作など芸術表現について学んだことが大きいのかもしれません。
クリエイターとして社会で生き抜くことは本当に大変なので、クリエイターが活躍できる環境をつくることが自分のやりたいことだと思ったんです。

――なるほど、そういうことだったんですね!
そこから食の仕事に結びついたきっかけは?

宮崎 私のベースに食があったからです。
私は札幌出身で、祖父母は米や野菜をつくっていて、母親は料理好きだったこともあり、小さい頃から食に囲まれて育ったので、私自身も自然と料理が好きになっていました。
大学で上京したのですが、あまりにもみんなが料理をしなかったり、出来合いのものばかり食べていたりするのを見て、これは変えたいなと思うようになったんです。

私が大学まで学んだ音楽はクラシックでしたが、日本だと敷居が高いなど入りづらいイメージがあり、自分ができる表現方法の中でより多くの人に伝えやすいものとして食を選びました。

レシピは中国語で、「食譜」と書くんです。
料理ってレシピが同じでもそれをつくる人や道具、食材が異なれば全然違うものになるじゃないですか。
それは音楽も一緒で、楽譜が同じでも演奏する人や楽器、ホールによって全く異なるものになるんです。
こうやって考えると、今までやってきたことすべてが今の仕事に繋がっていることを感じます。

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――すべてが活かされていますね!
クリエイターや作品のストーリーを大事にする点は、食の写真とも共通すると思うのですが、宮崎さんは食の写真やシズル感についてどのように考えていますか?

宮崎 飲食店選びは街を歩いていて良い香りに引き寄せられることもあると思うのですが、そういうリアルな体験ならではのセレンディピティが起きづらい今、食欲を掻き立てる表現方法として動画もしかり写真がより大事になっていると思います。
『PRIME CHEF』ではシェフの多様性を大切にするために写真はそれぞれのシェフにお任せしています。

新しい生活における飲食店の未来

――この度のコロナ禍ではどんなことを考えましたか?

宮崎 今まで多くの飲食店が、どれだけ人がたくさん通っているところに店を出せるかということを目指してきました。
でも人が行き交うところは家賃も高く、それだけ経営リスクも高かったんですよね。
それが今回のコロナで今まで良しとされていた常識が一気に変わり、人が集まるところ自体がリスクとされてしまいました。

ここ数年、特に若いシェフの中に食材の源流に近いところで料理をしたり、自分で野菜をつくったりすることに興味を持つ方が増えているように感じます。
今後はますますその傾向が強まり、郊外で自分のお店を持って本当に自分が表現したい料理をつくるシェフが増えるのではないでしょうか。

――宮崎さんご自身の生活に変化はありましたか?

宮崎 コロナで在宅勤務ができるようになったので、海の近くに引っ越しました。
今まで通勤の利便性から都内に住んでいましたが、元々都内のザワザワした環境に馴染めなかったということもあって決断しました。

――生活スタイルも大きく変わりましたよね。

宮崎 そうですね。
今までは仕事帰りに飲みに行くことや、会食が多かった方も、それが一気に減り、本当に大事な人と過ごす時間の大切さに気付いたという声も聞きます。
コロナが落ち着いた後は全く前の状態に戻るわけではなく、外食もより選別されるものになっていくのではないかと感じます。
そのため、飲食店はこれまで以上にわざわざ遠くからでも足を運びたいと思わせるような付加価値を打ち出せるかが大事になってくるのではないでしょうか。

個人的には自給自足に興味がありますね。
今まで自給自足というとハードなイメージもありましたが、もっと生活に組み込みやすいスタイルで無理なく続けられないかと考えています。
いろいろなソリューションを取り入れながら、日々の暮らしを豊かにするために野菜をつくっていきたいです。

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――宮崎さんが野菜づくりなど食体験を増やすことによって、『PRIME CHEF』の中にもまた新しいサービスが生まれるでしょうね!

宮崎 直近の目標は、飲食店向けての『PRIME CHEF』のサービスを拡充させていくことです。
元々登録しているシェフは、自分のお店を持ちつつ空き時間で出張料理をする方や、今は飲食店に勤めているけれど後々独立を考えていて『PRIME CHEF』を活用して自分のファンづくりをしている方がメインでした。
しかし今回のコロナによって、多くの飲食店が今までの回転率や客数を維持できなくなりました。
そこを埋めるための1つのサービスとして飲食店の出張料理やデリバリーも始めました。

そして引き続き場所がない(店舗を持たない)料理人でも活躍できる場を突き詰めて、持続可能な食の仕事を生み出していきます。
シェフがいれば新たな価値を生み出すことができるので!


お客様とシェフ、それぞれの幸せのために新サービスを生み出す『PRIME CHEF』
食のクリエイティビティが守られながら、業界全体が活性化できる道はここにあるのかもしれません。

INFO:
『PRIME CHEF』 https://www.primechef.cooking/
株式会社オプトインキュベート https://www.opt-incubate.com/

著者プロフィール

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株式会社ヒュー
株式会社ヒューは「食」を中心とした広告や商品パッケージの撮影から、レシピの開発・提案・クッキングの手配や出版物・WEB・デザイン・SNSを使ったコミュニケーションツールなど多彩にご提案が出来る「食の総合プロデュース会社」です。
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